[O22-5] 救命センターにおける不眠患者へのアプローチ検討 第2報 -看護師のジレンマ解消に向けた勉強会の取組み-
Ⅰ目的
当救命救急センターの入院患者において、不眠に対する看護師の介入として薬剤投与、安楽な体位調整、環境整備など様々な方法があるが、何を選択するかは看護師個人に任されている。前研究で不眠患者への看護者の介入について調査を行った。結果、不眠患者へのアプローチに関してジレンマを感じたことがあると答えた人は72%と高く、これらの要因となっている内容の分析をしたところ、不眠に対する評価のばらつき、薬剤の知識や使用方法に個人差がある事がわかった。その背景には不眠時に使用する薬剤に対する基礎的な知識やせん妄、不眠、不穏に対する知識不足があり、その結果、薬剤蔓延や離床遅延などが看護師の抱えるジレンマにつながっていると考えた。これらの現状の把握から知識の習得が必要であり看護スタッフに向け(睡眠評価方法)(薬剤について)(不眠、せん妄、不穏について)という内容で勉強会を試みた、その結果について報告する。
Ⅱ方法
1)対象:師長を除く看護師59名
2)不眠患者に対するアプローチに対して看護師の抱えるジレンマの要因となっている事項を取り上げた勉強会を実施した
勉強会の内容
(1)睡眠評価方法 SOADスコアの紹介
(2)薬剤について(当院採用の薬剤の種類特徴、副作用、注意事項などについて)
(3)不眠、せん妄、不穏の違いについての勉強会(ICDSC評価方法の説明、せん妄例の説明)
実施期間・方法は平成30年9月~平成31年4月、一回15分程の講義を2回構成で行った
(4)勉強会直後にアンケートを配布した。アンケートは勉強会内容について5段階評価をするものとした。
Ⅲ倫理的配慮
アンケートは無記名とし、個人が特定できないものとした。また、回答をもって同意を得たものとした。得たデータは厳重に取り扱い、研究終了後は速やかに破棄するものとした。
Ⅳ結果
勉強会の参加率は61%であった。アンケートの回収率は100%であった。
勉強会の内容は不眠患者への関わりで感じるジレンマの解消に繋がる内容であったという問いに77%が思うと回答した。
睡眠薬の違いを知る事ができ、不眠患者へのアプローチに活用できると回答した人は96%であった。
その後、各項目に沿ってスタッフにインタビューをしたところ「睡眠薬の作用や使用のタイミングなどがわかった」「手さぐりでアプローチをしていた睡眠やせん妄の評価方法の仕方が具体的にわかった」「日頃の対応を振り返るきっかけになった」
という意見が聞かれた。
Ⅴ考察
不眠の原因として、救命センターという特殊な環境下での入院では、疾患や症状そのものが不眠の要因に繋がる他に、環境因子や予後の不安など多岐にわたり様々である。そのため不眠が認められる患者に対して睡眠を促すケアは重要であると考える。
不眠患者へのアプローチに関してジレンマの原因となっていた知識不足解消のための勉強会を行った結果、ジレンマの解消に繋がる知識の習得に効果があったと考える。
一定の知識の習得ができたため、今後は、不眠患者のアプローチ方法に関して看護師の行動変容の活性化となるよう、精神科専門医からの評価や症例カンファレンスの定期的な開催を行いたいと考える。
当救命救急センターの入院患者において、不眠に対する看護師の介入として薬剤投与、安楽な体位調整、環境整備など様々な方法があるが、何を選択するかは看護師個人に任されている。前研究で不眠患者への看護者の介入について調査を行った。結果、不眠患者へのアプローチに関してジレンマを感じたことがあると答えた人は72%と高く、これらの要因となっている内容の分析をしたところ、不眠に対する評価のばらつき、薬剤の知識や使用方法に個人差がある事がわかった。その背景には不眠時に使用する薬剤に対する基礎的な知識やせん妄、不眠、不穏に対する知識不足があり、その結果、薬剤蔓延や離床遅延などが看護師の抱えるジレンマにつながっていると考えた。これらの現状の把握から知識の習得が必要であり看護スタッフに向け(睡眠評価方法)(薬剤について)(不眠、せん妄、不穏について)という内容で勉強会を試みた、その結果について報告する。
Ⅱ方法
1)対象:師長を除く看護師59名
2)不眠患者に対するアプローチに対して看護師の抱えるジレンマの要因となっている事項を取り上げた勉強会を実施した
勉強会の内容
(1)睡眠評価方法 SOADスコアの紹介
(2)薬剤について(当院採用の薬剤の種類特徴、副作用、注意事項などについて)
(3)不眠、せん妄、不穏の違いについての勉強会(ICDSC評価方法の説明、せん妄例の説明)
実施期間・方法は平成30年9月~平成31年4月、一回15分程の講義を2回構成で行った
(4)勉強会直後にアンケートを配布した。アンケートは勉強会内容について5段階評価をするものとした。
Ⅲ倫理的配慮
アンケートは無記名とし、個人が特定できないものとした。また、回答をもって同意を得たものとした。得たデータは厳重に取り扱い、研究終了後は速やかに破棄するものとした。
Ⅳ結果
勉強会の参加率は61%であった。アンケートの回収率は100%であった。
勉強会の内容は不眠患者への関わりで感じるジレンマの解消に繋がる内容であったという問いに77%が思うと回答した。
睡眠薬の違いを知る事ができ、不眠患者へのアプローチに活用できると回答した人は96%であった。
その後、各項目に沿ってスタッフにインタビューをしたところ「睡眠薬の作用や使用のタイミングなどがわかった」「手さぐりでアプローチをしていた睡眠やせん妄の評価方法の仕方が具体的にわかった」「日頃の対応を振り返るきっかけになった」
という意見が聞かれた。
Ⅴ考察
不眠の原因として、救命センターという特殊な環境下での入院では、疾患や症状そのものが不眠の要因に繋がる他に、環境因子や予後の不安など多岐にわたり様々である。そのため不眠が認められる患者に対して睡眠を促すケアは重要であると考える。
不眠患者へのアプローチに関してジレンマの原因となっていた知識不足解消のための勉強会を行った結果、ジレンマの解消に繋がる知識の習得に効果があったと考える。
一定の知識の習得ができたため、今後は、不眠患者のアプローチ方法に関して看護師の行動変容の活性化となるよう、精神科専門医からの評価や症例カンファレンスの定期的な開催を行いたいと考える。