第22回日本救急看護学会学術集会

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一般演題

終末期医療

[O6] 一般演題6

[O6-01] A病院HCUにおける終末期医療への方針転換の看護師の参画の現状と課題

○阿部 哲郎1 (1. 地方独立行政法人 明石市立市民病院)

Keywords:終末期医療 意思決定 ジレンマ 

【はじめに】救急や集中治療領域では、急性重症患者の救命を目的とした医療を提供することが使命である。しかし、高度な治療を行っても救命不可能な状態に陥る場合があり、1998年に起きた生命維持装置取り外し事件や臓器移植法案の改定を契機に、救急・集中治療領域における終末期医療について議論されるようになった。救急・集中治療領域の終末期の特徴として、短期間の間に突発的に患者の死が切迫した状況に至ることがあり、その意思決定は、患者家族が代理で行うことが多い。そこで、A病院HCUで勤務する看護師が終末期医療に方針転換する場面での参画の状況と、どのようなジレンマや課題を抱えているのかを明らかにしたいと考えた。
【方法】A病院HCUに勤務する看護師(管理職・研究者を除く対象者19名)を対象に、無記名自記式質問紙調査を用いた実態調査を行った。質問内容は5段階尺度と自由記載として、内容の分析を行った。
【倫理的配慮】対象者へ本研究の趣旨と内容を文書と口頭で説明し、研究の同意について質問紙での同意の回答が得られたものについて調査した。A病院看護部倫理委員会の審査を受け、承認を得た上で行った。
【結果】アンケート回収率は94.7%であった。終末期医療に方針転換する場面での医師から患者家族への説明の場に78%の看護師は同席したことがあると回答しており、その理由として、「患者家族の理解や反応の確認」、「医師の治療方針の把握のため」であった。終末期医療への方針転換の場面で看護師の意見や考えを発言する場があるかの質問には、どちらともいえない・あまり思わないとの回答が65%、看護師の意見が反映されているかの質問には、どちらともいえない・あまり思わないとの回答が94%となった。発言の場がない・意見が反映されていないと考える理由に「医師とのカンファレンスができていない」という意見が散見された。
【考察】看護師の関わりや支援が不十分だと感じたときにジレンマを抱えやすく、医師を含めた多職種間の情報共有の場が少ないことが、医師との価値観の違いを生み出していると考える。看護師は患者家族の特徴を経験的に理解しているが、意思決定支援に関する教育が不足していることや積極的に支援した場合であっても、デブリーフィングの機会が不十分なことが意思決定支援に対する消極的な考えに至ったと考える。
【結論】看護師は、患者の生死に直結する重大な決断を行う患者家族の負担や立場を理解しようと考えているが、具体的な支援の方法が見いだせずジレンマを抱いていた。