[O8-2] 救急部門に働く看護師に求められる能力と役割に関する国内外比較
【目的】本研究の目的は、国内文献と海外文献を通して救急看護師に求められている能力や役割を読み取り、わが国と欧米との共通点・相違点を抽出することである。
【方法】データ収集方法/国内文献は医学中央雑誌(1946年〜2018年)を用い、「救急」「看護」「能力」「役割」のキーワードで検索し、重複分を除いた文献23件を分析対象とした。海外文献はPUBMED(1999年〜2018年)を用い「”emergency nurse” AND ability」「”emergency nurse” AND role」「”emergency nurse” AND competence」で検索した文献の中から英語表記の文献を対象にし、重複分を除いた10件を分析対象とした。データ分析方法/収集した文献を「救急看護師に求められる能力(わが国)」「救急看護師に求められる役割(わが国)」「救急看護師に求められる能力(欧米)」「救急看護師に求められる役割(欧米)」の4つの点から整理し国内外文献に示された能力と役割について比較検討を行った。
【結果】33文献(邦文献23,英文献10)を分析対象とした。国内外ともに求められている能力や役割は多岐にわたり、救急看護師はいくつもの能力や役割を担っていることが明らかになった。それらの事項は「リーダーシップ」「高いフィジカルアセスメント能力」「多職種連携」等概ね共通していた。相違点は、わが国において救急看護師に求められる能力は「コミュニケーション能力」「倫理的配慮」「入院時から退院を見据えた看護を提供する能力」が、役割は「自己決定の尊重を行う役割」「医療を受ける環境を整える役割」が挙げられた。海外論文では求められている能力については文献が少なく見いだせなかったが、求められる役割として「病院全体を捉える役割」が抽出できた。
【考察】わが国と欧米の救急看護師に求められる能力や役割の共通点も多く抽出できたが、その国の医療の状況によって求められる能力や役割も異なるということが明らかになった。国内では救急看護師に「入院時から退院を見据えた看護を提供する能力」が求められていたが、これはわが国の入院期間が長い特徴に起因していると考えた。また国内外の救急看護師に求められる役割の比較から、わが国では病院全体で患者を支えるという完全なアドボカシーの実践には至っていないという看護状況が示唆された。
【方法】データ収集方法/国内文献は医学中央雑誌(1946年〜2018年)を用い、「救急」「看護」「能力」「役割」のキーワードで検索し、重複分を除いた文献23件を分析対象とした。海外文献はPUBMED(1999年〜2018年)を用い「”emergency nurse” AND ability」「”emergency nurse” AND role」「”emergency nurse” AND competence」で検索した文献の中から英語表記の文献を対象にし、重複分を除いた10件を分析対象とした。データ分析方法/収集した文献を「救急看護師に求められる能力(わが国)」「救急看護師に求められる役割(わが国)」「救急看護師に求められる能力(欧米)」「救急看護師に求められる役割(欧米)」の4つの点から整理し国内外文献に示された能力と役割について比較検討を行った。
【結果】33文献(邦文献23,英文献10)を分析対象とした。国内外ともに求められている能力や役割は多岐にわたり、救急看護師はいくつもの能力や役割を担っていることが明らかになった。それらの事項は「リーダーシップ」「高いフィジカルアセスメント能力」「多職種連携」等概ね共通していた。相違点は、わが国において救急看護師に求められる能力は「コミュニケーション能力」「倫理的配慮」「入院時から退院を見据えた看護を提供する能力」が、役割は「自己決定の尊重を行う役割」「医療を受ける環境を整える役割」が挙げられた。海外論文では求められている能力については文献が少なく見いだせなかったが、求められる役割として「病院全体を捉える役割」が抽出できた。
【考察】わが国と欧米の救急看護師に求められる能力や役割の共通点も多く抽出できたが、その国の医療の状況によって求められる能力や役割も異なるということが明らかになった。国内では救急看護師に「入院時から退院を見据えた看護を提供する能力」が求められていたが、これはわが国の入院期間が長い特徴に起因していると考えた。また国内外の救急看護師に求められる役割の比較から、わが国では病院全体で患者を支えるという完全なアドボカシーの実践には至っていないという看護状況が示唆された。