[PD3-04] 119番の危機~和歌山二次医療圏・急性期病院の救急医療体制の現状と課題~
Keywords:救急医療体制、救急搬送、少子高齢化
平成29年中の救急車による救急出動件数は、過去最高の634万2,147件に達し、増加傾向が続いている。平成28年度に行った将来推計によると、高齢化の進展等により救急需要は今後とも増大する可能性が高いことが示されており、救急活動時間の延伸を防ぐとともに、これに伴う救命率の低下を防ぐための対策が必要である(平成30年消防白書)。
和歌山二次医療圏においても救急搬送数は10年前と比較し、約1.2倍に増加し、高齢者割合も48.8%から59.2%と高くなっている。高齢者だけではなく、頻回利用や軽症者利用の問題もあると考え、救急車の適正利用について検討する必要がある。和歌山県においても人口減少や高齢化率の上昇、社会的背景に何らかの問題があり、救急車の適正利用に大きな課題を抱えていると考えられる。
和歌山二次医療圏にある当センターの2019年の救急受診者数は、22,784件(救急搬送7,480件、自己来院14,538件、その他766件)であった。2009年から救急受診数は2012年をピークに減少したが、2015年からは横ばいである。入院率は増加し、2019年では31.6%となっている。救急受診後の入院は、6,025人であり、入院患者数の28.1%を占めている。救急入院の傷病区分は外因性38%、内因性62%である。外因性の詳細は頭部外傷21%、体幹部外傷10%、四肢外傷15%が主である。内因性の詳細は消化器系疾患30%、呼吸器系疾患21%、脳神経系疾患18%、循環器系疾患が17%となっている。救急入院患者の主傷病名大分類をみると、循環器系疾患、呼吸器疾患、腎尿路生殖器系疾患が多く、後期高齢者(75歳以上)層でも増加している。これらの患者の背景や疾患について分析し、課題について検討した。
今回のパネルディスカッションで「119番の危機」だけではなく、現在の救急医療体制について検討できればと考える。
和歌山二次医療圏においても救急搬送数は10年前と比較し、約1.2倍に増加し、高齢者割合も48.8%から59.2%と高くなっている。高齢者だけではなく、頻回利用や軽症者利用の問題もあると考え、救急車の適正利用について検討する必要がある。和歌山県においても人口減少や高齢化率の上昇、社会的背景に何らかの問題があり、救急車の適正利用に大きな課題を抱えていると考えられる。
和歌山二次医療圏にある当センターの2019年の救急受診者数は、22,784件(救急搬送7,480件、自己来院14,538件、その他766件)であった。2009年から救急受診数は2012年をピークに減少したが、2015年からは横ばいである。入院率は増加し、2019年では31.6%となっている。救急受診後の入院は、6,025人であり、入院患者数の28.1%を占めている。救急入院の傷病区分は外因性38%、内因性62%である。外因性の詳細は頭部外傷21%、体幹部外傷10%、四肢外傷15%が主である。内因性の詳細は消化器系疾患30%、呼吸器系疾患21%、脳神経系疾患18%、循環器系疾患が17%となっている。救急入院患者の主傷病名大分類をみると、循環器系疾患、呼吸器疾患、腎尿路生殖器系疾患が多く、後期高齢者(75歳以上)層でも増加している。これらの患者の背景や疾患について分析し、課題について検討した。
今回のパネルディスカッションで「119番の危機」だけではなく、現在の救急医療体制について検討できればと考える。