[O5-6] 救命救急センターに従事する看護師の自殺企図患者に対する態度と学習ニーズ
目的:救命救急センターにおける自殺企図患者に対する看護師の認識、態度や看護ケア、学習ニーズを明らかにする。
方法研究対象:A病院救命救急センターに従事する看護師38名
研究方法:前向き観察研究、調査は無記名による自記式質問紙で実施した
分析方法:データは記述統計量を算出し、実態を明らかにする調査結果の分析には統計解析ソフトのSPSS22.0を用いた。
倫理的配慮研究者の所属する施設の倫理委員会の承認を受けて実施した(承認番号:18076)。
倫理委員会で承認の得られた説明文書を用いて、研究の趣旨と倫理的配慮についてアンケートに明記し、提出をもって同意が得られたものとした。本研究は開示すべき利益相反はない。
結果
自殺企図患者に対する看護師の認識や態度
自殺企図患者との関わりに困難感を抱いたことがあるは80.6%で、自殺企図患者との関わりに苦手意識を抱いているは69.4%であった。自殺企図患者と関わるうえで留意していること・心掛けていることがあるは94.4%であった。困難だと感じた具体的経験や場面、留意している点では共に患者とのコミュニケーションに関する内容が最も多かった。
自殺企図患者への思いについて、精神医療の専門部署や病院で見てほしいが最も多い。
自殺企図患者への看護ケアについて
自殺企図に至った経緯・希死念慮の確認をしている人が88.9%であり、そのうち、自殺企図の至った経緯・希死念慮について適切に確認できているという実感がない人が75%を超えていた。
自殺企図に至った経緯・希死念慮について確認する際に困っている・支障となることについては、希死念慮の再燃が最も多くなっていた。
自殺・自殺企図に関する学習ニーズについて
自殺・自殺企図に関する教育を受けたいと回答している人が80.5%であった。困難感・苦手意識の有無と学習意欲の差では、困難感・苦手意識がある人ほど、学習を受けたくない割合が高かった。
今まで自殺・自殺企図に関して知識を深める機会がなかったが86.1%であった。
受けたい教育の内容は「自殺(再企図)の危険性の評価方法、再企図予防の方法」が最も多くなっていた。学習の方法としては、「多職種や経験のある看護師による講義・講演」、が多くなっていた。
考察
自殺企図患者に対する看護師の認識や態度
救命救急センターに従事する看護師は、自殺企図患者との関わりにおいてコミュニケーションに困難を感じており、看護師の介入が希死念慮を再燃させ再企図することや、患者を傷つけるのではないかということに不安があり、困難感や苦手意識を抱いていることが明らかとなった。自殺企図患者への困難感や苦手意識がありながらも関わりに留意している・心掛けている看護師は9割を超えているが、救急業務に従事する看護師は自ら死を選んだ患者の傷を手当てすることや命を助けることに対してジレンマを感じ、自殺未遂患者に対してケアを遂行することに困難を感じやすいということが推測される。
自殺・自殺企図に関する学習ニーズについて
自殺・自殺企図に関する教育を受けたいと思う看護師は8割を超え、学習の場を設けることで主体的に知識を深めることができ、そして自殺企図患者に対する困難感や苦手意識を変容させ、看護師のストレス軽減と質の高い看護を提供することにつながるのではないかと考えられる。
また、困難感・苦手意識がある人ほど、学習を受けたくないと回答した割合が高く、自殺企図患者への否定的な感情が強く自殺企図患者と主体的に関わることを回避したい気持ちの表れではないかと考える。本研究では支援について調査できていないため、今後の調査が必要である。
方法研究対象:A病院救命救急センターに従事する看護師38名
研究方法:前向き観察研究、調査は無記名による自記式質問紙で実施した
分析方法:データは記述統計量を算出し、実態を明らかにする調査結果の分析には統計解析ソフトのSPSS22.0を用いた。
倫理的配慮研究者の所属する施設の倫理委員会の承認を受けて実施した(承認番号:18076)。
倫理委員会で承認の得られた説明文書を用いて、研究の趣旨と倫理的配慮についてアンケートに明記し、提出をもって同意が得られたものとした。本研究は開示すべき利益相反はない。
結果
自殺企図患者に対する看護師の認識や態度
自殺企図患者との関わりに困難感を抱いたことがあるは80.6%で、自殺企図患者との関わりに苦手意識を抱いているは69.4%であった。自殺企図患者と関わるうえで留意していること・心掛けていることがあるは94.4%であった。困難だと感じた具体的経験や場面、留意している点では共に患者とのコミュニケーションに関する内容が最も多かった。
自殺企図患者への思いについて、精神医療の専門部署や病院で見てほしいが最も多い。
自殺企図患者への看護ケアについて
自殺企図に至った経緯・希死念慮の確認をしている人が88.9%であり、そのうち、自殺企図の至った経緯・希死念慮について適切に確認できているという実感がない人が75%を超えていた。
自殺企図に至った経緯・希死念慮について確認する際に困っている・支障となることについては、希死念慮の再燃が最も多くなっていた。
自殺・自殺企図に関する学習ニーズについて
自殺・自殺企図に関する教育を受けたいと回答している人が80.5%であった。困難感・苦手意識の有無と学習意欲の差では、困難感・苦手意識がある人ほど、学習を受けたくない割合が高かった。
今まで自殺・自殺企図に関して知識を深める機会がなかったが86.1%であった。
受けたい教育の内容は「自殺(再企図)の危険性の評価方法、再企図予防の方法」が最も多くなっていた。学習の方法としては、「多職種や経験のある看護師による講義・講演」、が多くなっていた。
考察
自殺企図患者に対する看護師の認識や態度
救命救急センターに従事する看護師は、自殺企図患者との関わりにおいてコミュニケーションに困難を感じており、看護師の介入が希死念慮を再燃させ再企図することや、患者を傷つけるのではないかということに不安があり、困難感や苦手意識を抱いていることが明らかとなった。自殺企図患者への困難感や苦手意識がありながらも関わりに留意している・心掛けている看護師は9割を超えているが、救急業務に従事する看護師は自ら死を選んだ患者の傷を手当てすることや命を助けることに対してジレンマを感じ、自殺未遂患者に対してケアを遂行することに困難を感じやすいということが推測される。
自殺・自殺企図に関する学習ニーズについて
自殺・自殺企図に関する教育を受けたいと思う看護師は8割を超え、学習の場を設けることで主体的に知識を深めることができ、そして自殺企図患者に対する困難感や苦手意識を変容させ、看護師のストレス軽減と質の高い看護を提供することにつながるのではないかと考えられる。
また、困難感・苦手意識がある人ほど、学習を受けたくないと回答した割合が高く、自殺企図患者への否定的な感情が強く自殺企図患者と主体的に関わることを回避したい気持ちの表れではないかと考える。本研究では支援について調査できていないため、今後の調査が必要である。