第22回日本救急看護学会学術集会

講演情報

一般演題

COVID-19

[O10] 一般演題10

[O10-07] Covit-19を受け入れたA病院高度救命救急センター病棟の対応

○町田 真弓1 (1. 前橋赤十字病院)

キーワード:COVID-19、業務マニュアル

Ⅰ.はじめに

 A病院は第二種感染症指定医療機関であり、6床の陰圧病床を有している。また感染病床の他、高度救命救急センターの集中治療室に2床、病棟に2床の陰圧室がある。今回の新型コロナウイルスCOVID-19陽性患者を受け入れることにあたり、業務やケア方法の構築が急務となった。看護部・感染管理室の対応マニュアルをもとに、救命救急センターでの受け入れ準備・救急外来や感染症病床との連携方法、患者対応のシステムを構築した結果を振り返る。

Ⅱ.倫理的配慮:A病院看護部にまとめと発表について許可を得た。

Ⅲ.対象施設

 基幹災害拠点病院、高度救命救急センター、地域医療支援病院等機能を有する。

 A病院高度救命救急センター病棟

  病床数24床の病棟2病棟計48床、うち1病棟に陰圧室2床を有している。20時からはオーバーナイトを含めた救急外来からの入院患者を受け入れている。

救命救急センター病棟へ入院するCOVID-19関連での陰圧室管理となる対象

 1) COVID-19偽陽性患者

 2)15時入院以降のPCR陽性患者

Ⅳ.結果

1.看護部の対応
 1月より感染管理室と協働でCOVID-19受け入れ手順の作製と患者対応と入院部署とのミーティングの調整、受け入れシミュレーションの実施を行う。随時最新の情報を基に、対応手順の刷新と各病棟への提示、看護部門が対応に必要な情報集約と共有ファイルの整備を行う。

2.救命救急センター病棟での対応

 看護部・感染管理室からの情報を基に、環境調整(前室や廃偽物の導線確 認)や必要物品を準備する。室内と病棟内の連絡用のデバイスの準備と作動確認を実施する。防護用品の準備と着離脱シミュレーションなどスタッフ教育と実際の動作確認をする。COVID-19対応の入院時は入院対応数を2ベッドの減床によるスタッフへ業務負担減少を図る。減床時にはもうひとつの救命救急センター病棟への情報提供、入院可能ベッド数を共有と協力体制の確認を行う。救命救急センター病棟における業務マニュアル作成、別センター病棟へも同様に配置する。死亡退院時の救命救急センター全体でのシミュレーションの実施と2病棟での協力体制の確認を行う。院内のメンタルケアの対策と相談可能な体制について提示する。
3.院内体制の変化

 「新型コロナウィルス感染症対策室」の開設と院内ポータルでの情報発信、院内ホームページの専用ページでの情報が集約化される。困り事などの問い合わせ先の一元化により、問題の明確化と早期に対応されるようになる。

Ⅴ.まとめ

 看護部と感染管理室との連携で受け入れ部署での準備や対応を行い、より分かりやすいように病棟業務マニュアルを作成した。マニュアルを基に対応することができたが、今後の第2波や3波の患者数の増加や重症度により対応に困難を生じることが考えられる。通常の救命救急センターとしての役割を果たしながら、COVID-19関連に柔軟に対応できるよう検討していく必要がある。