第23回日本救急看護学会学術集会

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第23回日本救急看護学会学術集会 [指定演題] » 交流集会

[EM4] [交流集会4] ドクターカーナースの暫定的教育プログラムの将来構想~今求められるドクターカーナースの役割~

2021年10月23日(土) 10:40 〜 12:10 ライブ3

座長:佐々 智宏(日本救急看護学会プレホスピタル委員会)、神谷 弥生(半田市半田病院)

11:10 〜 11:30

[EM4-03] 中山間地救急二次病院の乗用車型ドクターカー看護師業務の紹介

プレホスピタルケア 委員会、○間渕 則文1 (1. 中津川市民病院 病院前診療科部長)

キーワード:二次救急医療、乗車型ドクターカー、看護師業務

病院前救急診療を行う場合のツールはドクターヘリとドクターカーによる場合がほとんどであるが、全国で公的な運用がされているヘリに比べてドクターカーは運用医療機関ごとに様々な形態があり、例えば対象事案を急性冠症候群に特化したもの、重症外傷専門チーム、小児ドクターカー、あるいは開業医家が消防の求めに応じて緊急往診に出場する場合もある。運用時間についても365日24時間というチームも増えては来ているが、平日日中のみであったり、反対にヘリチームが日没後にドクターカーを走らせている病院もある。そのような状況の中で、ドクターカー看護師の業務は、運用形態により実にさまざまであることが予想されるが、その全体像はまだ明らかになっていないのが現状と思われる。

当院のドクターカーは、病院前救急診療科として独立したチームで常時運用している。医師2名、特定看護師3名で、看護師は月に15日は当直として休日夜間も同乗している。ルーチン業務は毎朝の始業点検(車両と医療資器材、無線通信)、運用体制の消防との調整連絡、週に二日、一名は当科医師の麻酔業務の支援となっている。出場時業務は、車両の運転(一般緊急自動車運転技能者)、あるいは消防各隊との通信担当(第三級陸上特殊無線技士)、安全確保の広報業務、収容先病院との連絡調整(事前管制、かかりつけ、既往などの確認)、現場到着後には、最先着の場合には安全確保業務、複数傷病者がいる場合にはトリアージ、医師の診療補助、家族や関係者、他組織からの情報収集、傷病者や家族の精神援助、特定行為(医行為)の実施、診療録(情報提供書)の作成、収容病院への医師間情報以外の追加提供、など多岐にわたる。収容病院到着後は看護師の申し送りを行うが、当院に収容した場合には初療の応援看護業務も行っている。

当科では休日夜間の一部で看護師同乗のない医師のみのワンマンオペレーションも行っており、看護師支援有無の比較についても一部データを供覧して有用性を指摘したい。