第21回日本救急看護学会学術集会

講演情報

パネルディスカッション

[PD3] 認定分野統合・救急看護の優れた実践力を担保する

2019年10月4日(金) 15:30 〜 17:20 第5会場 (3F 中会議室302)

座長:剱持 功(東海大学看護師キャリア支援センター), 阿部 雅美(日本赤十字社和歌山医療センター)

[PD3-1] 2020年度からの新たな認定看護師制度の概要について

桑村 直樹 (公益社団法人日本看護協会 看護研修学校)

日本看護協会が認定する現行の認定看護師制度が1995年に発足し、教育が始まってから20年以上が経過した。これまでに、20,960名の認定看護師が誕生し、全国の医療機関や地域で活躍している(2019年7月現在)。この認定看護師は、看護の現場で一定の成果を残すことにより、数々の診療報酬の獲得(16分野、20項目)にも貢献してきており認定看護師の価値は認められている。
 また、チーム医療を推進し、看護師がその役割をさらに発揮するため、2014年6月に「特定行為に係る看護師の研修制度」が創設された。2015年3月には、制度の詳細が定められた省令および施行通知が発出され、10月より研修制度が開始された。特定行為研修の修了者は2019年3月末現在で約1600名となっている。指定研修機関も右肩上がりで増加傾向にある。
 今後は、新たな社会ニーズへの対応を目指し、2025年の高齢化の進展による医療や介護の需要増大を鑑み、質の高い医療・介護などのサービスが必要な時に切れ目なく提供され、在宅や地域医療の充実にも貢献できるよう、認定看護師制度を基盤に特定行為研修を組み込んだ新たな教育や役割に発展させ、認定看護師制度の再構築に取り組んできた。新たな認定看護師制度として、救急看護、集中ケア分野では、社会的ニーズを鑑み、それぞれの分野に共通する知識と技術をクリティカルケア分野のコアとなる臨床実践能力と位置づけ、多様性をもつ対象に対応できる新たな分野として「クリティカルケア認定看護師」を創設した。クリティカルケア認定看護師は、軽症重症を問わず、あらゆる場で急性期にある患者に対して、高い臨床推論力と病態判断力に基づいた初期対応および重症化回避と早期回復支援を行うことを期待し、特定行為研修を組み込んだ新たなカリキュラムを作成した。
 今回、この新たなクリティカルケア認定看護分野について、期待される能力やコアとなる知識と技術、基準カリキュラムや教育内容などをご紹介していく。また、クリティカルケア認定看護師として、コアとなる知識と技術を高めながら、サブスペシャリティとしてさらに専門性を高めていく考え方や学会等との連携などもご紹介しながら救急看護の優れた実践能力を担保する方法を検討していきたい。