[O25-3] A県の二次医療機関救急外来看護師と救急救命士の傷病者搬入における連携の認識
【目的】A県内の二次救急医療施設における救急外来看護師と救命士の傷病者搬入時の連携の認識を明らかにする。
【方法】対象者は、二次救急病院で救急対応を行う救急外来看護師(以下、看護師)と消防署勤務の救急救命士(以下、救命士)とした。方法は、傷病者搬入時における連携について半構造的面接を行った。分析は、逐語録より「連携」に関連する文章をコード化し、類似性・相違性からサブカテゴリー、カテゴリーを抽出し、看護師と救命士を比較した。
【倫理的配慮】対象者に文書及び口頭で研究の趣旨、実施方法、個人情報の保護などについて十分な説明を行い、書面で同意を得た。また、研究者の所属機関の倫理審査の承認を得た。
【結果】対象者は、看護師が5名、救命士は19名であった。質的分析で看護師は、118のコードから27サブカテゴリー、9カテゴリーが抽出され、救命士は、415のコードから28サブカテゴリー、6カテゴリーが抽出された。看護師と救命士に共通していたカテゴリーは6カテゴリー【連携の問題】【病院管理・体制上の問題】【検証会・勉強会の未実施・不足】【院内のみで検証会・勉強会の実施】【連携はとれている】【看護師の救急の知識不足】であった。異なっていたカテゴリーは看護師のみで、【医師の救急の考え方の問題】【セミナー参加は個々に一任】【看護師の意欲の問題】であった。
【考察】 A県内の二次医療施設の看護師と救命士共にコード数の最も多かったカテゴリーは【連携の問題】であり、共通したサブカテゴリー『連携をとる必要がある』の主なコードである「連携に関してはもっと、何でも聞いたり言えたりする関係になりたい」「意見交換は必要」などから、どちらも意見交換や相互理解が不十分であることを認識していた。さらに、看護師のコードである「救命士を信用できないと、看護師の観察が増えロスが増える」や救命士のコードである「連携が取れると現場滞在時間が短くなる」などから、お互いが連携することによる効果も認識していた。次いで、コード数が多かったカテゴリーは【病院管理・体制上の問題】であった。看護師のサブカテゴリー『救急外来の体制が応援体制』、救命士のサブカテゴリー『救急外来の体制の問題』からは、救急対応を行う看護師は常時救急の現場に居ないため実践的な機会は少なく、傷病者搬入時の対応及び連携ができていない可能性が考えられた。カテゴリー【検証会・勉強会の未実施・不足】の共通したサブカテゴリー『検証会・勉強会は行われていない』の共通のコードである「合同の事例検討会はやっていない」「やろうという人が居ないから、やっていない」などから、医療施設の救急部署内に勉強会や検証会を主催する人材が居ないことで、合同の事例検証会の開催も少なく、共通言語や共通認識が出来ていないと考えられた。また、コミュニケーションの場やお互いの職務理解も得られていない可能性が考えられた。
看護師にのみに抽出されたカテゴリーの【医師の救急の考え方の問題】は、『医師の受入の考え方の問題』『医師のモチベーションが低い』のサブカテゴリーが抽出され、救急専門医の不在に伴う問題であると考えられた。また、【看護師の意欲の問題】【セミナー参加は個々に一任】は、「救急を志しての異動でないため意欲は低い」「セミナーが必要だと思う看護師は個人的に参加」などのコードから成り、看護師の応援体制に伴う問題と考えられた。
以上より、看護師及び救命士ともに連携に関する問題を認識しており、医療施設の体制の問題や合同での検証会・勉強会の未実施・不足により連携につながっていない実態が明らかとなった。
【方法】対象者は、二次救急病院で救急対応を行う救急外来看護師(以下、看護師)と消防署勤務の救急救命士(以下、救命士)とした。方法は、傷病者搬入時における連携について半構造的面接を行った。分析は、逐語録より「連携」に関連する文章をコード化し、類似性・相違性からサブカテゴリー、カテゴリーを抽出し、看護師と救命士を比較した。
【倫理的配慮】対象者に文書及び口頭で研究の趣旨、実施方法、個人情報の保護などについて十分な説明を行い、書面で同意を得た。また、研究者の所属機関の倫理審査の承認を得た。
【結果】対象者は、看護師が5名、救命士は19名であった。質的分析で看護師は、118のコードから27サブカテゴリー、9カテゴリーが抽出され、救命士は、415のコードから28サブカテゴリー、6カテゴリーが抽出された。看護師と救命士に共通していたカテゴリーは6カテゴリー【連携の問題】【病院管理・体制上の問題】【検証会・勉強会の未実施・不足】【院内のみで検証会・勉強会の実施】【連携はとれている】【看護師の救急の知識不足】であった。異なっていたカテゴリーは看護師のみで、【医師の救急の考え方の問題】【セミナー参加は個々に一任】【看護師の意欲の問題】であった。
【考察】 A県内の二次医療施設の看護師と救命士共にコード数の最も多かったカテゴリーは【連携の問題】であり、共通したサブカテゴリー『連携をとる必要がある』の主なコードである「連携に関してはもっと、何でも聞いたり言えたりする関係になりたい」「意見交換は必要」などから、どちらも意見交換や相互理解が不十分であることを認識していた。さらに、看護師のコードである「救命士を信用できないと、看護師の観察が増えロスが増える」や救命士のコードである「連携が取れると現場滞在時間が短くなる」などから、お互いが連携することによる効果も認識していた。次いで、コード数が多かったカテゴリーは【病院管理・体制上の問題】であった。看護師のサブカテゴリー『救急外来の体制が応援体制』、救命士のサブカテゴリー『救急外来の体制の問題』からは、救急対応を行う看護師は常時救急の現場に居ないため実践的な機会は少なく、傷病者搬入時の対応及び連携ができていない可能性が考えられた。カテゴリー【検証会・勉強会の未実施・不足】の共通したサブカテゴリー『検証会・勉強会は行われていない』の共通のコードである「合同の事例検討会はやっていない」「やろうという人が居ないから、やっていない」などから、医療施設の救急部署内に勉強会や検証会を主催する人材が居ないことで、合同の事例検証会の開催も少なく、共通言語や共通認識が出来ていないと考えられた。また、コミュニケーションの場やお互いの職務理解も得られていない可能性が考えられた。
看護師にのみに抽出されたカテゴリーの【医師の救急の考え方の問題】は、『医師の受入の考え方の問題』『医師のモチベーションが低い』のサブカテゴリーが抽出され、救急専門医の不在に伴う問題であると考えられた。また、【看護師の意欲の問題】【セミナー参加は個々に一任】は、「救急を志しての異動でないため意欲は低い」「セミナーが必要だと思う看護師は個人的に参加」などのコードから成り、看護師の応援体制に伴う問題と考えられた。
以上より、看護師及び救命士ともに連携に関する問題を認識しており、医療施設の体制の問題や合同での検証会・勉強会の未実施・不足により連携につながっていない実態が明らかとなった。