[O16-6] ICUに緊急入室した患者家族の思い
Ⅰ.はじめに
ICUには集中治療を要する患者が入室する。突然に発症し、患者は生命の危機に陥ることが多く、クリティカルケアを受ける患者の家族は突然の予測しない出来事に混乱し、危機的状況に陥りやすいと言われている。危機的状況下に置かれた家族との関わりについて、援助の重要性を感じながらもその関わりに戸惑い、さらに処置や検査といった診療の補助が優先となってしまい、意図的に介入することが出来ないことも多い。これらのことを踏まえ、危機的状況に陥った患者家族の思いを知ることが必要であると考えた。
Ⅱ.研究目的:危機的状況に陥った患者の家族の思いを知ることで、これで良かったと家族が思えるような関わりの実践的資料とする。
Ⅲ.研究方法
研究デザイン:事例研究
2.研究協力者:ICUに緊急入院して意識障害をきたしている患者に関わる家族で、研究の主旨を理解し、同意が得られた家族。他の症例で、患者の家族心理をフィンクを使用して考察されていた文献を見て、今回家族の心理を考察するのにフィンクを使用すると分かりやすく考察できると考えたため
Ⅳ.倫理的配慮
患者の家族である長女に説明を行い、同意を得た。研究の為に知り得た情報は,インターネットから隔絶されたパソコンを使用し情報入力管理する. 研究への参加は研究協力者の自由意思に基づくものでインタビューを受ける可否の判断は自由であり不利益を受けることがないこと、研究参加に同意したあとでも取り止めが可能であることとした
Ⅵ.結果と考察
入院1日目、手術が終わりICU入室後10分程度患者と面会後の長女・次女に面談室にてインタビューを行った。長女は、「なにがなんだか分からなくてとりあえず急がないと命に関わると思った。」次女は、「私はもう年齢やし悲しいとか大変とかそういう気持ちもあったんですけど、とりあえずなにを優先して考えたらいいのか分かりませんでしたね。」との語りがあった。ここでは、フィンクの危機モデルでは最初の心理的ショックの時期で動揺があることうかがえた。手術後に長女・次女共に患者に触り「大丈夫?痛くない?」と声をかけ始めた触れる行為により、患者との関係性を維持することが出来ると考えられる。看護師は、家族が患者に様々な方法で触れることはコミュニケーションを維持するために必要である。ことの重要性を家族が気付くよう促すことが必要であると考える。入院12日目、永眠される。後日長女に面会することが出来たため心境を伺うと「今までの母との思い出を振り返ったりすることができて手術してよかったなと思います。」と語られた。また、「面会にいくと看護師さんがいつも状況を説明していただいてとても分かりやすかったです。」家族はいつも不安抱えており、時間制限のある面会の中で看護師の言葉は、家族にとって大きなものであったと考えられた
Ⅶ.結論
今回の研究では,患者家族は緊急入院することで大きな不安を抱える。その中で患者家族なりに患者とコミュニケーションをとり、今の患者の状況を理解しようとする。私たち看護師は家族の気持ちを理解し患者と家族が出した結果に対して、これで良かったと家族が思えるような関わりが大切である。これらを踏まえ今後の実践につなげていきたい。
参考文献
1)山勢博彰:フィンクの危機モデル,Heart nuesing,14(11),13-18,2001
ICUには集中治療を要する患者が入室する。突然に発症し、患者は生命の危機に陥ることが多く、クリティカルケアを受ける患者の家族は突然の予測しない出来事に混乱し、危機的状況に陥りやすいと言われている。危機的状況下に置かれた家族との関わりについて、援助の重要性を感じながらもその関わりに戸惑い、さらに処置や検査といった診療の補助が優先となってしまい、意図的に介入することが出来ないことも多い。これらのことを踏まえ、危機的状況に陥った患者家族の思いを知ることが必要であると考えた。
Ⅱ.研究目的:危機的状況に陥った患者の家族の思いを知ることで、これで良かったと家族が思えるような関わりの実践的資料とする。
Ⅲ.研究方法
研究デザイン:事例研究
2.研究協力者:ICUに緊急入院して意識障害をきたしている患者に関わる家族で、研究の主旨を理解し、同意が得られた家族。他の症例で、患者の家族心理をフィンクを使用して考察されていた文献を見て、今回家族の心理を考察するのにフィンクを使用すると分かりやすく考察できると考えたため
Ⅳ.倫理的配慮
患者の家族である長女に説明を行い、同意を得た。研究の為に知り得た情報は,インターネットから隔絶されたパソコンを使用し情報入力管理する. 研究への参加は研究協力者の自由意思に基づくものでインタビューを受ける可否の判断は自由であり不利益を受けることがないこと、研究参加に同意したあとでも取り止めが可能であることとした
Ⅵ.結果と考察
入院1日目、手術が終わりICU入室後10分程度患者と面会後の長女・次女に面談室にてインタビューを行った。長女は、「なにがなんだか分からなくてとりあえず急がないと命に関わると思った。」次女は、「私はもう年齢やし悲しいとか大変とかそういう気持ちもあったんですけど、とりあえずなにを優先して考えたらいいのか分かりませんでしたね。」との語りがあった。ここでは、フィンクの危機モデルでは最初の心理的ショックの時期で動揺があることうかがえた。手術後に長女・次女共に患者に触り「大丈夫?痛くない?」と声をかけ始めた触れる行為により、患者との関係性を維持することが出来ると考えられる。看護師は、家族が患者に様々な方法で触れることはコミュニケーションを維持するために必要である。ことの重要性を家族が気付くよう促すことが必要であると考える。入院12日目、永眠される。後日長女に面会することが出来たため心境を伺うと「今までの母との思い出を振り返ったりすることができて手術してよかったなと思います。」と語られた。また、「面会にいくと看護師さんがいつも状況を説明していただいてとても分かりやすかったです。」家族はいつも不安抱えており、時間制限のある面会の中で看護師の言葉は、家族にとって大きなものであったと考えられた
Ⅶ.結論
今回の研究では,患者家族は緊急入院することで大きな不安を抱える。その中で患者家族なりに患者とコミュニケーションをとり、今の患者の状況を理解しようとする。私たち看護師は家族の気持ちを理解し患者と家族が出した結果に対して、これで良かったと家族が思えるような関わりが大切である。これらを踏まえ今後の実践につなげていきたい。
参考文献
1)山勢博彰:フィンクの危機モデル,Heart nuesing,14(11),13-18,2001