第22回日本救急看護学会学術集会

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教育講演

[EL8] 教育講演8

「生きることをつなぐ救急医療の現場で看護師がキャリアを積むということ」

演者 勝原裕美子(オフィスKATSUHARA 代表)

[EL8-01] 生きることをつなぐ救急医療の現場で看護師がキャリアを積むということ

○勝原 裕美子1 (1. オフィスKATSUHARA 代表)

Keywords:キャリア、救急医療、看護師

骨や臓器がむき出しになり、血液が飛び散る現場。

そもそも、そのような場に身を置きたいと思うのはなぜなのか。

かねてより、それを知りたいと思っていた。



病棟では、「よろしくお願いします」で始まり、「ありがとうございました」「お大事に」で、患者との関係がひと段落する。しかし、救急の現場では、年齢も住所も家族もわからない人が突然運び込まれて、一言も交わさない中で去っていくこともある。

そんな中で、看護師のやりがいをどう紡いでいるのか、それを知りたいと思っていた。



手技や行動などが可視化されている。つまりは、プロセスも結果もわかりやすいために、そのパフォーマンスの出来不出来に焦点が当てられがちの現場で、そこに「携わる人」の中で何が起きているのか、それを知りたいと思っていた。



基礎教育ではほとんど登場しないこの現場で、

看護師は何を考え、何を学んで、命をつなぐことに全力しているのか。



本講演では、これまで大切にしてきた「人の生涯にわたり、仕事に関連した諸処の体験や活動を通して、個人が自覚し得る態度や行動のつながり」(D.T.Hall)という“キャリア”の定義を、今回も軸にしながら、これらの長年の謎解き挑戦してみたい。



幸いなことに、新人から認定看護師まで約20名の救急看護の現場の看護師たちが協力してくれた。

どの人も、救急看護の醍醐味を語り、そこに身を置く自分を主客の両面から見せてくれた。すばらしい人たちだ。



彼(女)らのキャリアの語りから考えた

 ●救急看護に特有の学びによるキャリア形成

 ●看護師であることの中にある救急看護

 ●救急看護における患者と私

などを皆さんと共有し、学会参加者の力になれれば幸いである。