[OD602-03] COVID -19による面会制限下での面会ロボットの試験的運用を試みて
Keywords:COVID -19、面会ロボット
目的
高度救命救急センターは、様々な疾患により生命の危機にさらされている患者が入院している。そのような状況の患者家族は、家族メンバーの急激な出来事によって、精神的な危機状態に陥りやすい。
COVID-19の拡大を受けて、多くの病院で家族の面会を禁止・制限しているため、面会による患者家族のニードを充足することができない状況にある。A病棟では試験的に面会ロボットを運用し、遠隔での面会を実施した。そこで、面会ロボットでの面会に対する患者家族の客観的反応と看護師の評価を調査し、新たな支援方法を確立するための一助とすることを目的とする。
方法
対象は、A病棟看護師(師長、副師長、新採用者、異動者を除く35名)とし、独自で作成した自記式質問紙調査、計8項目に関して意識調査・単純集計を実施した。
倫理的配慮
佐賀大学医学部附属病院看護師臨床研究倫理審査委員会の承認を得た。(承認番号2020–020)
結果
A病棟看護師35名へアンケート調査を実施し、回収率は26名(74%)であった。看護師経験年数に関しては、1〜3年目が6名、4〜6年目が6名、7〜9年目が5名、10年目以上が9名であった。面会ロボット使用経験の項目に関しては、「実際に使用したことがある」、「使用した家族と関わったことがある」と回答した人が22名(62%)であった。全く関わった事がない人が4名であった。面会ロボット使用は家族のニード充足するために役立つかに関しては、「そう思う」と回答した人が16名、「ややそう思う」と回答した人が10名、「あまりそう思わない」と「そう思わない」を回答した人は0名であった。
自由記載の項目に関して、面会ロボットを使用した家族の反応は、「顔を見られて安心した」、「また使用したい」など前向きな回答が殆どであった。また、面会制限中、面会における家族のニードを充足するための工夫という項目に関しては、「もう少し簡単に使用出来る機器が良い」などの回答があった。面会制限中に、家族のニードを充足するのは難しいという回答もあった。
考察
調査結果により、使用した頻度と経験年数に大差はなく、どの年代も使用した事がある、使用した家族と関わったことがあるという結果となり、経験年数に関わらず、患者と面会できない不安などを充足する必要性を感じていたからだと考える。
自由記載の項目では、「顔を見られて安心した」や「また使用したい」など前向きな意見が多かった。また、回答者全員が、患者家族のニード充足に役立つと回答していた。
鈴木ら(1999)は、危機的状況にある患者家族は、患者を助けたい、何もできなくても側にいたい、会いたい時にいつでも会いたいと望むのが一般的であると述べている。
看護師は、患者家族の安心した、また面会ロボットを使用して面会したなどの発言や反応を側で感じ、患者家族のニードを充足するのに役立ったと客観的に評価した結果と考える。そのため、面会制限が続く中、少しでも患者家族のニードを満たすためのツールとして有用ではないかと考える。
工夫の項目では、もう少し簡単に使用できる機器が良いなどハード面に関する内容が見られた。今後、面会制限が継続する可能性もあり、患者家族が面会できるような方法・ツールを検討していく必要がある。
高度救命救急センターは、様々な疾患により生命の危機にさらされている患者が入院している。そのような状況の患者家族は、家族メンバーの急激な出来事によって、精神的な危機状態に陥りやすい。
COVID-19の拡大を受けて、多くの病院で家族の面会を禁止・制限しているため、面会による患者家族のニードを充足することができない状況にある。A病棟では試験的に面会ロボットを運用し、遠隔での面会を実施した。そこで、面会ロボットでの面会に対する患者家族の客観的反応と看護師の評価を調査し、新たな支援方法を確立するための一助とすることを目的とする。
方法
対象は、A病棟看護師(師長、副師長、新採用者、異動者を除く35名)とし、独自で作成した自記式質問紙調査、計8項目に関して意識調査・単純集計を実施した。
倫理的配慮
佐賀大学医学部附属病院看護師臨床研究倫理審査委員会の承認を得た。(承認番号2020–020)
結果
A病棟看護師35名へアンケート調査を実施し、回収率は26名(74%)であった。看護師経験年数に関しては、1〜3年目が6名、4〜6年目が6名、7〜9年目が5名、10年目以上が9名であった。面会ロボット使用経験の項目に関しては、「実際に使用したことがある」、「使用した家族と関わったことがある」と回答した人が22名(62%)であった。全く関わった事がない人が4名であった。面会ロボット使用は家族のニード充足するために役立つかに関しては、「そう思う」と回答した人が16名、「ややそう思う」と回答した人が10名、「あまりそう思わない」と「そう思わない」を回答した人は0名であった。
自由記載の項目に関して、面会ロボットを使用した家族の反応は、「顔を見られて安心した」、「また使用したい」など前向きな回答が殆どであった。また、面会制限中、面会における家族のニードを充足するための工夫という項目に関しては、「もう少し簡単に使用出来る機器が良い」などの回答があった。面会制限中に、家族のニードを充足するのは難しいという回答もあった。
考察
調査結果により、使用した頻度と経験年数に大差はなく、どの年代も使用した事がある、使用した家族と関わったことがあるという結果となり、経験年数に関わらず、患者と面会できない不安などを充足する必要性を感じていたからだと考える。
自由記載の項目では、「顔を見られて安心した」や「また使用したい」など前向きな意見が多かった。また、回答者全員が、患者家族のニード充足に役立つと回答していた。
鈴木ら(1999)は、危機的状況にある患者家族は、患者を助けたい、何もできなくても側にいたい、会いたい時にいつでも会いたいと望むのが一般的であると述べている。
看護師は、患者家族の安心した、また面会ロボットを使用して面会したなどの発言や反応を側で感じ、患者家族のニードを充足するのに役立ったと客観的に評価した結果と考える。そのため、面会制限が続く中、少しでも患者家族のニードを満たすためのツールとして有用ではないかと考える。
工夫の項目では、もう少し簡単に使用できる機器が良いなどハード面に関する内容が見られた。今後、面会制限が継続する可能性もあり、患者家族が面会できるような方法・ツールを検討していく必要がある。