[OD401-05] DMTA隊員育成プログラム作成のためのレディネスの実態
Keywords:DMAT、災害医療、訓練
目的
当院は災害拠点病院に指定されており、災害急性期において質の高い医療を提供する義務があり、栃木県DMATに登録されている。当院のDMAT隊員看護師の7割が救命救急センターに在籍しており、災害看護の質が高いとされている。災害拠点病院である当院のDMAT隊員看護師の災害医療に対するスキルを維持、向上させるために必要なレディネス(災害医療に対する知識や経験、出動に向けての準備状況、モチベーション維持のために行っている行動、努力していること)の実態を調査する。
方法
研究デザイン:質的記述的研究
研究対象:当院に勤務するDMAT隊員7名
データ収集内容
同意の得られた対象者に個別にインタビューを行う。インタビューは半構造化インタビューとした。
データの分析方法
インタビューの内容は逐語録を作成しコード化する。類似性を考慮してカテゴリーに変換した上で、それらの関連性を検討し、比較、分析した。分析過程において信頼性を確保するために、KH coder を使用してテキストマイニングを行った。また、質的研究に精通したスーパーバイズを受けた。
結果
研究参加者の9割がDMAT取得の動機は災害医療への興味関心であり、JPTEC、JNTEC受講済であることが分かった。個別に特別な学習はほとんどしていないが日々の業務の中での経験や学びを振り返っていることが多かった。被災地での出動経験のある隊員は全体のおよそ3割程度であることがわかった。全員が今後もDMAT活動の継続の意思を示しており、被災地への出動を望んでいる。そのためには日頃の訓練が重要であり、チームでの定期的な体験型訓練が必要であると考えていることが明らかになった。
考察
当院のDMAT隊員看護師の過半数が救急病棟に所属しており、今回の研究参加者のほとんどがDr car乗務を兼任している。従って、院外救護活動に有意なJPTECや外傷初期診療の要であるJNTECなどの講習を自主的に受講しているスタッフが多かった。また、救急部での業務の一環として初期診療に携わる機会が多い。個別に特別な学習をしているということはないが、日常の業務の中での学びや経験を振り返ることで知識やスキルを定着させていると考えられる。DMAT隊員としての被災地への出動経験がない隊員が過半数を超えるが、日常業務を災害時に活かせるようイメージトレーニングしていることがわかった。精神面においては元より、DMATを志願する上で被災地での過酷な活動に対する覚悟が備わっていることがわかった。従って、出動経験の有無に関わらず、出動後のPTSDに悩まされることも、出動前の不安に苛まれることもないことがわかった。今後、DMAT隊員のスキルの維持、向上に向けた学習方法に関しては、机上学習に加え、体感型学習が効果的であると考えていることがわかった。また、忘却を防ぎ、出動時の即戦力となるためには、反復学習が必要だと考えていることが多数であった。全員がDMAT隊員としての活動の継続意思があり、その理由として、使命感や人の役に立ちたいと言う強い意思によるものであり、そのことが自発的に学習することにつながっていると考えられる。
倫理的配慮
自治医科大学附属病院臨床研究等倫理審査委員会の承認を受けた。
当院は災害拠点病院に指定されており、災害急性期において質の高い医療を提供する義務があり、栃木県DMATに登録されている。当院のDMAT隊員看護師の7割が救命救急センターに在籍しており、災害看護の質が高いとされている。災害拠点病院である当院のDMAT隊員看護師の災害医療に対するスキルを維持、向上させるために必要なレディネス(災害医療に対する知識や経験、出動に向けての準備状況、モチベーション維持のために行っている行動、努力していること)の実態を調査する。
方法
研究デザイン:質的記述的研究
研究対象:当院に勤務するDMAT隊員7名
データ収集内容
同意の得られた対象者に個別にインタビューを行う。インタビューは半構造化インタビューとした。
データの分析方法
インタビューの内容は逐語録を作成しコード化する。類似性を考慮してカテゴリーに変換した上で、それらの関連性を検討し、比較、分析した。分析過程において信頼性を確保するために、KH coder を使用してテキストマイニングを行った。また、質的研究に精通したスーパーバイズを受けた。
結果
研究参加者の9割がDMAT取得の動機は災害医療への興味関心であり、JPTEC、JNTEC受講済であることが分かった。個別に特別な学習はほとんどしていないが日々の業務の中での経験や学びを振り返っていることが多かった。被災地での出動経験のある隊員は全体のおよそ3割程度であることがわかった。全員が今後もDMAT活動の継続の意思を示しており、被災地への出動を望んでいる。そのためには日頃の訓練が重要であり、チームでの定期的な体験型訓練が必要であると考えていることが明らかになった。
考察
当院のDMAT隊員看護師の過半数が救急病棟に所属しており、今回の研究参加者のほとんどがDr car乗務を兼任している。従って、院外救護活動に有意なJPTECや外傷初期診療の要であるJNTECなどの講習を自主的に受講しているスタッフが多かった。また、救急部での業務の一環として初期診療に携わる機会が多い。個別に特別な学習をしているということはないが、日常の業務の中での学びや経験を振り返ることで知識やスキルを定着させていると考えられる。DMAT隊員としての被災地への出動経験がない隊員が過半数を超えるが、日常業務を災害時に活かせるようイメージトレーニングしていることがわかった。精神面においては元より、DMATを志願する上で被災地での過酷な活動に対する覚悟が備わっていることがわかった。従って、出動経験の有無に関わらず、出動後のPTSDに悩まされることも、出動前の不安に苛まれることもないことがわかった。今後、DMAT隊員のスキルの維持、向上に向けた学習方法に関しては、机上学習に加え、体感型学習が効果的であると考えていることがわかった。また、忘却を防ぎ、出動時の即戦力となるためには、反復学習が必要だと考えていることが多数であった。全員がDMAT隊員としての活動の継続意思があり、その理由として、使命感や人の役に立ちたいと言う強い意思によるものであり、そのことが自発的に学習することにつながっていると考えられる。
倫理的配慮
自治医科大学附属病院臨床研究等倫理審査委員会の承認を受けた。