第22回日本救急看護学会学術集会

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パネルディスカッション

[PD1] パネルディスカッション1

『救急看護の今とこれから』

座長 藤原 正恵(大阪青山大学 健康科学部看護学科 教授)
   山﨑 早苗(東海大学医学部付属病院 看護部 看護師長)

[PD1-01] フライトナースの未来を考える

○高野 裕子1 (1. 和歌山県立医科大学附属病院 )

Keywords:フライトナース、少子高齢化、山間部、へき地

 和歌山県ドクターヘリは2003年1月から運航を開始し17年目を迎えています。運航開始当初は、運航実績のある施設見学、助言をいただきながら手探りで運航を開始しました。初期スタッフは、看護実践経験のあるメンバーで構成されており、マニュアルが不十分でも臨機応変に対応できる能力があり、その能力に助けられていた部分も多かったです。各スタッフの経験の共有や他施設の取り組み等を取り入れ、試行錯誤を繰り返し自施設にあったマニュアルや教育プログラムを作成し実践活動を行ってきました。初期スタッフは他部署へ異動し、フライトナースにあこがれ入職した若いスタッフに代わっていますが、マニュアルの修正、教育を継続し大きなインシデントの発生なく現在に至っています。

 和歌山県の高齢人口比率は32.0%、全国9位です。運航件数は年々増加傾向にありますが、その中でも高齢者の占める割合は高くなり、山間部やへき地などの独居高齢者患者の搬送が増えることが予測されます。運航件数の増加や装備品の追加により、業務が繁忙になりスタッフの疲弊は高くなりますが、安全管理の徹底と看護実践の質を確保する必要があります。救急看護の提供システムの中でフライトナースだからできる実践活動、それに必要な教育、他の提供システムとの連携についてディスカッションする機会としたいと考えます。