第23回日本救急看護学会学術集会

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第23回日本救急看護学会学術集会 [一般演題] » 8.感染管理

[OD801] 8.感染管理

[OD801-01] 群馬県におけるCOVID-19による高齢者施設クラスター対応

○小池 伸享1、城田 智之1、萩原 ひろみ1、伊藤 恵美子1、矢内 健太1、城田 麻紀2 (1. 日本赤十字社 前橋赤十字病院、2. 群馬大学医学部付属病院)

Keywords:COVID-19、クラスター、高齢者施設

【はじめに】群馬県は,2020年4月に高齢者施設での大規模クラスターを経験した。そのクラ
スターを教訓に県としてクラスター防止対策チーム(C-MAT)を創設し活動を行ってい
るため、その意義について報告する。
【倫理的配慮】所属機関の倫理委員会の承認を得た
【事例】2020年4月某日、高齢者施設から発熱を主訴に医療機関に救急搬送された患者2名
が新型コロナウイルス陽性であること、さらに同施設に発熱をしている方が10名以上いる
ことが判明した。その後、PCRの結果に関わらず、有症状者、高年齢、基礎疾患有の方を優先
して医療機関への入院を調整した。この高齢者施設の入居者および職員、家族で合計68名
の陽性者、16名の死亡者が発生した。
【C-MAT創設】群馬県は、この高齢者施設でのクラスター発生に伴い、迅速な初動対応が
課題であると考え、C-MATを創設した。業務は、高齢者施設や医療機関などでの新型コロナウ
イルスのクラスター発生を防ぐため、感染拡大防止措置、PCR検査対象者の検討、濃厚接
触者の特定、検体採取、搬送経路の確認、搬送先の調整などである。DMATと保健所が個別
に対応するよりも迅速で効率的な対応が期待できる。実際、C-MAT創設後に21回の出動があ
るが、高齢者施設等の陽性患者発生より24時間以内に同施設に保健所職員などの行政職
員に加えて専門知識を持つ医師、看護師、事務員が訪問し、その後に続く陽性患者の発生を
未然に防いでいる。
【まとめ】高齢者施設等では、普段から感染管理には十分に配慮しているものの、いざ陽
性者が発生した場合の対応には不慣れである。そのため、施設にあった支援が必要である。
C-MATの活動は、新たな陽性者の発生を防ぐことだけでなく施設に関わる方々の精神的
なサポートも行えているのではないかと考える。