[OD602-01] COVID-19感染拡大防止に伴う面会禁止時の家族と看護師のニーズの相違検証
Keywords:COVID-19、クリィカル境域、面会禁止、家族看護
【目的】COVID-19感染拡大防止の為2020年3月末より面会禁止の状況が続く中、急性期領域における面会禁止下で家族の必要とする患者情報と、看護師が提供している患者情報の相違を明らかにすることで家族の想いや家族に対する看護師の関わり方を検討した。
【方法】1、研究方法:アンケ―トを用いた量的研究。アンケートはMolterの「重症患者家族の45項目のニード」を参考に独自で作成。2、対象者:A病院高度救命救急センターHCU(以下救急HCU)看護師27名。救急HCU入院中の患者の家族27名。3、期間:2020年11月~2020年12月。4、データ分析方法:Excelで集計し情報提供の優先順位を1人6点満点で平均値を比較分析。5,倫理的配慮:本研究は、奈良県立医科大学医の倫理審査委員会の承認を得た(承認番号:2811)。
【結果】アンケート回収率は家族85%(23/27名)、看護師96%(26/27名)であった。面会禁止下での情報提供の優先順位、上位3つは両者で「身体状況」(家族:看護師=2.35:2.58)、「精神面」(0.65:1.04)、「今後について」(0.7:0.78)であった。看護師の方が低かった情報提供内容の項目は「命の危機」(家族:看護師=0.48:0.14)、「経済面」(0.13:0)、「処置内容」(0.48:0.12)であった。理想とする情報提供の頻度は、家族は「1回/週」35%(7/21名)、看護師は「家族の希望に合わせて」65%(15/23名)であった。家族の自由記載では「声が聞きたい」や「顔が見たい」との意見が多かった。
【考察】限られた時間で患者の状態を共有する際、両者共に「身体状況」「精神面」「今後について」を重要視する傾向がある。「命の危機」では、家族の情報提供の優先順位は看護師より高く、急性期疾患により命の危機に直面している患者が多い救急HCUにおいて優先的に把握したい内容であると推察される。そして家族は一番身近な看護師から情報を得たいという想いがあると考えられる。「処置内容」も同様に外傷などの多い救急病棟において、患者にどのような処置が行われているのか、疼痛の軽減が図れているのかは家族にとって重要な内容であると思われる。しかし、これらは医師主体で説明する為、看護師の順位が低いと推察される。「経済面」では救急HCUは緊急入院が多く、家族は予測し得ないものである。家族としては入院費や今後必要となる医療費について確認したいという想いがあると考えられる。しかし、看護師から詳細な説明は難しく重要視されていない。今後統一した情報提供をする為には看護師、医師、コメディカルの多職種間で連携を取り情報提供の内容や手段を考えていく必要がある。情報提供の頻度では看護師は「家族の希望に沿って」という意見が多く、希望に沿うことで家族の不安を軽減したい想いが読み取れる。家族が「1回/週」を1番に選択した理由は、家族と意思疎通が図れない患者も多い為、定期的に看護師から情報提供を希望する傾向が考えられる。日永田らは「患者が入院となる救命救急センターは一般的に重症患者が入院する場所であり、家族は、救命センターという名称だけで生命の危機や重症であろうということを想像している」と述べている。これより定期的に情報提供を求める家族の心理は救急科特有の意見であると考える。自由記載欄の意見から、家族は患者の様子を直接感じる事を重要視していると考えられる。その為には患者と家族に対して非対面式面会方法などを検討していく必要がある。
【方法】1、研究方法:アンケ―トを用いた量的研究。アンケートはMolterの「重症患者家族の45項目のニード」を参考に独自で作成。2、対象者:A病院高度救命救急センターHCU(以下救急HCU)看護師27名。救急HCU入院中の患者の家族27名。3、期間:2020年11月~2020年12月。4、データ分析方法:Excelで集計し情報提供の優先順位を1人6点満点で平均値を比較分析。5,倫理的配慮:本研究は、奈良県立医科大学医の倫理審査委員会の承認を得た(承認番号:2811)。
【結果】アンケート回収率は家族85%(23/27名)、看護師96%(26/27名)であった。面会禁止下での情報提供の優先順位、上位3つは両者で「身体状況」(家族:看護師=2.35:2.58)、「精神面」(0.65:1.04)、「今後について」(0.7:0.78)であった。看護師の方が低かった情報提供内容の項目は「命の危機」(家族:看護師=0.48:0.14)、「経済面」(0.13:0)、「処置内容」(0.48:0.12)であった。理想とする情報提供の頻度は、家族は「1回/週」35%(7/21名)、看護師は「家族の希望に合わせて」65%(15/23名)であった。家族の自由記載では「声が聞きたい」や「顔が見たい」との意見が多かった。
【考察】限られた時間で患者の状態を共有する際、両者共に「身体状況」「精神面」「今後について」を重要視する傾向がある。「命の危機」では、家族の情報提供の優先順位は看護師より高く、急性期疾患により命の危機に直面している患者が多い救急HCUにおいて優先的に把握したい内容であると推察される。そして家族は一番身近な看護師から情報を得たいという想いがあると考えられる。「処置内容」も同様に外傷などの多い救急病棟において、患者にどのような処置が行われているのか、疼痛の軽減が図れているのかは家族にとって重要な内容であると思われる。しかし、これらは医師主体で説明する為、看護師の順位が低いと推察される。「経済面」では救急HCUは緊急入院が多く、家族は予測し得ないものである。家族としては入院費や今後必要となる医療費について確認したいという想いがあると考えられる。しかし、看護師から詳細な説明は難しく重要視されていない。今後統一した情報提供をする為には看護師、医師、コメディカルの多職種間で連携を取り情報提供の内容や手段を考えていく必要がある。情報提供の頻度では看護師は「家族の希望に沿って」という意見が多く、希望に沿うことで家族の不安を軽減したい想いが読み取れる。家族が「1回/週」を1番に選択した理由は、家族と意思疎通が図れない患者も多い為、定期的に看護師から情報提供を希望する傾向が考えられる。日永田らは「患者が入院となる救命救急センターは一般的に重症患者が入院する場所であり、家族は、救命センターという名称だけで生命の危機や重症であろうということを想像している」と述べている。これより定期的に情報提供を求める家族の心理は救急科特有の意見であると考える。自由記載欄の意見から、家族は患者の様子を直接感じる事を重要視していると考えられる。その為には患者と家族に対して非対面式面会方法などを検討していく必要がある。