[O2-6] A病院ドクターカーナースの教育実践報告~ビデオを活用した看護実践の振り返りで得られた教育効果~
【はじめに】A病院ドクターカー(以下、DC)は、2013年より運行開始し、2019年現在11名のドクターカーナース(以下、DCN)が搭乗している。これまでDCNの教育として、定期的な学習会・症例検討会、教育ラダーの作成、OJTを行ってきたが、看護実践能力の向上や標準化を図るための教育が課題であった。そこで、新たな教育ツールとして、DCにおける看護実践のビデオ撮影(以下、ビデオ)を導入した。今回、ビデオを活用した看護実践の振り返りから得られた教育効果について検証したため報告する。
【目的】ビデオを活用した看護実践の振り返りから得られた教育効果について検証する。
【研究方法】対象者:A病院DCN11名。研究期間:2018年5月〜2019年1月。データ収集方法:ビデオを活用した看護実践の振り返りを実施し、「振り返りを通し気付いた事・感じた事・学べた事等」について自由記述回答用紙に記載を依頼。実施回数4回(1回につき4〜5名)。分析方法:記述内容から教育に関連すると思われる文脈をコード化し、抽出したコードを類似性に基づきカテゴリー化した。
【倫理的配慮】本研究は、A病院臨床研究倫理委員会の承認を得て実施した。
【結果】対象者概要:A病院DCN11名(看護師経験年数 平均10±2.83年、DCN経験年数 平均4±1.95年、出動件数 平均169±98.4件)
分析結果:127のコードを抽出し、4つのコアカテゴリーに分類した。4つのコアカテゴリーは、《フィードバックの機会》《リフレクションの促進》《看護実践の共有》《より良い看護実践の検討》であった。《フィードバックの機会》では、症例を提示したDCNが、フィジカルアセスメントや連携方法、医療安全対策等の具体的な看護実践についてフィードバックを受ける機会となっていた。また、不安軽減や学習ニーズの充足にも繫がっていた。《リフレクションの促進》では、自己の看護実践を客観的に確認することで、課題を明確にする機会となっていた。また、DCN数名で振り返ることで、多様な視点から新たな気付きを得て学習する機会となっていた。《看護実践の共有》では、他者の看護実践を観て、間接経験から学習することで看護実践の共有に繫がっていた。また、新たな知識を得ることや、未経験症例を振り返ることによっても共有が図れていた。《より良い看護実践の検討》では、具体的な看護実践方法や、稀な症例について協議することで、より良い看護実践を検討する機会となっていた。
【考察】DCでの看護実践は病院内とは異なり看護師1名で行うため、フィードバックが得られにくい環境にある。そのため、ビデオを活用し《フィードバックの機会》を得ることは、DCNの看護実践評価や、フォローアップとしての活用が期待できる。また、振り返りの情報源が可視化されたことで具体的かつ客観的に振り返ることができ、《リフレクションの促進》に繫がっていた。これより、経験学習の促進を図るうえで効果的であると言える。更に、《看護実践の共有》を図り、《より良い看護実践の検討》を行っていくことで、看護実践能力の向上・看護実践の標準化へ繋げられると考える。以上より、4つのコアカテゴリーがビデオを活用した看護実践の振り返りで得られた教育効果として挙げられ、ビデオの活用はDCNの教育ツールとして有効と考えられた。
【今後の課題】考察をもとに、ビデオを活用した看護実践評価の導入を開始しており、今後は導入効果を検証していく必要がある。また、症例検討の資料としてビデオの活用を継続し、看護実践能力の向上と標準化を図っていきたい。
【目的】ビデオを活用した看護実践の振り返りから得られた教育効果について検証する。
【研究方法】対象者:A病院DCN11名。研究期間:2018年5月〜2019年1月。データ収集方法:ビデオを活用した看護実践の振り返りを実施し、「振り返りを通し気付いた事・感じた事・学べた事等」について自由記述回答用紙に記載を依頼。実施回数4回(1回につき4〜5名)。分析方法:記述内容から教育に関連すると思われる文脈をコード化し、抽出したコードを類似性に基づきカテゴリー化した。
【倫理的配慮】本研究は、A病院臨床研究倫理委員会の承認を得て実施した。
【結果】対象者概要:A病院DCN11名(看護師経験年数 平均10±2.83年、DCN経験年数 平均4±1.95年、出動件数 平均169±98.4件)
分析結果:127のコードを抽出し、4つのコアカテゴリーに分類した。4つのコアカテゴリーは、《フィードバックの機会》《リフレクションの促進》《看護実践の共有》《より良い看護実践の検討》であった。《フィードバックの機会》では、症例を提示したDCNが、フィジカルアセスメントや連携方法、医療安全対策等の具体的な看護実践についてフィードバックを受ける機会となっていた。また、不安軽減や学習ニーズの充足にも繫がっていた。《リフレクションの促進》では、自己の看護実践を客観的に確認することで、課題を明確にする機会となっていた。また、DCN数名で振り返ることで、多様な視点から新たな気付きを得て学習する機会となっていた。《看護実践の共有》では、他者の看護実践を観て、間接経験から学習することで看護実践の共有に繫がっていた。また、新たな知識を得ることや、未経験症例を振り返ることによっても共有が図れていた。《より良い看護実践の検討》では、具体的な看護実践方法や、稀な症例について協議することで、より良い看護実践を検討する機会となっていた。
【考察】DCでの看護実践は病院内とは異なり看護師1名で行うため、フィードバックが得られにくい環境にある。そのため、ビデオを活用し《フィードバックの機会》を得ることは、DCNの看護実践評価や、フォローアップとしての活用が期待できる。また、振り返りの情報源が可視化されたことで具体的かつ客観的に振り返ることができ、《リフレクションの促進》に繫がっていた。これより、経験学習の促進を図るうえで効果的であると言える。更に、《看護実践の共有》を図り、《より良い看護実践の検討》を行っていくことで、看護実践能力の向上・看護実践の標準化へ繋げられると考える。以上より、4つのコアカテゴリーがビデオを活用した看護実践の振り返りで得られた教育効果として挙げられ、ビデオの活用はDCNの教育ツールとして有効と考えられた。
【今後の課題】考察をもとに、ビデオを活用した看護実践評価の導入を開始しており、今後は導入効果を検証していく必要がある。また、症例検討の資料としてビデオの活用を継続し、看護実践能力の向上と標準化を図っていきたい。