[O1-06] 救急入院の病床決定におけるNational early waring score(NEWS)の有用性の検証
Keywords:NEWS、急変リスク
【はじめに】
入院後に起こりうる問題点を予測し、緊急度・重症度を評価し病床決定が行われるよう情報提供することが求められる。重症感を感じながら病棟に入院させ、数時間後に急変する現状がある。重症度の評価指標として早期警告スコア(National early waring score以下NEWSとする)を使用することを考えた。NEWSが入院病床決定時の判断指標になり得るか、またHigh risk【7or more】群(以下High risk群とする)で、病棟入院した時の急変リスクについて検証したので報告する。
【目的】
救急入院病床決定の判断指標としてNEWSを使用することの有用性を検証する。
【研究方法】
救急入院患者100名の救急外来退室時と入院後24時間以内のスコアの変化を後ろ向き調査。特に病棟入院患者のHigh risk群の急変リスクを2群の比率の差検定で検討した。
【倫理的配慮】
所属部署管理者の許可を得て、収集した情報は 本研究目的以外に使用しない、個人が特定されないよう配慮した。
【結果】
1)対象者の属性:救急入院患者100名、男性53名(年齢, median【IQR】:76歳【69-86】)女性47名(年齢, median【IQR】:82歳【73.5-84】)。病棟入院88名、疾患は呼吸器系41%、消化器系22%、腎尿路系11%、循環器系10%、その他16%であった。ICU入院は12名で呼吸器系33.3%、消化器系16.7%、循環器系8.3%、その他41.7%であった。
2)病棟入院患者のNEWSクリニカルリスク群の分布:Low risk(0-4)群(以下Low risk群とする)48名(54.5%)、Medium risk(5-6)リスク群(以下Medium risk群とする)17名(19.3%)、High risk群23名(26.1%)
3)24時間以内のHigh risk群に急変した病棟患者の転帰:88名のうち16名(18%)がHigh risk群となり、ICU入室3名、非ICU入室13名であった。非ICU入室13名は、Low risk群4名で退院2名、死亡2名。High risk群9名は退院5名、死亡4名であった。Medium risk群は0名。一般病棟患者でのHigh risk群の急変リスクを統計処理しP値≒0.0049であった。結果は、High risk群は急変するリスクが高いと示唆された。
【考察】
自院では、High risk群7点であっても代償反応が維持され外観において呼吸、循環、意識状態に大きな異常がみられない場合、一般病棟入院になるケースが多い。しかし、7点以上で病棟入院した呼吸器系疾患の77%が急変した。NEWSは、一般病棟における24時間以内の心停止、計画外のICU入室、死亡を鑑別できる早期警告スコアであり、High risk群7点以上での感度と特異度の高さが報告されている。研究結果でもHigh risk群は、他のクリニカルリスク群と比較し急変リスクが高いことが明確になった。7点以上の一般病棟入院時は、継続したモニタリングの必要性を強調し、急変リスクが高いことを共通認する必要性がある。
【結論】
病床決定時にNEWSを利用することは、共通の指標で重症度を認識し、急変前兆を早期に捉えることができると考える。
入院後に起こりうる問題点を予測し、緊急度・重症度を評価し病床決定が行われるよう情報提供することが求められる。重症感を感じながら病棟に入院させ、数時間後に急変する現状がある。重症度の評価指標として早期警告スコア(National early waring score以下NEWSとする)を使用することを考えた。NEWSが入院病床決定時の判断指標になり得るか、またHigh risk【7or more】群(以下High risk群とする)で、病棟入院した時の急変リスクについて検証したので報告する。
【目的】
救急入院病床決定の判断指標としてNEWSを使用することの有用性を検証する。
【研究方法】
救急入院患者100名の救急外来退室時と入院後24時間以内のスコアの変化を後ろ向き調査。特に病棟入院患者のHigh risk群の急変リスクを2群の比率の差検定で検討した。
【倫理的配慮】
所属部署管理者の許可を得て、収集した情報は 本研究目的以外に使用しない、個人が特定されないよう配慮した。
【結果】
1)対象者の属性:救急入院患者100名、男性53名(年齢, median【IQR】:76歳【69-86】)女性47名(年齢, median【IQR】:82歳【73.5-84】)。病棟入院88名、疾患は呼吸器系41%、消化器系22%、腎尿路系11%、循環器系10%、その他16%であった。ICU入院は12名で呼吸器系33.3%、消化器系16.7%、循環器系8.3%、その他41.7%であった。
2)病棟入院患者のNEWSクリニカルリスク群の分布:Low risk(0-4)群(以下Low risk群とする)48名(54.5%)、Medium risk(5-6)リスク群(以下Medium risk群とする)17名(19.3%)、High risk群23名(26.1%)
3)24時間以内のHigh risk群に急変した病棟患者の転帰:88名のうち16名(18%)がHigh risk群となり、ICU入室3名、非ICU入室13名であった。非ICU入室13名は、Low risk群4名で退院2名、死亡2名。High risk群9名は退院5名、死亡4名であった。Medium risk群は0名。一般病棟患者でのHigh risk群の急変リスクを統計処理しP値≒0.0049であった。結果は、High risk群は急変するリスクが高いと示唆された。
【考察】
自院では、High risk群7点であっても代償反応が維持され外観において呼吸、循環、意識状態に大きな異常がみられない場合、一般病棟入院になるケースが多い。しかし、7点以上で病棟入院した呼吸器系疾患の77%が急変した。NEWSは、一般病棟における24時間以内の心停止、計画外のICU入室、死亡を鑑別できる早期警告スコアであり、High risk群7点以上での感度と特異度の高さが報告されている。研究結果でもHigh risk群は、他のクリニカルリスク群と比較し急変リスクが高いことが明確になった。7点以上の一般病棟入院時は、継続したモニタリングの必要性を強調し、急変リスクが高いことを共通認する必要性がある。
【結論】
病床決定時にNEWSを利用することは、共通の指標で重症度を認識し、急変前兆を早期に捉えることができると考える。