[O10-1] 災害看護をどのように教えるか
1.研究目的
A看護専門学校において、基礎教育のカリキュラムとして災害看護12単位の授業がある。今回、どのような授業で災害看護を教えていくべきか検討した。災害看護分野においては、今、災害が起こったとしても、学生が災害時の看護を理解し、病院の医療スタッフと共に行動できることを目指す必要がある。つまり、受身の授業だけでは思考力、行動力は身につかない。そのため、映像視聴、調べ学習、体験学習などを授業プログラムに入れた。災害看護の授業を終えた学生に対し、アンケートを実施しどのような授業形態が有効かを検討したので報告する。
Ⅱ.研究方法
1. 期間:平成29年8月〜平成30年3月
2. 対象:平成29年度 A看護専門学校2年生 Aクラス37名 Bクラス39名 計76名
3. 災害看護授業実施
①講義 ②災害関連映像視聴 ③災害時のトイレや感染予防のグループワーク
④公的機関や民間企業など「災害対策」調べ学習グループワーク ⑤簡易災害訓練の演習 ⑥BLS
4. データー収集方法
自記式質問紙調査
5. 分析方法
分散分析:一元配置
6. 倫理的配慮
倫理的配慮として、アンケート記入は任意であること、記入に同意しない場合においても不利益を受けないこと、無記名であり個人は特定されないことを口頭で説明し同意を得ており、当院倫理委員会にて承認を得た。
Ⅲ. 結果
有効回答数:75名 有効回答率99%
1. 災害授業全てを100%とし、そのうち災害や災害看護を学べたと感じた割合を回答
① 講義17.13 ②災害映像17.8 ③トイレや感染予防GW13.8 ④災害対策調べGW13.9 ⑤災害訓練18.53 ⑥BLS19.41
<分析>
P値(6.59E-11)F境界値(2.23)であり帰無仮説を棄却
結果:授業のうちで災害や災害看護が学べたと感じた割合に有意差があり
2. 災害や災害看護をどのように受け止めているか、受講前と受講後で比較(%)
災害を身近のものと感じた (48.1 → 77.8)
災害はいつでも起こりうるというイメージ出来た(51.6 → 81.3)
災害の脅威についてイメージ出来た(52.2 → 83.4)
災害看護の役割をイメージ出来た(39.3 → 80.1)
災害看護の学習の必要性を感じた(49.7 → 87.7)
災害時に置いて役割を果たせる看護師になりたい(56.8 → 87.0)
総合平均(49.6 →82.9)
Ⅳ. 考察
災害については国内、海外共にあらゆる事象がメディアで報道される時代であり、学生は授業前より50%の理解と関心を持って受け止められている。授業形態は、座学、映像、創造、調査、演習と様々な形態を意図的に取り入れた。その結果、授業後は83%の理解と学びが見られた。授業形態による学びには有意差が出た。BLSや災害訓練など演習での学びが高かった。体感することは実感に繋がったと思われる。次に映像、講義であった。リアルな映像でイメージを図るとともに知識の整理に繋がったと思われる。そして、災害時のトイレの工夫や感染予防対策と災害対策調べについては効果はやや低かった。授業での様子はGWで活発な意見を出し合う姿や想像力豊かな発表も見られ、ICT学習としても学びに繋げられると考えられたが十分な学びに繋がらなかった。現在、多くの教育現場でアクティブラーニングが取り入れられている。災害看護学においても学生参加型・学生主体型の学習方法を取り入れ、学ぶ側も自ら考え、自ら能動的に動く事で、現代社会で求められている看護師としての能力を養うことにつながると考える。
Ⅵ 結論
災害の授業形態により学びは有意差がある。災害看護学の授業においては、目標に合わせ、工夫した授業を考え実施する必要がある。
A看護専門学校において、基礎教育のカリキュラムとして災害看護12単位の授業がある。今回、どのような授業で災害看護を教えていくべきか検討した。災害看護分野においては、今、災害が起こったとしても、学生が災害時の看護を理解し、病院の医療スタッフと共に行動できることを目指す必要がある。つまり、受身の授業だけでは思考力、行動力は身につかない。そのため、映像視聴、調べ学習、体験学習などを授業プログラムに入れた。災害看護の授業を終えた学生に対し、アンケートを実施しどのような授業形態が有効かを検討したので報告する。
Ⅱ.研究方法
1. 期間:平成29年8月〜平成30年3月
2. 対象:平成29年度 A看護専門学校2年生 Aクラス37名 Bクラス39名 計76名
3. 災害看護授業実施
①講義 ②災害関連映像視聴 ③災害時のトイレや感染予防のグループワーク
④公的機関や民間企業など「災害対策」調べ学習グループワーク ⑤簡易災害訓練の演習 ⑥BLS
4. データー収集方法
自記式質問紙調査
5. 分析方法
分散分析:一元配置
6. 倫理的配慮
倫理的配慮として、アンケート記入は任意であること、記入に同意しない場合においても不利益を受けないこと、無記名であり個人は特定されないことを口頭で説明し同意を得ており、当院倫理委員会にて承認を得た。
Ⅲ. 結果
有効回答数:75名 有効回答率99%
1. 災害授業全てを100%とし、そのうち災害や災害看護を学べたと感じた割合を回答
① 講義17.13 ②災害映像17.8 ③トイレや感染予防GW13.8 ④災害対策調べGW13.9 ⑤災害訓練18.53 ⑥BLS19.41
<分析>
P値(6.59E-11)F境界値(2.23)であり帰無仮説を棄却
結果:授業のうちで災害や災害看護が学べたと感じた割合に有意差があり
2. 災害や災害看護をどのように受け止めているか、受講前と受講後で比較(%)
災害を身近のものと感じた (48.1 → 77.8)
災害はいつでも起こりうるというイメージ出来た(51.6 → 81.3)
災害の脅威についてイメージ出来た(52.2 → 83.4)
災害看護の役割をイメージ出来た(39.3 → 80.1)
災害看護の学習の必要性を感じた(49.7 → 87.7)
災害時に置いて役割を果たせる看護師になりたい(56.8 → 87.0)
総合平均(49.6 →82.9)
Ⅳ. 考察
災害については国内、海外共にあらゆる事象がメディアで報道される時代であり、学生は授業前より50%の理解と関心を持って受け止められている。授業形態は、座学、映像、創造、調査、演習と様々な形態を意図的に取り入れた。その結果、授業後は83%の理解と学びが見られた。授業形態による学びには有意差が出た。BLSや災害訓練など演習での学びが高かった。体感することは実感に繋がったと思われる。次に映像、講義であった。リアルな映像でイメージを図るとともに知識の整理に繋がったと思われる。そして、災害時のトイレの工夫や感染予防対策と災害対策調べについては効果はやや低かった。授業での様子はGWで活発な意見を出し合う姿や想像力豊かな発表も見られ、ICT学習としても学びに繋げられると考えられたが十分な学びに繋がらなかった。現在、多くの教育現場でアクティブラーニングが取り入れられている。災害看護学においても学生参加型・学生主体型の学習方法を取り入れ、学ぶ側も自ら考え、自ら能動的に動く事で、現代社会で求められている看護師としての能力を養うことにつながると考える。
Ⅵ 結論
災害の授業形態により学びは有意差がある。災害看護学の授業においては、目標に合わせ、工夫した授業を考え実施する必要がある。