[O3-2] 急変時対応の検証と今後の課題
【はじめに】
当院は二次救急医療施設であり、2011年より看護部研修の一環として、年1回の日本救急医学会認定ICLSコースを開催している。2018年までに常勤勤務者156名のうち、95名が受講している。そこで、急変時対応の知識及び技術の検証として、実際の臨床場面を取り上げたシナリオを作成し、シミュレーションを行った。その結果と今後の急変時対応研修の課題を明らかにしたため報告する。
【目的】
急変時対応の知識及び技術の検証を行い、今後の課題を明らかにする。
【方法】
対象者:日本救急医学会認定ICLSコース受講者24名
研究期間:2018年12月~2019年1月
方法:1グループ6名とし、全4回実施。実際の臨床場面を取り上げたシナリオでシミュレーションの実践、チームの行動を独自に作成したOSCEチェックリスト(以下OSCEチェックリスト)を用いて日本救急医学会認定ICLSインストラクターが評価した。OSCEチェックリストは、3カテゴリー34項目(報告2項目・役割責任23項目・チームコミュニケーション9項目)、2段階評価とし、得点化した。その他、5項目の時間経過評価を行った。その後、OSCEチェックリスト・時間経過評価・動画視聴によるデブリーフィングを行った。デブリーフィング後、同様のシナリオ・評価方法で再度シミュレーションを行った。
【倫理的配慮】
対象者には研究目的・方法・個人情報の保護について口頭で説明し、同意を得た。また本研究は、所属病院の倫理審査委員会の承認を受けている。
【結果】
1回目CSCEチェックリストの平均点は、報告1点・役割責任13.50±1.91点・チームコミュニケーション2.50+0.58。2回目CSCEチェックリストの平均点は、報告1.50±0.58点・役割責任15.75±3.30点・チームコミュニケーション5.25±1.89点。役割責任のカテゴリーでは、脈拍と呼吸の確認・気道確保の対応ができていなかった。時間経過評価では、第一発見から胸骨圧迫開始まで1回目58.25±34.73秒・2回目20.5±3.51秒。胸骨圧迫中断時間1回目32.50±45.55・2回目9.62±5.05。
【考察】
今回の急変時対応の検証を行ったことで、急変時対応の知識及び技術の可視化をすることができ、統括的評価ができた。脈拍と呼吸の確認の対応できていなかったことや胸骨圧迫開始までの時間経過が長かったことから、心停止への認識の対応不足が明らかとなった。また、CSCEチェックリスト得点の1回目と2回目を比較し、得点が高くなっているとこからを対象者においては、動画視聴によるデブリーフィングを行うことで内省化することができ、シナリオを繰りかえすことで、CSCEチェックリストの点数上昇や時間経過評価時間の短縮に繋がっていた。その中で、自己の課題を見出すこともできたと考える。
当院は二次救急医療施設であり、2011年より看護部研修の一環として、年1回の日本救急医学会認定ICLSコースを開催している。2018年までに常勤勤務者156名のうち、95名が受講している。そこで、急変時対応の知識及び技術の検証として、実際の臨床場面を取り上げたシナリオを作成し、シミュレーションを行った。その結果と今後の急変時対応研修の課題を明らかにしたため報告する。
【目的】
急変時対応の知識及び技術の検証を行い、今後の課題を明らかにする。
【方法】
対象者:日本救急医学会認定ICLSコース受講者24名
研究期間:2018年12月~2019年1月
方法:1グループ6名とし、全4回実施。実際の臨床場面を取り上げたシナリオでシミュレーションの実践、チームの行動を独自に作成したOSCEチェックリスト(以下OSCEチェックリスト)を用いて日本救急医学会認定ICLSインストラクターが評価した。OSCEチェックリストは、3カテゴリー34項目(報告2項目・役割責任23項目・チームコミュニケーション9項目)、2段階評価とし、得点化した。その他、5項目の時間経過評価を行った。その後、OSCEチェックリスト・時間経過評価・動画視聴によるデブリーフィングを行った。デブリーフィング後、同様のシナリオ・評価方法で再度シミュレーションを行った。
【倫理的配慮】
対象者には研究目的・方法・個人情報の保護について口頭で説明し、同意を得た。また本研究は、所属病院の倫理審査委員会の承認を受けている。
【結果】
1回目CSCEチェックリストの平均点は、報告1点・役割責任13.50±1.91点・チームコミュニケーション2.50+0.58。2回目CSCEチェックリストの平均点は、報告1.50±0.58点・役割責任15.75±3.30点・チームコミュニケーション5.25±1.89点。役割責任のカテゴリーでは、脈拍と呼吸の確認・気道確保の対応ができていなかった。時間経過評価では、第一発見から胸骨圧迫開始まで1回目58.25±34.73秒・2回目20.5±3.51秒。胸骨圧迫中断時間1回目32.50±45.55・2回目9.62±5.05。
【考察】
今回の急変時対応の検証を行ったことで、急変時対応の知識及び技術の可視化をすることができ、統括的評価ができた。脈拍と呼吸の確認の対応できていなかったことや胸骨圧迫開始までの時間経過が長かったことから、心停止への認識の対応不足が明らかとなった。また、CSCEチェックリスト得点の1回目と2回目を比較し、得点が高くなっているとこからを対象者においては、動画視聴によるデブリーフィングを行うことで内省化することができ、シナリオを繰りかえすことで、CSCEチェックリストの点数上昇や時間経過評価時間の短縮に繋がっていた。その中で、自己の課題を見出すこともできたと考える。