第22回日本救急看護学会学術集会

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教育講演

[EL5] 教育講演5

「コロナ・パンデミックは都市災害だ~感染症の専門家だけでは制御不可能~」

演者 河田惠昭(関西大学社会安全学部 社会安全研究センター長・特別任命教授)

[EL5-01] コロナ・パンデミックは都市災害だ~感染症の専門家だけでは制御不可能~

○河田 惠昭1 (1. 関西大学社会安全学部 社会安全研究センター長・特別任命教授)

Keywords:パンデミック、COVID-19、都市災害

新型コロナウイルス感染症の第2波が心配である。東京の新規感染者が相変わらず多いのは、首都圏一極集中の結果、人口が約3800万人と世界一だからだ。そこでは都市文明が栄える一方、格差社会が進行し、社会的弱者も増え続けている。その矛盾は、社会福祉、医療、防災分野の脆弱となって顕在化し、そこを新型コロナウイルスが攻撃しているのである。だから医療の専門家だけでは抑制できない。社会経済被害のあまりの大きさに、国全体が元気を失っている。多くの人がどんどん貧乏になっていくからだ。健康社会に向けて本格的に舵を切らないと、特効薬としてワクチン開発しかないというような脆弱社会はペストが跋扈したヨーロッパの中世と同じではないのか。都市封鎖(ロックダウン)と三蜜対策しかないというのは情けない。講演では、コロナパンデミックに遭遇して、都市災害としての被害軽減・抑止を目指す縮災対策の具体的内容を見出すことができたのでその成果を紹介する。