[O1-25] 救急外来を受診後に帰宅する患者への支援策についての文献検討
キーワード:救急外来、帰宅時支援、介入、文献検討
【目的】近年、国内外では救急外来を受診する患者は増加傾向であり、その半数は受診後に帰宅することができる患者(以下、救急帰宅患者とする)とされている。それらの救急帰宅患者の中には、帰宅後に、救急外来への再受診や予定外の入院/施設入所、死亡をする者もいる。そこで本研究は、救急外来を受診後に帰宅する患者に対する支援に関する介入策について、国内外の研究結果を整理し、今後の実践・研究上の示唆を得ることを目的とした。
【方法】2015年~2020年6月までに発表された文献を対象に医学中央雑誌、MEDLINEを用いて検索した。MEDLINEでは"Emergency Service, Hospital", "Transitional Care"/"Patients Discharge", "Nursing", "intervention"のMeSHを含むものをAND検索した。医学中央雑誌では、「病院救急医療サービス/TH」、「看護/TH」、「介入/AL」と、「退院支援/TH」もしくは「帰宅/AL」を含むものをAND検索した。
文献の包含基準は、①救急外来を受診後に帰宅する患者を対象として含んでいるもの、②救急外来受診時もしくはその後に介入が実施されているもの、③介入に看護職がかかわるもの、④原著論文かつ抄録のあるもの、⑤(海外文献のみ)英語で記述されたもの、とした。
【倫理的配慮】文献検討のため、該当しない。
【結果】医学中央雑誌では5本、MEDLINEでは151本が検索され、タイトルと抄録を読み、包含基準を満たす和文0本、英文15本、とを分析対象とした。研究のデザインは、RCT、準実験研究、事前-事後研究があった。出版年は2018年が7本と最も多く、国は、アメリカ8本、オーストラリア2本のほか、カナダ、アイルランド、スペイン、ベルギー、シンガポールであった。
研究対象者は、救急外来を受診した患者であり、患者の条件があるものとしては、高血圧・喘息・うっ血性心不全・糖尿病・心房粗動・頭部外傷の者、胸痛を主訴に受診した者、65歳以上/70歳以上の者、小児患者とその保護者、オピオイドが処方された者を対象に実施されていた。
介入を実施する者としては、救急スタッフの他に、老年領域での勤務経験のある看護師/チーム、Transitional Careの看護師、循環器領域専門のナースプラクティショナー、精神保健領域の看護師/チーム、喘息を専門とする看護師、オピオイドについての研修や教育法の訓練を経た看護師などが介入を実施しているものもあった。
介入内容は、救急外来受診時のスクリーニング/アセスメント、帰宅時での教育(Videoや説明書きの書面の手渡し)、帰宅後のフォローアップ(電話/SMS/自動音声応答システム/看護外来への受診)などがなされていた。帰宅時の教育内容は、疾患の説明、薬剤の知識(用法・副作用)、症状の対処法、帰宅後のプライマリケア医への予定の確認などであった。介入のアウトカムとして、救急外来への再受診、入院率、死亡率、機能低下、の他に、救急外来での滞在時間、入院期間、医療費、プライマリケア医への受診状況、疾患/症状のコントロール状況、患者の知識、満足度などが測定されていた。
【考察】日本国内では、救急帰宅患者に対する介入研究は実施されていない。海外で実施されている様々な介入方法について検討を重ね、日本の患者や医療制度に適した支援策を検討する必要がある。それらの支援内容としては、救急帰宅患者への救急受診時から、帰宅時、さらには帰宅後まで視野を広げた支援策を検討する必要があると考えられる。
【方法】2015年~2020年6月までに発表された文献を対象に医学中央雑誌、MEDLINEを用いて検索した。MEDLINEでは"Emergency Service, Hospital", "Transitional Care"/"Patients Discharge", "Nursing", "intervention"のMeSHを含むものをAND検索した。医学中央雑誌では、「病院救急医療サービス/TH」、「看護/TH」、「介入/AL」と、「退院支援/TH」もしくは「帰宅/AL」を含むものをAND検索した。
文献の包含基準は、①救急外来を受診後に帰宅する患者を対象として含んでいるもの、②救急外来受診時もしくはその後に介入が実施されているもの、③介入に看護職がかかわるもの、④原著論文かつ抄録のあるもの、⑤(海外文献のみ)英語で記述されたもの、とした。
【倫理的配慮】文献検討のため、該当しない。
【結果】医学中央雑誌では5本、MEDLINEでは151本が検索され、タイトルと抄録を読み、包含基準を満たす和文0本、英文15本、とを分析対象とした。研究のデザインは、RCT、準実験研究、事前-事後研究があった。出版年は2018年が7本と最も多く、国は、アメリカ8本、オーストラリア2本のほか、カナダ、アイルランド、スペイン、ベルギー、シンガポールであった。
研究対象者は、救急外来を受診した患者であり、患者の条件があるものとしては、高血圧・喘息・うっ血性心不全・糖尿病・心房粗動・頭部外傷の者、胸痛を主訴に受診した者、65歳以上/70歳以上の者、小児患者とその保護者、オピオイドが処方された者を対象に実施されていた。
介入を実施する者としては、救急スタッフの他に、老年領域での勤務経験のある看護師/チーム、Transitional Careの看護師、循環器領域専門のナースプラクティショナー、精神保健領域の看護師/チーム、喘息を専門とする看護師、オピオイドについての研修や教育法の訓練を経た看護師などが介入を実施しているものもあった。
介入内容は、救急外来受診時のスクリーニング/アセスメント、帰宅時での教育(Videoや説明書きの書面の手渡し)、帰宅後のフォローアップ(電話/SMS/自動音声応答システム/看護外来への受診)などがなされていた。帰宅時の教育内容は、疾患の説明、薬剤の知識(用法・副作用)、症状の対処法、帰宅後のプライマリケア医への予定の確認などであった。介入のアウトカムとして、救急外来への再受診、入院率、死亡率、機能低下、の他に、救急外来での滞在時間、入院期間、医療費、プライマリケア医への受診状況、疾患/症状のコントロール状況、患者の知識、満足度などが測定されていた。
【考察】日本国内では、救急帰宅患者に対する介入研究は実施されていない。海外で実施されている様々な介入方法について検討を重ね、日本の患者や医療制度に適した支援策を検討する必要がある。それらの支援内容としては、救急帰宅患者への救急受診時から、帰宅時、さらには帰宅後まで視野を広げた支援策を検討する必要があると考えられる。