[OD504-03] 小児重症患者対応のシミュレーション教育の効果
Keywords:シミュレーション教育、小児看護、救急外来
Ⅰ.目的
シミュレーション教育を定期的に開催することで、小児重症患者の受け入れに対する看護師の不安が軽減し、受け入れ準備をスムーズに行うことができ、シミュレーション教育効果を明らかにする。
Ⅱ.方法
2020年10月31日~11月30日の期間に救命救急センター外来の看護師19名に前年度作成した「重症小児対応チェックリスト」を用いてシミュレーション教育を実施した。受け入れ準備時間の計測や終了後に評価の振り返りを行った。シミュレーション後にアンケートを実施し、小児患者の対応に関する不安を6段階評価、シミュレーション教育の感想や前回との比較、受け入れに関する不安の変化についてアンケートを実施し、シミュレーションの評価結果、アンケート結果を単純集計した。倫理的配慮として本研究への参加の可否は自由意志であり、対象者への意義・目的、中断・撤回が任意にできることを書面で説明した。また、研究に同意しなかった場合も教育には参加できることを説明した。収集したデータは研究以外に使用せず、質問紙は無記名で行った。
Ⅲ.結果
本研究の対象者に、対象者19名全員に同意を得ることができ、前年度のシミュレーション教育の実施者は19名中14名(73.7%)だった。受け入れ準備にかかった時間は平均6分59秒だった。前年度シミュレーションで低評価だった項目のうち今年度改善が見られていたのは「PATの観察項目」「体型に合った薬剤や使用物品」「骨髄針の位置」「ジャクソンリースの準備」「挿管チューブのサイズ確認」だった。「保温、更衣、オムツの準備」「挿管時の肩枕の準備」「聴診器の準備」は前年度と変わらず低評価のままだった。
アンケートの回収率は19名中16名(84.2%)だった。小児患者の対応に関しての不安を0(不安はない)~5(不安が強い)の尺度で示してもらった結果、不安がある(3~5)と回答した看護師は8割以上いた。シミュレーションの感想や前回との比較では、「不安が軽減された」「思い出した」などほぼ全ての回答で肯定的な意見が聞かれた。受け入れに関する不安の変化については「受ける前より少し不安は軽減された」「不安は常に感じる」「実際に来ると怖いなと思った」などが挙がった。
Ⅴ.考察
前年度シミュレーション教育で低評価だった項目のフィードバックを行い、各々が意識することが出来、大幅な評価の上昇があったと考えられる。しかし、低評価のままであった項目もあり、物品の収納場所が原因の一つだと考えられるため収納場所の検討を行う必要がある。小児患者の対応に関して、8割以上の看護師が不安を持っている。シミュレーションの感想や前回との比較では、肯定的な意見が多く聞かれたこと、前回より総合的にシミュレーションの評価が上がっていたためシミュレーション教育の効果はあったと考えられ、定期的に開催する意義があると考えられる。受け入れに関する不安の変化についてシミュレーション後、不安が軽減している意見もあったが、一方で不安に変化はなく、実際を想定して怖くなったという意見も聞かれ、必ずしも不安が軽減するとは言えないことが分かった。しかし、シミュレーション教育を継続し経験を重ねることにより、不安の軽減に繋がる効果が期待される。
Ⅵ.結論
小児重症患者対応には多くの看護師が不安を感じていることが分かった。シミュレーション教育のみですべての看護師の不安を取り除くことは難しいが、シミュレーション教育を繰り返し行うことで受け入れ準備がスムーズとなり、知識や技術の確認ができ、結果として自信がつくことが不安の軽減に繋がると考えられるため、今後も定期的にシミュレーション教育行っていきたい。
シミュレーション教育を定期的に開催することで、小児重症患者の受け入れに対する看護師の不安が軽減し、受け入れ準備をスムーズに行うことができ、シミュレーション教育効果を明らかにする。
Ⅱ.方法
2020年10月31日~11月30日の期間に救命救急センター外来の看護師19名に前年度作成した「重症小児対応チェックリスト」を用いてシミュレーション教育を実施した。受け入れ準備時間の計測や終了後に評価の振り返りを行った。シミュレーション後にアンケートを実施し、小児患者の対応に関する不安を6段階評価、シミュレーション教育の感想や前回との比較、受け入れに関する不安の変化についてアンケートを実施し、シミュレーションの評価結果、アンケート結果を単純集計した。倫理的配慮として本研究への参加の可否は自由意志であり、対象者への意義・目的、中断・撤回が任意にできることを書面で説明した。また、研究に同意しなかった場合も教育には参加できることを説明した。収集したデータは研究以外に使用せず、質問紙は無記名で行った。
Ⅲ.結果
本研究の対象者に、対象者19名全員に同意を得ることができ、前年度のシミュレーション教育の実施者は19名中14名(73.7%)だった。受け入れ準備にかかった時間は平均6分59秒だった。前年度シミュレーションで低評価だった項目のうち今年度改善が見られていたのは「PATの観察項目」「体型に合った薬剤や使用物品」「骨髄針の位置」「ジャクソンリースの準備」「挿管チューブのサイズ確認」だった。「保温、更衣、オムツの準備」「挿管時の肩枕の準備」「聴診器の準備」は前年度と変わらず低評価のままだった。
アンケートの回収率は19名中16名(84.2%)だった。小児患者の対応に関しての不安を0(不安はない)~5(不安が強い)の尺度で示してもらった結果、不安がある(3~5)と回答した看護師は8割以上いた。シミュレーションの感想や前回との比較では、「不安が軽減された」「思い出した」などほぼ全ての回答で肯定的な意見が聞かれた。受け入れに関する不安の変化については「受ける前より少し不安は軽減された」「不安は常に感じる」「実際に来ると怖いなと思った」などが挙がった。
Ⅴ.考察
前年度シミュレーション教育で低評価だった項目のフィードバックを行い、各々が意識することが出来、大幅な評価の上昇があったと考えられる。しかし、低評価のままであった項目もあり、物品の収納場所が原因の一つだと考えられるため収納場所の検討を行う必要がある。小児患者の対応に関して、8割以上の看護師が不安を持っている。シミュレーションの感想や前回との比較では、肯定的な意見が多く聞かれたこと、前回より総合的にシミュレーションの評価が上がっていたためシミュレーション教育の効果はあったと考えられ、定期的に開催する意義があると考えられる。受け入れに関する不安の変化についてシミュレーション後、不安が軽減している意見もあったが、一方で不安に変化はなく、実際を想定して怖くなったという意見も聞かれ、必ずしも不安が軽減するとは言えないことが分かった。しかし、シミュレーション教育を継続し経験を重ねることにより、不安の軽減に繋がる効果が期待される。
Ⅵ.結論
小児重症患者対応には多くの看護師が不安を感じていることが分かった。シミュレーション教育のみですべての看護師の不安を取り除くことは難しいが、シミュレーション教育を繰り返し行うことで受け入れ準備がスムーズとなり、知識や技術の確認ができ、結果として自信がつくことが不安の軽減に繋がると考えられるため、今後も定期的にシミュレーション教育行っていきたい。