第21回日本救急看護学会学術集会

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一般演題(口演)

救急外来システム

[O6] O6群 救急外来システム

Fri. Oct 4, 2019 4:20 PM - 5:10 PM 第7会場 (3F 中会議室304)

座長:溝江 亜紀子(東京医科歯科大学医学部附属病院)

[O6-3] 心肺停止で搬送され死に至った患者家族への実践ケアを明らかにする

東 祐太, 山崎 亜希子 (加賀市医療センター救急センター)

心肺停止で搬送され死に至った患者家族への実践ケアを明らかにする



加賀市医療センター 救急センター

東 祐太  山﨑 亜紀子



【目的】

A病院は、「断らない救急」を掲げこの地域の二次救急診療を担っており、毎日多くの患者が救急センターへ来院する。重症度も幅広く、各診察室と初寮室では同時に複数の診察、治療が進行されている状況である。そんな中、CPA患者が平均5日に1回のペースで搬送され、そのまま死亡するケースも多い。救急外来では、患者家族との信頼関係を築けないまま、蘇生処置、検査が進められる。家族は死亡確認時に初めて患者に対面する場面が多く、突然の出来事に危機的状況を受け入れられず、動揺する家族への声かけや対応に、自分達は家族ケアが出来ているのかと疑問に思った。そこで、当救急センターに関わる看護師がCPAで搬送された患者家族に対して行なっている家族ケアについて明らかにすることを目的とした。

【方法】

搬送時」「処置時」「死亡確認時」「検案時」「エンゼルケア時」「家族との面会時」「お見送り時」の七場面に区切り、場面毎に、患者家族に関わっている看護ケア、その行動の根拠、困難だった事を自由に語って頂き、半構成的面接法にてインタビューを用いて実態調査研究を行なった。研究対象は、救急センターでCPA患者に対応した経験がある看護師で、半構成的面接法でのインタビューに同意を得られた看護師8名(経験年数22年~27年)とした。

【倫理的配慮】

本研究は当院の倫理審査委員会の申請を受けている。

【結果】

インタビューの結果から、傾聴、観察、受容、支持的態度、共感的態度、感情の表出、沈黙、タッチングなどのコミュニケーション技術を用いて患者家族ケアにあたっている。また、搬送時から処置に専念する看護師と家族対応をする看護師とで役割分担をして家族ケアにあたっている。

【考察】

救急センターでの処置やケアは重症度が高いほど、いつの間にか時間が過ぎているように感じ、処置や業務をこなしているだけのように感じる事があった。しかし、結果から、家族の精神状態に合わせたあらゆるコミュニケーション技術で患者家族ケアに当たっていることが明らかとなった。実際に心肺停止で搬送される患者の多くは死亡退院されるか、救命できても意識がない状態が続くことが多い。家族が状況を受け入れられるよう搬送時からの関わりが重要であり、看護師1人1人の関わり方とチームワークによって家族ケアは成り立っていると考える。