[O16-2] 患者の急変時における家族の不安への対応を決める要因
【はじめに】
先行研究により、終末期医療のありかた、患者や家族の納得する終末期を迎えるには医療者の協力が大きな鍵となることについては明らかとされている。しかし、患者の急変時における家族の不安への対応を決める要因については明らかとされていないため、明らかとすることで、患者と家族の双方にとってより良い終末期を迎えることに繋がると考え、本研究を取り組むこととした。
【研究目的】
患者の急変時における家族の不安への対応を決める要因を明らかにすることを目的とした。
【研究方法】
1.研究デザイン:量的研究(質問紙調査法)
2.研究対象者:A病院に勤務する看護師70名
3.研究期間:2018年3月~2019年5月
4.調査内容:自作の自記式質問紙を作成し、『対象者の基本的属性』『急変時の対応に関する内容』の2大項目に分類し無記名での調査を実施した。
5.データの分析方法
1)Excel2010を使用し、各質問間の単純集計を実施後16項目でクロス集計およびχ2検定を実施した。
2)有意水準は5%未満とした。
3)「急変時同意書の記入時に不安を聞いた時の対応」「家族の不安に対応する時に心がけていること」の2項目について、記述内容を類似性の観点からコード化、サブカテゴリー化、カテゴリー化の3段階で分類した。
【倫理的配慮】
研究協力施設の倫理審査で承認を得た。対象者には、研究の目的・方法・研究協力は自由意思であることを書面で説明し、質問紙の回答および提出をもって同意を得たものとみなした。
【研究結果】
調査の結果、対象の基本的属性で年齢は、『30代』が全体の3割以上を占めていた。看護師経験年数は、『1年~10年までの者』が全体の半数近くを占めていた。『急変時の意思決定に立ち会った経験』は、「患者の急変に遭遇した経験」「急変時に家族へ連絡した経験」、『急変時同意書の記入時に困った経験』は、「急変時同意書の記入時に不安を聞いた経験」「急変時に疑問を聞いた経験」の計4項目との間に有意差を認めた。
また、「急変時同意書の記入時に不安を聞いた時の対応」は、質問紙の記述内容から24のコードが抽出された。24のコードから8のサブカテゴリーが抽出され、8のサブカテゴリーから4のカテゴリーが抽出された。「家族の不安に対応する時に心がけていること」は、質問紙の記述内容から36のコードが抽出された。36のコードから12のサブカテゴリーが抽出され、12のサブカテゴリーから4のカテゴリーが抽出された。
【考察】
本研究調査により、患者の急変時における家族の不安への対応を決める要因として、患者の急変に遭遇した経験、急変時に家族へ連絡した経験、急変時同意書の記入時に不安を聞いた経験、急変時同意書の記入時に疑問を聞いた経験など、看護経験が大きく関係している点が示唆された。また、急変時同意書の記入時に不安を聞いた時の対応は、《急変時対応の説明》《同意書についての説明》《家族の想いを尊重する》《家族の理解度を確認する》という4のカテゴリーが抽出されたことから、家族の不安を具体的に確認し、想いを受け止め、尊重することが大切だと考える。
また、家族の不安に対応する時に心がけていることは、《家族の想いを尊重する》《患者の想いを尊重する》《関わる時の態度・姿勢》《家族の精神的なサポートを心がける》という4のカテゴリーが抽出された。このことから、家族の不安に対応する時には理解できていないことを説明するだけではなく、家族の想いや患者の想いを傾聴し、精神的なサポートが重要であると考える。
先行研究により、終末期医療のありかた、患者や家族の納得する終末期を迎えるには医療者の協力が大きな鍵となることについては明らかとされている。しかし、患者の急変時における家族の不安への対応を決める要因については明らかとされていないため、明らかとすることで、患者と家族の双方にとってより良い終末期を迎えることに繋がると考え、本研究を取り組むこととした。
【研究目的】
患者の急変時における家族の不安への対応を決める要因を明らかにすることを目的とした。
【研究方法】
1.研究デザイン:量的研究(質問紙調査法)
2.研究対象者:A病院に勤務する看護師70名
3.研究期間:2018年3月~2019年5月
4.調査内容:自作の自記式質問紙を作成し、『対象者の基本的属性』『急変時の対応に関する内容』の2大項目に分類し無記名での調査を実施した。
5.データの分析方法
1)Excel2010を使用し、各質問間の単純集計を実施後16項目でクロス集計およびχ2検定を実施した。
2)有意水準は5%未満とした。
3)「急変時同意書の記入時に不安を聞いた時の対応」「家族の不安に対応する時に心がけていること」の2項目について、記述内容を類似性の観点からコード化、サブカテゴリー化、カテゴリー化の3段階で分類した。
【倫理的配慮】
研究協力施設の倫理審査で承認を得た。対象者には、研究の目的・方法・研究協力は自由意思であることを書面で説明し、質問紙の回答および提出をもって同意を得たものとみなした。
【研究結果】
調査の結果、対象の基本的属性で年齢は、『30代』が全体の3割以上を占めていた。看護師経験年数は、『1年~10年までの者』が全体の半数近くを占めていた。『急変時の意思決定に立ち会った経験』は、「患者の急変に遭遇した経験」「急変時に家族へ連絡した経験」、『急変時同意書の記入時に困った経験』は、「急変時同意書の記入時に不安を聞いた経験」「急変時に疑問を聞いた経験」の計4項目との間に有意差を認めた。
また、「急変時同意書の記入時に不安を聞いた時の対応」は、質問紙の記述内容から24のコードが抽出された。24のコードから8のサブカテゴリーが抽出され、8のサブカテゴリーから4のカテゴリーが抽出された。「家族の不安に対応する時に心がけていること」は、質問紙の記述内容から36のコードが抽出された。36のコードから12のサブカテゴリーが抽出され、12のサブカテゴリーから4のカテゴリーが抽出された。
【考察】
本研究調査により、患者の急変時における家族の不安への対応を決める要因として、患者の急変に遭遇した経験、急変時に家族へ連絡した経験、急変時同意書の記入時に不安を聞いた経験、急変時同意書の記入時に疑問を聞いた経験など、看護経験が大きく関係している点が示唆された。また、急変時同意書の記入時に不安を聞いた時の対応は、《急変時対応の説明》《同意書についての説明》《家族の想いを尊重する》《家族の理解度を確認する》という4のカテゴリーが抽出されたことから、家族の不安を具体的に確認し、想いを受け止め、尊重することが大切だと考える。
また、家族の不安に対応する時に心がけていることは、《家族の想いを尊重する》《患者の想いを尊重する》《関わる時の態度・姿勢》《家族の精神的なサポートを心がける》という4のカテゴリーが抽出された。このことから、家族の不安に対応する時には理解できていないことを説明するだけではなく、家族の想いや患者の想いを傾聴し、精神的なサポートが重要であると考える。