[RTD10-6] 呼吸数測定の必要性を周知するための取り組み -予期せぬ急変を防ぐための第一歩として-
【目的】
当院では2017年よりRapid Response System(以下:RRS)を試行開始した。現在では対象病棟を3病棟に拡大している。
RRSを起動する基準として「危険なバイタルサイン」を用いる仕組みとした。「危険なバイタルサイン」とは、、バイタルサインの異常値を設定し、該当する場合、、看護師が医師に報告するシステムである。しかし、対象病棟の看護師からは、「危険なバイタルサイン」のシステムを活用したことがない、あるいは知らないという声が聞かれた。さらには、バイタルサインを測定し記録に残しているものの、急変前に最初に生じるバイタルサインの変化としてあげられる呼吸数の異常に対し、看護師が反応できていない現状にあった。急変前にSpO2測定は行っているものの呼吸数測定は実施されていないことが多く、呼吸数測定の必要性が認知されていない現状にあった。そこで、呼吸数測定をバイタルサイン測定の一つとして普段から習慣的に実施するための方法を検討した。
【方法】
急性・重症患者看護専門看護師とともに、急性期分野の院内研修において、急変予兆を察知するための知識を学ぶ研修を開催するとともに、呼吸数測定が必要な理由を理解できる内容を研修内に組み入れた。また、救急看護認定看護師がカルテより患者情報を抽出した後、一般病棟へ出向き、呼吸数測定の必要性をその都度説明した。また、呼吸数の測定ができていないことを医療安全管理部門とも共有し、医療安全管理部門と記録委員会のもと、呼吸数測定を習慣化するため1日1回日勤帯での呼吸数測定と記録を残す方針となった。電子カルテ上、全ての患者のバイタルサイン入力欄に呼吸回数入力欄をあらかじめ設定し、バイタルサイン測定の一項目として呼吸回数を位置づけた。
【結果】
救急看護認定看護師が単独で病棟ラウンドを通し、呼吸数測定の必要性を伝えるだけでは一時的であり、呼吸数を測定する習慣を確立することはできなかった。しかし、医療安全管理部門や看護委員会からの発信や電子カルテ上の整備により、呼吸数を測定する傾向が院内全体で見られた。そのため、救急看護認定看護師や急性・重症患者看護専門看護師が、記録から患者の状態をアセスメントし状況を把握することが可能となった。また、RRSモデル病棟では、呼吸数の上昇を看護師が察知し、RRSを起動するという事例が生じた。
【考察】
呼吸数測定を看護管理部門とともに、バイタルサイン測定の一つとして位置づけ、体制を整備することで習慣化に至った。それ以前に、認定看護師や専門看護師により、呼吸数測定の必要性を研修を通し発信したことは、看護スタッフの呼吸数に対する意識を高め習慣化につながる要因の一つとなったと考える。認定看護師や専門看護師だけでなく、看護管理部門を筆頭に院内組織によって働きかけることで、呼吸数測定を習慣化することは可能である。
しかし、呼吸数の測定はあくまでも最低1回/日、日勤帯で行うとしており、それ以外に意図的に測定するかどうかは、個々の看護師の知識や経験値によって違いが生じている。
業務の一環として呼吸数を測定することだけにとどまらず、呼吸数が表す意味や意図を理解し、患者アセスメントに活用するために、今後も研修やRRSの運用拡大を通し周知していくことが課題である。
当院では2017年よりRapid Response System(以下:RRS)を試行開始した。現在では対象病棟を3病棟に拡大している。
RRSを起動する基準として「危険なバイタルサイン」を用いる仕組みとした。「危険なバイタルサイン」とは、、バイタルサインの異常値を設定し、該当する場合、、看護師が医師に報告するシステムである。しかし、対象病棟の看護師からは、「危険なバイタルサイン」のシステムを活用したことがない、あるいは知らないという声が聞かれた。さらには、バイタルサインを測定し記録に残しているものの、急変前に最初に生じるバイタルサインの変化としてあげられる呼吸数の異常に対し、看護師が反応できていない現状にあった。急変前にSpO2測定は行っているものの呼吸数測定は実施されていないことが多く、呼吸数測定の必要性が認知されていない現状にあった。そこで、呼吸数測定をバイタルサイン測定の一つとして普段から習慣的に実施するための方法を検討した。
【方法】
急性・重症患者看護専門看護師とともに、急性期分野の院内研修において、急変予兆を察知するための知識を学ぶ研修を開催するとともに、呼吸数測定が必要な理由を理解できる内容を研修内に組み入れた。また、救急看護認定看護師がカルテより患者情報を抽出した後、一般病棟へ出向き、呼吸数測定の必要性をその都度説明した。また、呼吸数の測定ができていないことを医療安全管理部門とも共有し、医療安全管理部門と記録委員会のもと、呼吸数測定を習慣化するため1日1回日勤帯での呼吸数測定と記録を残す方針となった。電子カルテ上、全ての患者のバイタルサイン入力欄に呼吸回数入力欄をあらかじめ設定し、バイタルサイン測定の一項目として呼吸回数を位置づけた。
【結果】
救急看護認定看護師が単独で病棟ラウンドを通し、呼吸数測定の必要性を伝えるだけでは一時的であり、呼吸数を測定する習慣を確立することはできなかった。しかし、医療安全管理部門や看護委員会からの発信や電子カルテ上の整備により、呼吸数を測定する傾向が院内全体で見られた。そのため、救急看護認定看護師や急性・重症患者看護専門看護師が、記録から患者の状態をアセスメントし状況を把握することが可能となった。また、RRSモデル病棟では、呼吸数の上昇を看護師が察知し、RRSを起動するという事例が生じた。
【考察】
呼吸数測定を看護管理部門とともに、バイタルサイン測定の一つとして位置づけ、体制を整備することで習慣化に至った。それ以前に、認定看護師や専門看護師により、呼吸数測定の必要性を研修を通し発信したことは、看護スタッフの呼吸数に対する意識を高め習慣化につながる要因の一つとなったと考える。認定看護師や専門看護師だけでなく、看護管理部門を筆頭に院内組織によって働きかけることで、呼吸数測定を習慣化することは可能である。
しかし、呼吸数の測定はあくまでも最低1回/日、日勤帯で行うとしており、それ以外に意図的に測定するかどうかは、個々の看護師の知識や経験値によって違いが生じている。
業務の一環として呼吸数を測定することだけにとどまらず、呼吸数が表す意味や意図を理解し、患者アセスメントに活用するために、今後も研修やRRSの運用拡大を通し周知していくことが課題である。