第23回日本救急看護学会学術集会

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パネルディスカッション

第23回日本救急看護学会学術集会 [指定演題] » パネルディスカッション

[PD] [パネルディスカッション] PPEによる皮膚への影響と対策の現状

Sat. Oct 23, 2021 9:00 AM - 10:40 AM ライブ1

座長:紺家 津子(石川県立看護大学看護学部)、佐藤 憲明(日本医科大学付属病院 看護部)

9:20 AM - 9:40 AM

[PD-02] コロナ時代のケア -PPEから医療従事者の皮膚を護る-

○志村 知子1 (1. 日本医科大学付属病院)

Keywords:COVID-19、医療従事者、皮膚

2019年12月、中国湖北省武漢市ではじめて確認された新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019:COVID-19)は瞬く間に世界中に拡大した。多くの国では既にワクチンの供給が開始されているが、ウイルス変異株の広がりによって今も世界中で感染者が増え続けている。

新型コロナウイルスは強い感染力を持つため、ウイルスへの暴露を防ぐことを第一とした対応が求められる。医療従事者は患者の治療やケアを行いながら、他の患者へのウイルス感染予防だけでなく自分自身への感染予防にも努めなければならない。そのためには標準予防策や手指衛生を徹底し、個人防護具(PPE; Personal Protective Equipment)を適切に選択して着用する必要がある。COVID-19の主な感染経路は「飛沫感染」と「接触感染」である。とくに気管挿管や抜管、気管支鏡検査など一時的に大量のエアロゾルが発生しやすい状況下ではN95マスクの着用が推奨されているが、COVID-19のパンデミック初期には、このN95マスクを長時間使用し続けることによって医療従事者に医療関連機器圧迫創傷(MDRPU;Medical Device Related Pressure Ulcer)が発生する事態が散見された。

MDRPUの発生は、靴擦れのような擦過傷が生じた時と同様に非常に強い痛みを伴う。そのため頻繁にマスクを触ったりずらしたりしがちとなるが、このような行為はマスクの密着性を損ないウイルスへの曝露のリスクを高めるため避けなければならない。そこでPPEから医療従事者の皮膚を確実に護る対策が必要となる。

このパネルディスカッションでは、COVID-19患者の治療やケアにあたる医療従事者の皮膚を護る対策について、臨床で実施している具体例を紹介したい。