[O17-3] 院内急変時の病棟看護師と救急看護師との協働を目指したフローチャート作成について
院内急変時の病棟看護師と救急看護師との協働を目指したフローチャート作成について
〇恩田 幸枝(おんだ ゆきえ)、喜瀬 裕美 武蔵野赤十字病院救急センター
【はじめに】当院では急変発生時に救命科医師と救急センター看護師(以下、救急看護師)が急変現場へ駆けつける緊急コールシステム(以下、院内HOT LINE)がある。急変現場へ駆けつけた救命科医師と救急看護師1名が病棟看護師と協働し救命処置を行うシステムである。しかし、病棟看護師と救急看護師の院内HOT LINEに対する認識の違いから急変現場でスムーズに協働出来ず、出動する救急看護師や、病棟看護師双方から困惑する声が上がっていた。そこで院内HOT LINEに対する認識の違いをなくし、病棟看護師と救命科医師・救急看護師が協働し救命処置を行う事を目指し院内HOT LINEフローチャート(以下、フローチャート)の作成を試みた。フローチャート作成過程で課題が明らかになったので報告する。
【目的】病棟看護師・救命科医師・救急看護師が協働し、安全かつ迅速な救命処置を行うためのフローチャートを作成する。
【期間】2017年7月1日から2019年3月31日まで
【対象・方法】1期①院内HOT LINEを担当救急看護師18名・アンケート調査 ②①の結果をもとに心肺停止を想定した病棟看護師と救命科医師・救急看護師の役割・行動を明確にしたフローチャートの原案を作成
2期①フローチャートを用いて救急看護師とシミュレーションを3回実施 ②シミュレーションに参加した救急看護師21名・アンケート調査 ③②の結果をもとにフローチャート原案を改定した。
3期 当院の急変対応能力向上委員会、委員看護師27名へフローチャートを提示 病棟に読み合わせを依頼し、委員を通じ病棟の意見聴取を行った
【倫理的配慮】アンケートや意見聴取では個人が特定されないように配慮した。また発表にあたり対象者の承認を受け、院内の看護研究推進委員会の倫理審査で承認を得た。
【結果・考察】院内HOT LINEを担当する救急看護師へ行った事前アンケート調査では、回答のあった16名中11名から「病棟看護師から急変時の申し送りがない。」「病棟看護師に看護記録や、家族等への連絡を依頼したかったが病棟看護師がその場に不在だった。」等の意見がでた。それを受けフローチャートは、夜勤帯を想定し病棟看護師3名、救急看護師1名、救命科医師の心肺蘇生における各々の役割と実施する処置を時系列に明示することにした。救急看護師を対象にフローチャートを使用したシミュレーションテストを実施し、役割分担やレイアウト等の修正を重ねた。時系列と役割を縦横で表示することで視覚的に捉え、イメージが共有しやすいフローチャートとした。
シミュレーションに参加した救急看護師21名へのアンケート結果より、フローチャートがあると病棟看護師の役割と行動が明確になり役割を依頼しやすい。病棟看護師と共有したいと21名全員から回答があった。
急変対応能力向上委員会へのフローチャート配布後の意見聴取では、「院内HOT LINEを呼べば現場を離れて他の業務へ移行していいと考えていたが病棟側にも役割があると分かった。」等の意見が聞かれた。
救急看護師へのアンケートと、病棟看護師への意見聴取から、病棟看護師の役割を明示したフローチャートの導入は、院内HOT LINEに対する認識の違いをなくし、急変現場での協働に効果があると考える。今後は病棟看護師と合同シミュレーションテストを行い、フローチャートの完成を目指す。加えてフローチャートを病棟全体へ周知する事が課題である。
〇恩田 幸枝(おんだ ゆきえ)、喜瀬 裕美 武蔵野赤十字病院救急センター
【はじめに】当院では急変発生時に救命科医師と救急センター看護師(以下、救急看護師)が急変現場へ駆けつける緊急コールシステム(以下、院内HOT LINE)がある。急変現場へ駆けつけた救命科医師と救急看護師1名が病棟看護師と協働し救命処置を行うシステムである。しかし、病棟看護師と救急看護師の院内HOT LINEに対する認識の違いから急変現場でスムーズに協働出来ず、出動する救急看護師や、病棟看護師双方から困惑する声が上がっていた。そこで院内HOT LINEに対する認識の違いをなくし、病棟看護師と救命科医師・救急看護師が協働し救命処置を行う事を目指し院内HOT LINEフローチャート(以下、フローチャート)の作成を試みた。フローチャート作成過程で課題が明らかになったので報告する。
【目的】病棟看護師・救命科医師・救急看護師が協働し、安全かつ迅速な救命処置を行うためのフローチャートを作成する。
【期間】2017年7月1日から2019年3月31日まで
【対象・方法】1期①院内HOT LINEを担当救急看護師18名・アンケート調査 ②①の結果をもとに心肺停止を想定した病棟看護師と救命科医師・救急看護師の役割・行動を明確にしたフローチャートの原案を作成
2期①フローチャートを用いて救急看護師とシミュレーションを3回実施 ②シミュレーションに参加した救急看護師21名・アンケート調査 ③②の結果をもとにフローチャート原案を改定した。
3期 当院の急変対応能力向上委員会、委員看護師27名へフローチャートを提示 病棟に読み合わせを依頼し、委員を通じ病棟の意見聴取を行った
【倫理的配慮】アンケートや意見聴取では個人が特定されないように配慮した。また発表にあたり対象者の承認を受け、院内の看護研究推進委員会の倫理審査で承認を得た。
【結果・考察】院内HOT LINEを担当する救急看護師へ行った事前アンケート調査では、回答のあった16名中11名から「病棟看護師から急変時の申し送りがない。」「病棟看護師に看護記録や、家族等への連絡を依頼したかったが病棟看護師がその場に不在だった。」等の意見がでた。それを受けフローチャートは、夜勤帯を想定し病棟看護師3名、救急看護師1名、救命科医師の心肺蘇生における各々の役割と実施する処置を時系列に明示することにした。救急看護師を対象にフローチャートを使用したシミュレーションテストを実施し、役割分担やレイアウト等の修正を重ねた。時系列と役割を縦横で表示することで視覚的に捉え、イメージが共有しやすいフローチャートとした。
シミュレーションに参加した救急看護師21名へのアンケート結果より、フローチャートがあると病棟看護師の役割と行動が明確になり役割を依頼しやすい。病棟看護師と共有したいと21名全員から回答があった。
急変対応能力向上委員会へのフローチャート配布後の意見聴取では、「院内HOT LINEを呼べば現場を離れて他の業務へ移行していいと考えていたが病棟側にも役割があると分かった。」等の意見が聞かれた。
救急看護師へのアンケートと、病棟看護師への意見聴取から、病棟看護師の役割を明示したフローチャートの導入は、院内HOT LINEに対する認識の違いをなくし、急変現場での協働に効果があると考える。今後は病棟看護師と合同シミュレーションテストを行い、フローチャートの完成を目指す。加えてフローチャートを病棟全体へ周知する事が課題である。