[OD801-04] 発熱外来にCOVID‐19患者と救急外来患者に対応する救急処置室設置の成果
~認定看護師の協働~
Keywords:COVID-19、ゾーニング、発熱外来、救急外来
【はじめに】
病院Aはがん診療連携拠点病院、地域周産期母子医療センターの役割を担う500床の中規模総合病院であり、厚生労働省の定める第二次救急医療として、平時は救急外来で年間約3000台の救急車搬送を受け入れてきた。2020年4月に新型コロナウイルスの市中感染増加を受け、発熱外来の運用が開始となった。病院の構造上、救急外来の一部を発熱外来に転用し、救急外来の機能維持、及びCOVID-19(以下COVID)が疑われる患者の動線の検討と待合スペースや診察室の確保が求められた。また、COVID疑い患者の診療エリアのゾーニングや、担当する医師及び看護師等がこの未経験のウイルス感染症に対する院内感染予防策の確実な実施を求められる状況であった。感染管理認定看護師と救急看護認定看護師が協働し、それぞれの知識を生かすことが有用であったため実践内容を報告する。
【目的】
救急外来と発熱外来の患者及び医療スタッフを感染から守り、かつ、患者を適切に緊急度トリアージすることができる救急処置室の開設と運用における、救急看護認定看護師と感染管理認定看護師との関わりを評価する。
【方法】
発熱外来開設時の各事柄につき、救急外来認定看護師と感染管理認定看護師の関わりを評価した。
【倫理的配慮】
本発表は病院Aの感染対策室長と看護部から承認を得て、データから個人が特定されないよう配慮した。
【結果】
感染管理認定看護師は、院外に発熱外来用のプレハブ(待合室、診察室、スタッフ室)を設置する際の施設整備担当者に助言を行った。救急外来と発熱外来のゾーニングを行い患者と医療スタッフの動線の整理と変更、標準化を徹底した。また、個人防護具(personal protective equipment:PPE)の物品の設置と医療スタッフが運用を理解し実行できる装着方法を視覚的に示した。そして診療場面に立ち合い、適切なPPE装着状況を確認した。
救急看護認定看護師は、感染症スクリーニングの問診票を作成し、適切に救急外来と発熱外来に患者を振り分け、緊急度トリアージを行う仕組みを構築し、看護師が実践できるように教育を行った。また、発熱外来の待合室と診察室に遠隔カメラを設置し、救急外来内で患者の来院状況、患者状態、検査の進捗、医師、看護師の動きを把握、限られた人員での効率的な配置を調整した。また、発熱外来必要物品をセット化し効率化を図った。
両認定看護師は協働して、救急外来と発熱外来患者にいずれも対応できる機能を持った救急処置室をプレハブと救急外来の間に設置、COVIDが疑われる重症患者を判別し、安全に診察を行った。患者と医療スタッフの動線が整い、安全な感染対策ができる環境とし、重症患者に対応できるようにシミュレーションを企画し実施した。2020年4月から2021年1月の間、救急車で来院した患者を2238件受け入れた。同期間COVID疑い患者とCOVID患者を979件受け入れた。内、救急処置室で、重症患者を72件診察した。救急外来と発熱外来でのCOVID院内発生は0件であった。
【考察】
発熱外来の開設と運用、医療スタッフの教育には、認定看護師が協働し対応していく必要性があった。救急看護認定看護師と感染管理認定看護師が協働することにより、救急外来機能を維持しCOVID患者を対応する発熱外来を開設できた。また、救急外来と発熱外来の重症患者に対応する機能を持った救急処置室を設置し、体制を構築したことで、すべての医療スタッフが、医療の質を維持し安全に運用することができた。
病院Aはがん診療連携拠点病院、地域周産期母子医療センターの役割を担う500床の中規模総合病院であり、厚生労働省の定める第二次救急医療として、平時は救急外来で年間約3000台の救急車搬送を受け入れてきた。2020年4月に新型コロナウイルスの市中感染増加を受け、発熱外来の運用が開始となった。病院の構造上、救急外来の一部を発熱外来に転用し、救急外来の機能維持、及びCOVID-19(以下COVID)が疑われる患者の動線の検討と待合スペースや診察室の確保が求められた。また、COVID疑い患者の診療エリアのゾーニングや、担当する医師及び看護師等がこの未経験のウイルス感染症に対する院内感染予防策の確実な実施を求められる状況であった。感染管理認定看護師と救急看護認定看護師が協働し、それぞれの知識を生かすことが有用であったため実践内容を報告する。
【目的】
救急外来と発熱外来の患者及び医療スタッフを感染から守り、かつ、患者を適切に緊急度トリアージすることができる救急処置室の開設と運用における、救急看護認定看護師と感染管理認定看護師との関わりを評価する。
【方法】
発熱外来開設時の各事柄につき、救急外来認定看護師と感染管理認定看護師の関わりを評価した。
【倫理的配慮】
本発表は病院Aの感染対策室長と看護部から承認を得て、データから個人が特定されないよう配慮した。
【結果】
感染管理認定看護師は、院外に発熱外来用のプレハブ(待合室、診察室、スタッフ室)を設置する際の施設整備担当者に助言を行った。救急外来と発熱外来のゾーニングを行い患者と医療スタッフの動線の整理と変更、標準化を徹底した。また、個人防護具(personal protective equipment:PPE)の物品の設置と医療スタッフが運用を理解し実行できる装着方法を視覚的に示した。そして診療場面に立ち合い、適切なPPE装着状況を確認した。
救急看護認定看護師は、感染症スクリーニングの問診票を作成し、適切に救急外来と発熱外来に患者を振り分け、緊急度トリアージを行う仕組みを構築し、看護師が実践できるように教育を行った。また、発熱外来の待合室と診察室に遠隔カメラを設置し、救急外来内で患者の来院状況、患者状態、検査の進捗、医師、看護師の動きを把握、限られた人員での効率的な配置を調整した。また、発熱外来必要物品をセット化し効率化を図った。
両認定看護師は協働して、救急外来と発熱外来患者にいずれも対応できる機能を持った救急処置室をプレハブと救急外来の間に設置、COVIDが疑われる重症患者を判別し、安全に診察を行った。患者と医療スタッフの動線が整い、安全な感染対策ができる環境とし、重症患者に対応できるようにシミュレーションを企画し実施した。2020年4月から2021年1月の間、救急車で来院した患者を2238件受け入れた。同期間COVID疑い患者とCOVID患者を979件受け入れた。内、救急処置室で、重症患者を72件診察した。救急外来と発熱外来でのCOVID院内発生は0件であった。
【考察】
発熱外来の開設と運用、医療スタッフの教育には、認定看護師が協働し対応していく必要性があった。救急看護認定看護師と感染管理認定看護師が協働することにより、救急外来機能を維持しCOVID患者を対応する発熱外来を開設できた。また、救急外来と発熱外来の重症患者に対応する機能を持った救急処置室を設置し、体制を構築したことで、すべての医療スタッフが、医療の質を維持し安全に運用することができた。