[O14-1] 重症熱中症患者におけるアイスプール手順書作成に向けた取り組み
【はじめに】
平成29年度日本救急医学会関東地方会にて、A病院の医師が氷水を使った体表冷却法による重症熱中症患者4症例の治療を通してその有用性を明らかにした。この際、使用したのはビニールシートをアイスプールに見立てたものであった。過去に前例がなく、手探りでの介入であり、どのように対応したらよいのか問題点や疑問が発生した。今回、A病院では介護入浴に使われる製品化されたビニールプール(以下アイスプールとする)で試みた。Ⅲ度熱中症の患者をA病院の基準に沿ったアイスプール対象の患者とし(以下対象者とする)アイスプール手順書を作成する取り組みを行った。
【目的】
救急外来に来棟する対象者に初期治療にアイスプールを実施するに伴い、手順書作成することで、統一した看護介入が実践できる。
【方法】
1.期間:平成30年4月から平成31年3月まで
2.研究対象:A病院救急外来看護師30名
3.データ収集方法:平成29年度の4症例を受け持った看護師に聞き取り調査、アンケート調査
【倫理的配慮】
A病院看護局倫理審査会の承諾を得る。
【結果・実践】
Ⅰ.4症例を受け持った看護師に問題点と疑問点を聞き取り調査し、解決策を検討した。
①最低6人の人員が必要でありマンパワー不足。
→アイスプールの使用により人員削減となる。
②アイスプール中におけるモニター管理への不安。
→水中管理下でのモニター管理方法について臨床工学技士に相談。
③観察が不十分。
→観察項目を明確にし、勉強会を実施した。
Ⅱ.アイスプール手順書を作成。
Ⅲ.熱中症患者の看護とアイスプール手順書について勉強会を実施。
Ⅳ.研究メンバーによるデモンストレーション(以下デモ1とする)と動画作成(いつでも閲覧可能)。
Ⅴ.アイスプール手順書を参考にしながら、スタッフがデモンストレーション(以下デモ2)を実施し、アンケート調査。アンケートの結果、手順書について100%が理解できたと回答し、今後実施できそうかについても100%が実施できると回答。その他の意見として、実践の期間が限られてしまうため忘れてしまう、動画があるので必要時確認でき良い等の意見があった。
【考察】
聞き取り調査行うことで問題点と疑問点を明確にすることができた。それにより解決策を検討しアイスプール手順書を作成したことで、実践に基づいた手順書になった。また、観察項目を表記することは、統一した看護介入を目指すうえで有効であった。勉強会を実施したことで、熱中症の病態や看護についての理解を深めることができ、病態に基づいた看護介入に繋がると考える。デモ1の実施によりスタッフはイメージしやすく、また動画作成は必要時に手順を確認するためのツールとして有効であった。デモ2によりスタッフは実際の流れの把握ができたことで、自信に繋がったと考える。アンケート結果より、今後実施できそうかの質問に対し100%が実施できると回答していることから、手順書は実用可能であることが分かった。また、夏期中心とした実践となるため、定期的なデモンストレーションや勉強会の実施が必要である。よって、アイスプールを実施するために手順書を作成したことで統一した看護介入が実践できると考える。
平成29年度日本救急医学会関東地方会にて、A病院の医師が氷水を使った体表冷却法による重症熱中症患者4症例の治療を通してその有用性を明らかにした。この際、使用したのはビニールシートをアイスプールに見立てたものであった。過去に前例がなく、手探りでの介入であり、どのように対応したらよいのか問題点や疑問が発生した。今回、A病院では介護入浴に使われる製品化されたビニールプール(以下アイスプールとする)で試みた。Ⅲ度熱中症の患者をA病院の基準に沿ったアイスプール対象の患者とし(以下対象者とする)アイスプール手順書を作成する取り組みを行った。
【目的】
救急外来に来棟する対象者に初期治療にアイスプールを実施するに伴い、手順書作成することで、統一した看護介入が実践できる。
【方法】
1.期間:平成30年4月から平成31年3月まで
2.研究対象:A病院救急外来看護師30名
3.データ収集方法:平成29年度の4症例を受け持った看護師に聞き取り調査、アンケート調査
【倫理的配慮】
A病院看護局倫理審査会の承諾を得る。
【結果・実践】
Ⅰ.4症例を受け持った看護師に問題点と疑問点を聞き取り調査し、解決策を検討した。
①最低6人の人員が必要でありマンパワー不足。
→アイスプールの使用により人員削減となる。
②アイスプール中におけるモニター管理への不安。
→水中管理下でのモニター管理方法について臨床工学技士に相談。
③観察が不十分。
→観察項目を明確にし、勉強会を実施した。
Ⅱ.アイスプール手順書を作成。
Ⅲ.熱中症患者の看護とアイスプール手順書について勉強会を実施。
Ⅳ.研究メンバーによるデモンストレーション(以下デモ1とする)と動画作成(いつでも閲覧可能)。
Ⅴ.アイスプール手順書を参考にしながら、スタッフがデモンストレーション(以下デモ2)を実施し、アンケート調査。アンケートの結果、手順書について100%が理解できたと回答し、今後実施できそうかについても100%が実施できると回答。その他の意見として、実践の期間が限られてしまうため忘れてしまう、動画があるので必要時確認でき良い等の意見があった。
【考察】
聞き取り調査行うことで問題点と疑問点を明確にすることができた。それにより解決策を検討しアイスプール手順書を作成したことで、実践に基づいた手順書になった。また、観察項目を表記することは、統一した看護介入を目指すうえで有効であった。勉強会を実施したことで、熱中症の病態や看護についての理解を深めることができ、病態に基づいた看護介入に繋がると考える。デモ1の実施によりスタッフはイメージしやすく、また動画作成は必要時に手順を確認するためのツールとして有効であった。デモ2によりスタッフは実際の流れの把握ができたことで、自信に繋がったと考える。アンケート結果より、今後実施できそうかの質問に対し100%が実施できると回答していることから、手順書は実用可能であることが分かった。また、夏期中心とした実践となるため、定期的なデモンストレーションや勉強会の実施が必要である。よって、アイスプールを実施するために手順書を作成したことで統一した看護介入が実践できると考える。