[RTD11-4] 救急看護認定看護師による症候・疾患別講義に関する報告 -勉強会を通してみえてきた課題-
A施設救命救急センター(以下、救命救急センターと略す)では、2017年度より救急看護認定看護師による症候・疾患別講義を定期的に開催した。「救急領域の特徴的な症状や疾患について理解できる」「症状・疾患に必要な情報が理解できアセスメントができる」「アセスメントをふまえた初期診療時の看護実践について理解できる」という3点を達成目標として開催したため報告する。
院外発表に際し、個人情報保護の原則を踏まえ、データ管理における匿名性を保持し、データはカギ管理とした。結果に関して学会で公表するが、その際も個人が特定されることのないよう配慮した。
勉強会開催概要として、期間は2017年8月-2019年3月までに行った。1回の講義時間30-45分で勤務後の時間帯に2-3回/月のペースで合計37回開催した。勉強会参加対象者は当センタークリニカルラダーⅡ(新卒は3年目以上、既卒者は当センター配属2年目以上)以上の者を対象とし、延べ参加人数は386名(2017年度225名、2018年度161名)であった。参加者の看護師経験年数割合は1-5年目59%、6-11年31%、12年以上10%であった。症候・疾患を「熱傷」「外傷初期診療看護の基礎」「腹部外傷」「胸部外傷」「頭痛・意識障害・頭部外傷」、「胸痛・背部痛」、「腹痛・呼吸困難」、「中毒」の8つに分けて救急看護認定看護師が症候・疾患をそれぞれ担当し開催した。スライドを配布資料とし、講義形式と症例提示によるスモールグループでのディスカッションと発表をしてもらうという形で行った。講義の際の参加者の様子としては、ディスカッション時の発言も活発で、積極的に質問もあり、講義終了後も「またいろいろな講義を聞きたい」「勉強になりました」「あっと言う間でした」などの肯定的な言動が聞かれた。
アンケート結果としては参加者386名から回答を得た。経験年数、講義内容の理解度、ニードの一致の有無、講義内容を臨床に活かせるか、救急看護認定看護師の勉強会を同僚に勧めるかなどについて回答を得た。「講義内容の理解度」に関しては、「よく理解できた」259名(68%)、「理解できた」120名(31%)、「やや理解できなかった」3名(1%)、「理解できなかった」0名(0%)であった。「講義内容は臨床に活かせるか」は「大変そう思う」295名(77%)、「そう思う」88名(22%)、「あまり思わない」1名(1%)、「まったく思わない」0名(0%)であった。「ニードの一致」「救急看護認定看護師の勉強会を同僚に勧めるか」はともに「大変そう思う」「そう思う」あわせて99%以上であった。
救急看護認定看護師による症候・疾患別講義を行い、勉強会開催に関して、講義の内容・進行方法は、積極的なディスカッションや質問もあり、終了後の言動も肯定的で、知識を習得する機会として適切であったと考えられる。しかし、1回の講義あたりの参加率は救命救急センタースタッフ全体の割合から考えると少なく、対象や参加者数に関する目標を明確にし、勉強会の効果判定に関する指標の作成が必要であるという示唆を得た。
アンケート結果に関しては、理解度やニード、満足度ともに高く勉強会の目標の一つである「救急領域の特徴的な症状や疾患について理解できる」については勉強会直後の理解は得られていると考えることができる。しかし、アセスメント力の向上や実際の現場における看護実践の評価にはつながらず、効果判定の指標が必要であるという示唆を得た。今後は勉強会が患者に与える効果についても可視化できる指標の作成が必要であると考えられる。
院外発表に際し、個人情報保護の原則を踏まえ、データ管理における匿名性を保持し、データはカギ管理とした。結果に関して学会で公表するが、その際も個人が特定されることのないよう配慮した。
勉強会開催概要として、期間は2017年8月-2019年3月までに行った。1回の講義時間30-45分で勤務後の時間帯に2-3回/月のペースで合計37回開催した。勉強会参加対象者は当センタークリニカルラダーⅡ(新卒は3年目以上、既卒者は当センター配属2年目以上)以上の者を対象とし、延べ参加人数は386名(2017年度225名、2018年度161名)であった。参加者の看護師経験年数割合は1-5年目59%、6-11年31%、12年以上10%であった。症候・疾患を「熱傷」「外傷初期診療看護の基礎」「腹部外傷」「胸部外傷」「頭痛・意識障害・頭部外傷」、「胸痛・背部痛」、「腹痛・呼吸困難」、「中毒」の8つに分けて救急看護認定看護師が症候・疾患をそれぞれ担当し開催した。スライドを配布資料とし、講義形式と症例提示によるスモールグループでのディスカッションと発表をしてもらうという形で行った。講義の際の参加者の様子としては、ディスカッション時の発言も活発で、積極的に質問もあり、講義終了後も「またいろいろな講義を聞きたい」「勉強になりました」「あっと言う間でした」などの肯定的な言動が聞かれた。
アンケート結果としては参加者386名から回答を得た。経験年数、講義内容の理解度、ニードの一致の有無、講義内容を臨床に活かせるか、救急看護認定看護師の勉強会を同僚に勧めるかなどについて回答を得た。「講義内容の理解度」に関しては、「よく理解できた」259名(68%)、「理解できた」120名(31%)、「やや理解できなかった」3名(1%)、「理解できなかった」0名(0%)であった。「講義内容は臨床に活かせるか」は「大変そう思う」295名(77%)、「そう思う」88名(22%)、「あまり思わない」1名(1%)、「まったく思わない」0名(0%)であった。「ニードの一致」「救急看護認定看護師の勉強会を同僚に勧めるか」はともに「大変そう思う」「そう思う」あわせて99%以上であった。
救急看護認定看護師による症候・疾患別講義を行い、勉強会開催に関して、講義の内容・進行方法は、積極的なディスカッションや質問もあり、終了後の言動も肯定的で、知識を習得する機会として適切であったと考えられる。しかし、1回の講義あたりの参加率は救命救急センタースタッフ全体の割合から考えると少なく、対象や参加者数に関する目標を明確にし、勉強会の効果判定に関する指標の作成が必要であるという示唆を得た。
アンケート結果に関しては、理解度やニード、満足度ともに高く勉強会の目標の一つである「救急領域の特徴的な症状や疾患について理解できる」については勉強会直後の理解は得られていると考えることができる。しかし、アセスメント力の向上や実際の現場における看護実践の評価にはつながらず、効果判定の指標が必要であるという示唆を得た。今後は勉強会が患者に与える効果についても可視化できる指標の作成が必要であると考えられる。