[O25-2] 救急搬送患者へのチーム医療連携強化に向けた取り組み ―医師、看護師、救急隊との意見交換会の実施―
【目的】救急搬送患者へのチーム医療連携強化に向けた取り組みの一つとして、A病院にて、医師、救急センター看護師、A病院管内に所属する消防署の救急隊との意見交換会を企画した。救急隊と顔合わせて直接意見交換を行い、医師、看護師、救急隊との間でチーム医療連携強化につながったかどうか明らかにする。
【方法】対象:意見交換会に参加した医師(研修医を含む)10名、看護師10名、救急隊8名の計28名。調査方法:各職種を均等になるように、1グループ5~6名の小グループを作成。各グループで共通テーマである「救急搬送患者が転院となった場合、救急隊はどのようなことを協力してくれるのか」について意見交換を実施し、内容を共有した。意見交換会後、対象者に①意見交換会の満足度(5段階リッカート尺度使用)、②意見交換会を開催してよかった点、③次回開催に向けた改善点や要望に関する自記式質問紙を作成し回答を得た。調査期間:2019年3月。倫理的配慮:対象者に対して書面と口頭にて、研究協力は自由意思であることや拒否しても不利益を被らないことを説明し、同意を得た。A病院看護部研究委員会の承認を得た。
【結果】1、意見交換で得られた結果:救急搬送患者が転院となった場合を想定し、救急隊と病院との協力内容についての意見交換の内容は、「転院とわかるまで待機することは可能であり、場合によっては、転院先への患者搬送も可能」、「転院先を病院と協力し探すことも可能」など、救急患者搬送後も救急隊の協力が得られることが明らかとなった。2、自記式質問紙調査で得られた結果:自記式質問紙の調査にて、医師(研修医を含む)7名、看護師10名、救急隊8名の計25名から回答を得た(回答率:89.3%)。①満足度は「満足できた」、「ほぼ満足できた」と回答したのは24名(96%)であった。②よかった点は医師、看護師、救急隊すべての職種から「普段聞けない意見を聞くことができてよかった」との意見があった。③改善点は「意見交換の時間が短い」などがあった。要望は「管内にある他の消防署の救急隊にも参加してほしい」「当直で救急を担当する医師に多く参加してほしい」「定期的に開催してほしい」などの意見があった。
【考察】矢橋(2012)は「救急に対応している看護師だけでなく、消防職員も対象とした医師による勉強会開催により、医師・看護師・救急隊員間のネットワークが形成され、実施の現場の中でお互いに連携をとりながら助けあう姿が見られるようになった。」と述べている。今まで、救急患者搬送を終え、帰署する救急隊に、患者搬送後も協力が可能かどうかを直接意見交換ができ、救急隊の協力を得られることが明らかになった。この結果より、意見交換会が、今後の病院―救急隊間のチーム医療連携が強化の一助となったと考えられる。また、木村(2015)は「救急隊員は医師や看護師と顔の見える関係を構築することが重要である」と述べている。意見交換会への満足度が高かったことや「普段聞けない意見を聞くことができてよかった」「定期的に開催してほしい」などの意見があったことから、今後も医師、看護師、救急隊との意見交換会を継続的に開催することは、より一層のチーム医療連携強化につながる一助となると考える。一方で、「意見交換の時間が短い」「管内にある他の消防署の救急隊にも参加してほしい」など、次回の意見交換会開催への課題が明らかとなった。明らかとなった課題を解決しながら、発展的に継続した意見交換会を実施していく必要性が示唆された。
【方法】対象:意見交換会に参加した医師(研修医を含む)10名、看護師10名、救急隊8名の計28名。調査方法:各職種を均等になるように、1グループ5~6名の小グループを作成。各グループで共通テーマである「救急搬送患者が転院となった場合、救急隊はどのようなことを協力してくれるのか」について意見交換を実施し、内容を共有した。意見交換会後、対象者に①意見交換会の満足度(5段階リッカート尺度使用)、②意見交換会を開催してよかった点、③次回開催に向けた改善点や要望に関する自記式質問紙を作成し回答を得た。調査期間:2019年3月。倫理的配慮:対象者に対して書面と口頭にて、研究協力は自由意思であることや拒否しても不利益を被らないことを説明し、同意を得た。A病院看護部研究委員会の承認を得た。
【結果】1、意見交換で得られた結果:救急搬送患者が転院となった場合を想定し、救急隊と病院との協力内容についての意見交換の内容は、「転院とわかるまで待機することは可能であり、場合によっては、転院先への患者搬送も可能」、「転院先を病院と協力し探すことも可能」など、救急患者搬送後も救急隊の協力が得られることが明らかとなった。2、自記式質問紙調査で得られた結果:自記式質問紙の調査にて、医師(研修医を含む)7名、看護師10名、救急隊8名の計25名から回答を得た(回答率:89.3%)。①満足度は「満足できた」、「ほぼ満足できた」と回答したのは24名(96%)であった。②よかった点は医師、看護師、救急隊すべての職種から「普段聞けない意見を聞くことができてよかった」との意見があった。③改善点は「意見交換の時間が短い」などがあった。要望は「管内にある他の消防署の救急隊にも参加してほしい」「当直で救急を担当する医師に多く参加してほしい」「定期的に開催してほしい」などの意見があった。
【考察】矢橋(2012)は「救急に対応している看護師だけでなく、消防職員も対象とした医師による勉強会開催により、医師・看護師・救急隊員間のネットワークが形成され、実施の現場の中でお互いに連携をとりながら助けあう姿が見られるようになった。」と述べている。今まで、救急患者搬送を終え、帰署する救急隊に、患者搬送後も協力が可能かどうかを直接意見交換ができ、救急隊の協力を得られることが明らかになった。この結果より、意見交換会が、今後の病院―救急隊間のチーム医療連携が強化の一助となったと考えられる。また、木村(2015)は「救急隊員は医師や看護師と顔の見える関係を構築することが重要である」と述べている。意見交換会への満足度が高かったことや「普段聞けない意見を聞くことができてよかった」「定期的に開催してほしい」などの意見があったことから、今後も医師、看護師、救急隊との意見交換会を継続的に開催することは、より一層のチーム医療連携強化につながる一助となると考える。一方で、「意見交換の時間が短い」「管内にある他の消防署の救急隊にも参加してほしい」など、次回の意見交換会開催への課題が明らかとなった。明らかとなった課題を解決しながら、発展的に継続した意見交換会を実施していく必要性が示唆された。