第22回日本救急看護学会学術集会

講演情報

一般演題

医療安全

[O11] 一般演題11

[O11-08] 自動カフ圧コントローラでの管理中にパイロットバルーン内の結露とカフリークトラブルが発生した3症例

○米倉 修司1、三宅 千鶴子1 (1. 大阪府三島救命救急センター看護部)

キーワード:カフ圧管理、自動カフ圧コントローラ、気道管理

【背景】A救命救急センターは2015年7月よりVAP予防の一環として全症例に自動カフ圧コントローラによる人工気道のカフ圧管理を行っている.当初カフの素材はポリ塩化ビニル(PVC)製の気管チューブを使用していたが,シーリング効果の高さから,カフの素材をポリウレタン(PU)製の気管チューブへ変更した.変更後の人工呼吸管理において,パイロットバルーンとカフ圧ライン内に結露貯留を3症例に続けて認め,症例によってはカフリークも発生した.【倫理的配慮】本報告はA救命救急センターの倫理委員会の承認を得て実施した.【臨床経過】症例1 78歳男性. CPAのROSC後の人工呼吸管理で,低体温療法を行っていた. 2病日目よりパイロットバルーンとカフ圧ライン内に結露が確認され,同時に体位によってカフリーク所見を認めた.首のポジショニングによりカフリークは改善された.症例2 57歳男性.急性心筋梗塞によるCPAのROSC後で,低体温療法を行っていた.3病日目より結露が確認され,一回換気量のモニタリングから100~150mlのカフリークが認められた.カフ圧設定の変更を実施したが,カフリークの改善は認めなかった.症例3 72歳男性.出血性脳梗塞で開頭血腫除去術後に,人工呼吸管理が行われた.2病日目より結露が確認されたが,カフリークの所見は認めなかった.PU製の気管チューブに変更後,パイロットバルーン内の結露発生と,2症例においてはカフリークトラブルも発生したため,同気管チューブの使用は中止し,PVC製の気管チューブに再度変更した.PVC製に変更後は,結露や原因不明のカフリークトラブルの発生は認めていない.一連のトラブルに関しては取り扱いメーカーで調査を行ったが,明らかな原因は不明という報告であった.【結論】自動カフ圧コントローラでの管理については,パイロットバルーンとカフ圧ラインの結露発生の有無とカフリーク所見の有無を評価しながら使用することが必要である.