第24回日本糖尿病教育・看護学会学術集会

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シンポジウム

シンポジウム
「見える化」して身体を看る -新たな気づきからケアへの発展-

Sun. Sep 22, 2019 10:30 AM - 12:00 PM 第1会場 (2F コンベンションホールB)

シンポジスト:大橋 優美子(東京大学医学部附属病院 糖尿病看護認定看護師), 伊藤 千穂 (国保直営総合病院 君津中央病院 糖尿病看護認定看護師), 丹波 光子 (杏林大学医学部附属病院 皮膚・排泄ケア認定看護師)
座長:森 小律恵 (公益社団法人日本看護協会 看護研修学校), 髙橋 良幸 (東邦大学健康科学部)

【企画要旨】
 第24 回学術集会のメインテーマは「身体から生活・人生を看る」として身体に焦点を当てている。
 看護において身体を看ることは基本的なことであり、患者の状態を把握し援助方法を検討したり、またその評価のために、フィジカルアセスメントや症状を観察し、病気の状態を把握したりしている。特に糖尿病看護においては、身体を看ることを通して、患者の生活を把握し、生活の中で影響していることはないか、改善、工夫できることはないかなど、新たな気づきを得て、ケアの方針が定まり、あるいはケアの評価が可能となることがある。
 現在、機器の開発や診療報酬の後押しにより、身体を看ることに新しい指標を用いてケアを進めている領域がある。そこで本シンポジウムでは、いくつかの実践事例の報告を踏まえ、「身体を看る」ための手段やその成果について、参加者の皆様と意見交換をしたいと考え企画した。
 糖尿病患者へのフットケアについては多くの報告があるが、予防的なフットケアとして、足の状態、全身の状態、生活状況、セルフケア状況をアセスメントし、その患者にあったケア方法を検討し実践している。モノフィラメントや振動覚など簡易的な方法を用いて患者の足の状態を把握し、患者自身が足の状態を把握できるよう働きかける道具として使用されていることが多い。今回、2 名の糖尿病看護認定看護師から、フットケアにサーモグラフィーを用いて下肢の皮膚温の変化から、足の状態を把握しケアに繋げている実践事例、末梢神経障害の簡易検査(DPN)の結果を用いて足の状態を把握しケアに繋げている実践事例を発表していただく。
 さらに、糖尿病看護において自律神経障害を抱える患者へのケアはまだまだ不十分で、中でも排泄ケアに関することは苦手な看護師も多いのではないだろうか。今回、皮膚排泄ケア認定看護師より、神経因性膀胱にて排尿障害のある糖尿病患者に対してエコーを用いた膀胱訓練を行っている実践事例を発表していただく。
 3 名の認定看護師からの実践事例をもとに、糖尿病看護において身体を看ることの重要性をあらためて参加者の皆様と意見交換をしたいと考えている。

大橋 優美子1, 大江 真琴2, 下嶋 祐子1, 鶴岡 かほり3, 竹原 君江4, 野口 博史5, 真田 弘美2,3 (1.東京大学医学部附属病院看護部, 2.東京大学大学院医学系研究科 附属グローバルナーシングリサーチセンター, 3.東京大学大学院医学系研究科 健康科学・看護学専攻老年看護学/創傷看護学分野, 4.名古屋大宅大学院医学系研究科 看護学専攻, 5.東京大学大学院医学系研究科 ライフサポート技術開発学(モルテン)寄付講座)