[O15-07] A病院で勤務する救急救命士のモチベーション維持に関する報告
キーワード:救急救命士、モチベーション
1.目的
A病院は2018年度より外来の人員として、3名の救急救命士(以下救命士とする)を採用している。しかし、救命士は現在の救急救命士法により、病院で働く上で資格の有効活用に限界がある。このような状況下において、救命士が病院で働くためには、モチベーションの維持は必要である。先行文献でも救急救命士のモチベーション維持に関する報告はみられなかった。よって、当病院の救命士のモチベーションを維持する要因を検証、現在の活動内容を評価し、今後の一助としたい。
2.実施方法
期間:2019年9月~11月
対象者:A病院所属の救命士3名
方法:半構造化インタビュー
分析方法:インタビュー内容から逐語録を作成、質的統合法に基づきコードを整理し帰納的に分類しカテゴリー化した。
3.倫理的配慮
院内倫理委員会の承認を得て、協力は対象者の自由参加とし、得たデータは本研究以外に使用しないことを文章で説明した。また個人が特定できないよう配慮した。
4.結果
対象者のインタビューから3つのカテゴリー【】と9つのサブカテゴリー<>が抽出された。
①【新たな学びがある時】<外来の診療補助を行うことで医療知識が増え細かいところまで学べるのがモチベーションのアップに繋がる><消防では分からないインホスピタルの転機を追えるのが勉強になる><院内で患者の処置方法を学べることは、勉強になり今後に役立つ><スキルアップできること><救急外来での学びは実際に現場へ行った時に役立つ>
②【責任ある仕事を任せられた時】<転送業務は自分一人で実践でき、仕事を任せられたと感じる><BLS教育に関わり、他職種への指導を任せられたと感じる>
③【学んだことが活かされている時】<自分の学んだ知識や技術が活かせると感じる><指導したことで相手が知識を習得してもらえたと思った時にやりがいを感じる>
5.考察
インタビュー結果より抽出された3つのカテゴリー別に考察する。
①【新たな学びがある時】は、救命士をインホスピタルで採用する上でまずは、看護師資格がなくても救命士が実践できる業務一覧表を作成した。そして、それらの業務内容を明確にしてマニュアルも作り上げた。入職後は救急外来の業務を主として指導し徐々に受け持ちも行えるようにした。その事は消防では経験できない救急搬送後院内での観察・検査・治療・入院までの流れを把握することに繋がった。その後、全科の診療補助業務の業務範囲の拡大も行った。これらの業務の到達値を可視化するためのチェックリストも作成し活用した。このことが結果、新たな学びに繋がったと考察する。
②【責任ある仕事を任せられた時】に関しては、救命士の知識・技術を活用できる院内BLS研修のリーダーの役割を担わせ、現在企画・運営・評価まで実践させている。また救命士本来の業務である当病院救急車の搬送業務を任せたこと、そのことが結果責任ある仕事を任せられたに至ったと考えられる。このことは、マズローの自己実現5段階の欲求に繋がったと考察する。
③【学んだことが活かされている時】については、新人救命士の育成としてプリセプター制度を導入した。救命士自らが教育計画を立案し、チェックリストを用いて進捗状況を確認していった。また、リアリティショックを回避するために頻回に面談も行った。そして、新人の成長を自ら評価することが、学んだことが活かされたことに繋がったと考察する。
A病院は2018年度より外来の人員として、3名の救急救命士(以下救命士とする)を採用している。しかし、救命士は現在の救急救命士法により、病院で働く上で資格の有効活用に限界がある。このような状況下において、救命士が病院で働くためには、モチベーションの維持は必要である。先行文献でも救急救命士のモチベーション維持に関する報告はみられなかった。よって、当病院の救命士のモチベーションを維持する要因を検証、現在の活動内容を評価し、今後の一助としたい。
2.実施方法
期間:2019年9月~11月
対象者:A病院所属の救命士3名
方法:半構造化インタビュー
分析方法:インタビュー内容から逐語録を作成、質的統合法に基づきコードを整理し帰納的に分類しカテゴリー化した。
3.倫理的配慮
院内倫理委員会の承認を得て、協力は対象者の自由参加とし、得たデータは本研究以外に使用しないことを文章で説明した。また個人が特定できないよう配慮した。
4.結果
対象者のインタビューから3つのカテゴリー【】と9つのサブカテゴリー<>が抽出された。
①【新たな学びがある時】<外来の診療補助を行うことで医療知識が増え細かいところまで学べるのがモチベーションのアップに繋がる><消防では分からないインホスピタルの転機を追えるのが勉強になる><院内で患者の処置方法を学べることは、勉強になり今後に役立つ><スキルアップできること><救急外来での学びは実際に現場へ行った時に役立つ>
②【責任ある仕事を任せられた時】<転送業務は自分一人で実践でき、仕事を任せられたと感じる><BLS教育に関わり、他職種への指導を任せられたと感じる>
③【学んだことが活かされている時】<自分の学んだ知識や技術が活かせると感じる><指導したことで相手が知識を習得してもらえたと思った時にやりがいを感じる>
5.考察
インタビュー結果より抽出された3つのカテゴリー別に考察する。
①【新たな学びがある時】は、救命士をインホスピタルで採用する上でまずは、看護師資格がなくても救命士が実践できる業務一覧表を作成した。そして、それらの業務内容を明確にしてマニュアルも作り上げた。入職後は救急外来の業務を主として指導し徐々に受け持ちも行えるようにした。その事は消防では経験できない救急搬送後院内での観察・検査・治療・入院までの流れを把握することに繋がった。その後、全科の診療補助業務の業務範囲の拡大も行った。これらの業務の到達値を可視化するためのチェックリストも作成し活用した。このことが結果、新たな学びに繋がったと考察する。
②【責任ある仕事を任せられた時】に関しては、救命士の知識・技術を活用できる院内BLS研修のリーダーの役割を担わせ、現在企画・運営・評価まで実践させている。また救命士本来の業務である当病院救急車の搬送業務を任せたこと、そのことが結果責任ある仕事を任せられたに至ったと考えられる。このことは、マズローの自己実現5段階の欲求に繋がったと考察する。
③【学んだことが活かされている時】については、新人救命士の育成としてプリセプター制度を導入した。救命士自らが教育計画を立案し、チェックリストを用いて進捗状況を確認していった。また、リアリティショックを回避するために頻回に面談も行った。そして、新人の成長を自ら評価することが、学んだことが活かされたことに繋がったと考察する。