第21回日本救急看護学会学術集会

講演情報

パネルディスカッション

[PD1] 外傷初期看護は患者の命と生活をどう支えていくのか

2019年10月4日(金) 15:20 〜 17:20 第1会場 (2F コンベンションホールA)

座長:小池 伸享(前橋赤十字病院), 笠原 真弓(浜松医療センター 看護部)

[PD1-1] 外傷初期診療教育と外傷専門診療教育 -日本外傷学会の目指すもの-

木村 昭夫 (国立国際医療研究センター病院  救命救急センター)

日本外傷学会は、Advanced Trauma Life Supportをモデルとして、外傷初期診療ガイドラインJATECを開発し、日本救急医学会とともに研修コース展開してきた。約15年間活動を続けてきた結果、我が国のほぼ全体にABCDEアプローチとうい初期診療の方法論が均霑化された。初期診療を標準化して行うことは、「防ぎ得る外傷死」を予防するに最も効果的ではあるが、それだけでは外傷診療全体の質を向上させるには不十分である。またJATECは、外傷診療にとって最も重要な要素の一つであるチームアプローチの要素が欠けている。よって、外傷診療の質を上げるには、チームアプローチを重視した外傷診療のトータルケアーに対する指針が必要であり、そこでは診療全体の流れにおけるチームリーダーの判断能力とコーディネート能力を向上させることが求められる。そのような必要性のもと、開発されたのが外傷専門診療ガイドラインJETECであり、現在第2版が出版されている。。またそれをもとに、講義やハンズオンワークショップなどを取り混ぜたJETEC研修コースも年3階(将来的には4回)開催されている。JETEC研修コースの受講は日本外傷学会の外傷専門医の取得並びに維持の必須条件となることが決定している。