[SY1-3] へき地の中核病院における救急看護の在り方
高知県には救命救急センターは3施設、大学病院は1施設あるが、いずれも県中央部に集中している。幡多地域は、高知県の西南端に位置し、県中央部から陸路で100㎞~150㎞の距離にあり、6市町村からなる人口約82,000人の地域である。幡多地域の高齢化率(65歳以上)は2018年に40.6%となり、高齢化は加速している。地域の救急搬送患者の多くは高齢者が占めており、高齢化に伴い様々な併存疾患を持っているため、複雑化・重症化する患者が多いのが特徴である。また、山間部や離島といった無医地区もあり、医師接触までに時間を要するなど、地理的なハンデも大きい地域である。
高知県立幡多けんみん病院は、病床数355床、幡多地域で唯一ICU(6床)を有している二次救急医療施設である。2018年度は11,817名の救急患者(うち救急搬送2,633名)を受け入れており、特に、休日・時間外は当院に受診者が集中する。救急医療体制の位置づけは二次救急医療施設であるが、「24時間断らない救急」という病院の方針のもと、小児、周産期を含む初期から三次救急患者の受け入れを行っている。三次救急患者のうち、当院で対応ができない場合は、初期対応後に、ドクターヘリや救急車で救命救急センターや大学病院へ転院搬送となる。
当院には救急専門医がいないため、平日日中は、各診療科医師と研修医が、通常外来診療や入院患者診療の合間に救急搬送患者の診療を行っている。休日・時間外は内科系、外科系、小児科の各診療科当番医と研修医が救急搬送患者を含む救急患者の診療を行っている。救急看護師は、日勤帯3~4名、夜間2名体制で、救急隊からの受入要請電話対応、診療科の選定、院内トリアージ、多職種との調整、電話相談など様々な業務を行っている。救急搬送の場合、救急看護師は救急隊からの情報を整理し医師に伝え、緊急度・重症度を予測しながら迅速な治療に繋げる診療の補助を行っている。院内トリアージでは、多忙な環境のなか、事務スタッフと連携を図りながら緊急度判定を行い、診療の優先順位を決定している。救急外来を受診後帰宅となる患者に対しては、患者の状況に応じてパンフレットを用いるなど、帰宅後の注意事項やケア方法の指導を行っている。
休日・時間外は、地域住民からの電話相談も多く、生命・身体機能喪失の危機にさらされているなど、緊急性が高いと判断した場合には、救急要請や即受診を促している。また、軽症と判断される場合は、自宅でのケア方法や症状増悪時の受診のタイミングなど、患者背景を勘案した上で、当院を含めた当番病院の紹介や、中には平日日中の一般外来受診を提案する場合もある。
しかし、これらの業務を行う中で、救急看護師それぞれの知識や経験に差があり、また、地域の実情に対する知識や認識にも差があることも事実である。この地域で暮らす人々が安心して生活できるように、救急看護師は、情報収集能力・トリアージ能力の向上など、救急看護に必要な専門的知識、技術の向上はもちろん、それぞれの職種の理解を深め、連携を強化し、地域の実情や資源について知識や認識を持つことが重要であると考える。
高知県立幡多けんみん病院は、病床数355床、幡多地域で唯一ICU(6床)を有している二次救急医療施設である。2018年度は11,817名の救急患者(うち救急搬送2,633名)を受け入れており、特に、休日・時間外は当院に受診者が集中する。救急医療体制の位置づけは二次救急医療施設であるが、「24時間断らない救急」という病院の方針のもと、小児、周産期を含む初期から三次救急患者の受け入れを行っている。三次救急患者のうち、当院で対応ができない場合は、初期対応後に、ドクターヘリや救急車で救命救急センターや大学病院へ転院搬送となる。
当院には救急専門医がいないため、平日日中は、各診療科医師と研修医が、通常外来診療や入院患者診療の合間に救急搬送患者の診療を行っている。休日・時間外は内科系、外科系、小児科の各診療科当番医と研修医が救急搬送患者を含む救急患者の診療を行っている。救急看護師は、日勤帯3~4名、夜間2名体制で、救急隊からの受入要請電話対応、診療科の選定、院内トリアージ、多職種との調整、電話相談など様々な業務を行っている。救急搬送の場合、救急看護師は救急隊からの情報を整理し医師に伝え、緊急度・重症度を予測しながら迅速な治療に繋げる診療の補助を行っている。院内トリアージでは、多忙な環境のなか、事務スタッフと連携を図りながら緊急度判定を行い、診療の優先順位を決定している。救急外来を受診後帰宅となる患者に対しては、患者の状況に応じてパンフレットを用いるなど、帰宅後の注意事項やケア方法の指導を行っている。
休日・時間外は、地域住民からの電話相談も多く、生命・身体機能喪失の危機にさらされているなど、緊急性が高いと判断した場合には、救急要請や即受診を促している。また、軽症と判断される場合は、自宅でのケア方法や症状増悪時の受診のタイミングなど、患者背景を勘案した上で、当院を含めた当番病院の紹介や、中には平日日中の一般外来受診を提案する場合もある。
しかし、これらの業務を行う中で、救急看護師それぞれの知識や経験に差があり、また、地域の実情に対する知識や認識にも差があることも事実である。この地域で暮らす人々が安心して生活できるように、救急看護師は、情報収集能力・トリアージ能力の向上など、救急看護に必要な専門的知識、技術の向上はもちろん、それぞれの職種の理解を深め、連携を強化し、地域の実情や資源について知識や認識を持つことが重要であると考える。