第21回日本救急看護学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

精神的ケア

[O9] O9群 精神的ケア

2019年10月4日(金) 15:10 〜 15:50 第8会場 (1F 中会議室102)

座長:赤木 高司(京都保険会 京都民医連中央病院)

[O9-1] 国内の救命救急領域に配属された新人看護師の精神的ストレスとその支援に関する課題

門 美緒 (大阪市立大学)

【目的】本研究の目的は、文献を通して救命救急領域で働く新人看護師の精神的ストレスとその支援の実態を知り、今後の救命救急領域に配属された新人看護師の精神的ストレス緩和に向けた支援に関する課題を明らかにすることである。

【方法】データ収集方法/「医中誌web版(1984年~2018年)」を用いてキーワードを「救急」「新人看護師」「ストレス」として検索し、救命救急領域の新人看護師に焦点を当てた文献18件を分析対象とした。データ分析方法/収集した文献の内容を、救命救急領域における新人看護師の「ストレス要因」「セルフストレスマネジメント方法」「ストレス緩和に向けた支援」の3つに分類し、それぞれの視点から知見を整理した。

【結果】ストレス要因は[職場環境][知識や技術が未熟][人間関係][不安定な所属感][理想と現実のギャップ][本人の精神的未熟さや弱さ]の6つであり、それらに対して新人看護師は、[感情を吐露する][モチベーションの維持][目標をもつ][自信とやりがいの習得][自分なりの対処方法を身に付ける]の5つのセルフストレスマネジメントを行っていた。ストレス支援は[業務・教育体制の充実][タイムリーな支援][相談できる場を設ける][効果的なコミュニケーション][勤務外での関わり][個人を尊重する][臨床を意識した基礎教育][希望に応じた配属]の8つであった。

【考察】文献検討の結果から、新人看護師のストレスマネジメントにおいて、セルフマネジメントに加え人的サポートによる影響の効果が大きいことが明らかになった。人的サポートを強化するために、今後職場のスタッフ間での関わりの場を増やし、チームとしての繋がりをもつことがストレス緩和に向けた支援において必要であるといえる。また、基礎教育においてより臨床に近い教育を行い、入職後のギャップを軽減することは、新人看護師のストレス緩和に向けた支援として重要であると考えられる。以上より、救命救急領域に配属された新人看護師に対する精神的ストレス緩和に向けた支援の課題として、[スタッフの関わりの場を増やす][基礎教育と臨床とのギャップをなくす]の2つが見出された。