[O17-4] 災害時マニュアル導入によるスタッフの意識変化
【目的】
当院は地域の中核病院の二次救急指定病院となっているため、災害発生時には多くの患者が来院すると予測される。災害時に救急部の役割は重要と考えられるが、救急部独自の災害マニュアルがないこともあり個々の役割が明確になっていないのが現状である。今回災害時に対するイメージや意識付けを目的とし、多数傷病者受け入れマニュアルの作成・机上訓練を実施した結果を報告する。
【方法】
救急部常勤看護師を対象とし「災害について」「CSCATTTについて」「当院の災害マニュアル」についての勉強会を実施。その後当院の地域性を考え災害を想定した地震・水害・列車・高速道路事故など災害時にマニュアルを使用した机上訓練を3~5人ごとのグループに分け実施。また実施後にアンケートを行った。
【倫理的配慮】
アンケートはクリニカルラダーのみの記載で無記名にし、本研究以外での使用はせず、研究終了後に破棄した。
【結果】
アンケート結果から災害マニュアルを理解していると回答したスタッフが46%から75%へ増加。災害発生時における救急部の役割を理解していると回答したスタッフが35%から81%へ増加。また、災害時における行動を理解していると回答したスタッフが39%から69%へ増加した。また「実際に起こりうる災害の机上訓練を受けたことで、メンバー・リーダーとしてどのような役割があり、行動をすれば良いか解った」「説明だけでなく机上訓練を受けたことで、どのように対応するか記憶に残りやすくなった」などの意見も聞かれた。
【考察】
救急部は多数傷病者受け入れ時に重要な役割を担う部署となるが、机上訓練前のアンケート結果から災害時の役割・行動を理解しているスタッフが40%以下であった。この結果より、災害教育も実施されていたにもかかわらず、意識付けが十分に出来ておらず、知識や理解も乏しかったと考える。これらに対し、勉強会では災害はいつでも発生し、身近なところでも起きること、多数傷病者受け入れが出た段階で早期に災害態勢へ切り替える重要性をマニュアルを用いて説明した。このことにより災害に対するイメージや意識付けが出来たのではないかと考える。また、リーダー・メンバーの役割を決め、実際に起こりうる事故と詳細な患者設定をした机上訓練はイメージがしやすく、災害時対応の理解へと繋がったのではないかと考える。よって、起こりうる災害を想定した机上訓練は効果的であると考える。しかし、机上訓練後も災害時の役割や行動を理解しきれなったスタッフが約30%いたことから、今回行った勉強会と机上訓練では不十分と言える。引き続き災害についての勉強会や机上訓練を行い、多数傷病者受け入れ体制の強化をしていかなくてはならないと考える。
【結論】
1.災害に対する勉強会や机上訓練を行ったことで、災害の意識付けができ、災害発生時の役割や行動を理解したスタッフが増加した。
2.起こりうる災害を想定した机上訓練は効果的で、イメージしやすく記憶にも残る方法であった。
3.災害時に対応できる環境を維持し続けるためには、勉強会や机上訓練を継続的に行っていく必要がある。
当院は地域の中核病院の二次救急指定病院となっているため、災害発生時には多くの患者が来院すると予測される。災害時に救急部の役割は重要と考えられるが、救急部独自の災害マニュアルがないこともあり個々の役割が明確になっていないのが現状である。今回災害時に対するイメージや意識付けを目的とし、多数傷病者受け入れマニュアルの作成・机上訓練を実施した結果を報告する。
【方法】
救急部常勤看護師を対象とし「災害について」「CSCATTTについて」「当院の災害マニュアル」についての勉強会を実施。その後当院の地域性を考え災害を想定した地震・水害・列車・高速道路事故など災害時にマニュアルを使用した机上訓練を3~5人ごとのグループに分け実施。また実施後にアンケートを行った。
【倫理的配慮】
アンケートはクリニカルラダーのみの記載で無記名にし、本研究以外での使用はせず、研究終了後に破棄した。
【結果】
アンケート結果から災害マニュアルを理解していると回答したスタッフが46%から75%へ増加。災害発生時における救急部の役割を理解していると回答したスタッフが35%から81%へ増加。また、災害時における行動を理解していると回答したスタッフが39%から69%へ増加した。また「実際に起こりうる災害の机上訓練を受けたことで、メンバー・リーダーとしてどのような役割があり、行動をすれば良いか解った」「説明だけでなく机上訓練を受けたことで、どのように対応するか記憶に残りやすくなった」などの意見も聞かれた。
【考察】
救急部は多数傷病者受け入れ時に重要な役割を担う部署となるが、机上訓練前のアンケート結果から災害時の役割・行動を理解しているスタッフが40%以下であった。この結果より、災害教育も実施されていたにもかかわらず、意識付けが十分に出来ておらず、知識や理解も乏しかったと考える。これらに対し、勉強会では災害はいつでも発生し、身近なところでも起きること、多数傷病者受け入れが出た段階で早期に災害態勢へ切り替える重要性をマニュアルを用いて説明した。このことにより災害に対するイメージや意識付けが出来たのではないかと考える。また、リーダー・メンバーの役割を決め、実際に起こりうる事故と詳細な患者設定をした机上訓練はイメージがしやすく、災害時対応の理解へと繋がったのではないかと考える。よって、起こりうる災害を想定した机上訓練は効果的であると考える。しかし、机上訓練後も災害時の役割や行動を理解しきれなったスタッフが約30%いたことから、今回行った勉強会と机上訓練では不十分と言える。引き続き災害についての勉強会や机上訓練を行い、多数傷病者受け入れ体制の強化をしていかなくてはならないと考える。
【結論】
1.災害に対する勉強会や机上訓練を行ったことで、災害の意識付けができ、災害発生時の役割や行動を理解したスタッフが増加した。
2.起こりうる災害を想定した机上訓練は効果的で、イメージしやすく記憶にも残る方法であった。
3.災害時に対応できる環境を維持し続けるためには、勉強会や机上訓練を継続的に行っていく必要がある。