第22回日本救急看護学会学術集会

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一般演題

COVID-19

[O10] 一般演題10

[O10-06] 重症COVID-19症例をICU経験のないスタッフと闘うために~V-VECMO導入動画~

○小川 奈奈1、後小路 隆1、九十九 俊充1 (1. 社会医療法人 陽明会 小波瀬病院)

Keywords:動画マニュアル、看護教育、重症COVID-19

【はじめに】A病院は福岡県にあり医療圏内に3次救急医療施設のない2次救急医療施設である。今回新型コロナウイルス感染拡大に伴い、4/7の初回緊急事態宣言からA病院でも早急にCOVID-19患者対応準備が進められ4/1からICUをCOVID-19患者対応病棟と編成しなおし、対応スタッフを院内看護部から希望者を募り、体制を整えていた。しかし、中にはICU経験のないスタッフやICU経験はあるものの、異動になって年月が経っているスタッフもおり、ECMO管理をすることに懸念と不安があった。そこで今回A病院では、実患者受け入れ前の準備期間にV-VECMO導入マニュアルを動画で作成した。動画学習で手技や流れを共有することとシミュレーションを併用し、患者対応の教育を行い、その教育効果について検討したので報告する。
【目的】V-VECMO導入マニュアルを動画作成し視覚的効果を得ることで、ECMO管理をしたことのないスタッフの処置介助への不安を軽減する。
【方法】COVID-19担当看護師に動画での自己学習後、シミュレーションを実施し、①動画を見た感想②介助を行える自信が付いたか③動画教育の課題、を中心にインタビューを行った。
【倫理的配慮】A病院看護部の承認を得て実施した。
【結果】現役ICUスタッフ:8名、ERスタッフ:2名、一般病棟スタッフ:5名(内ICU経験者2名)、OPRスタッフ:1名に動画で自己学習を行ってもらった。以後日勤帯で、業務の合間を利用しその日の勤務者でシミュレーションを行った。シミュレーションを行いながらの確認で、現役ICUスタッフからも「改めて勉強になった」や「知識、手技の整理ができた」という声が聴かれ、一般病棟スタッフからも「動画で見れたことで流れが分かったので、初めてでもイメージが沸いた」や「何回も見れるので確認しやすい」などの意見が聞かれた。またシミュレーションも行ったことで「動画で見て学んでも、実際にしてみないと分からないのでシミュレーションをしたことでより深まった」との声が聴かれた。ICUスタッフからは、「コロナ対応のために作った動画だが、今後のICUスタッフ教育や新人教育にも有用である」との意見があった。動画教育の課題については「イメージはついたが、実際の介助については不安がある」との意見があった。
【考察】近年、文部科学省が「ITを活用した教育の効果の明確化」を掲げている。また技術の習得に、映像を用いた学習が有効であることはよく知られ、看護学領域でも多くの教材が利用されている。今回、初めてECMO管理をするスタッフの教育も含めて動画教材を作成したが、動画にすることでよりリアルに現場が想像でき、また実際の手技の流れが見れることで初めてのスタッフにも理解が深かったと考えられる。また動画であるため何度も繰り返し見れることで、復習に役立った。見るだけでは理解できているつもりでも、実際にできないことも多いが、動画学習の後にシミュレーションを実施したことで、現実の介助方法への理解につながったと考える。世界が驚愕した未曽有の事態に、過疎地の2次救急施設で実患者を受け入れるために火急に取り組んだ内容ではあったが、ある程度の学習効果は得られたと考える。
【結語】動画作成を行い、視覚効果を得た事は一定の学習効果につながった。実症例が入院する事はなかったため、有意義な学習ツールになったかは今後の検討課題である。