第23回日本救急看護学会学術集会

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パネルディスカッション

第23回日本救急看護学会学術集会 [指定演題] » パネルディスカッション

[PD] [パネルディスカッション] PPEによる皮膚への影響と対策の現状

Sat. Oct 23, 2021 9:00 AM - 10:40 AM ライブ1

座長:紺家 津子(石川県立看護大学看護学部)、佐藤 憲明(日本医科大学付属病院 看護部)

9:40 AM - 10:00 AM

[PD-03] PPEによる皮膚への影響と対策の現状「皮膚保護の塗布剤」

○吉田 英二

COVID-19感染流行の長期化に伴い、サージカルマスクや手袋をはじめとした個人用防護具(PPE)の長期着用に伴う医療者の皮膚疾患が報告されている。
これらPPEによる皮膚トラブルへの対策として効果が期待されるものとして、N95マスクに代表されるサージカルマスク着用時の被膜剤による予防である。非アルコール性で速乾性の被膜剤を使用することで皮膚上にミクロン単位の被膜を形成することができる。
顔面の皮膚厚さは、傾向として瞼や目尻などの目の周囲は薄く, 顎, 口の周りで厚いと言われている。また加齢と共に皮膚の菲薄化もあるとされている。これらのことから被膜剤の使用はマスク等の摩擦から皮膚を保護するのに役立つとされている。
一方、当社調査においても看護師の方の約7割が自身への保湿ケアを実施していると回答されているが、日常的な保湿ケアにより皮膚トラブルが軽減することも報告されている。また、接触皮膚炎診療ガイドライン2020によると「刺激性接触皮膚炎では,バリアクリーム,保湿剤の予防的外用は効果がある」とされている。
スキンケアの大原則は「保清/保湿/保護」であり、被膜剤などの保護に注目しがちだが、それだけに頼らずに日頃の保湿と、保湿と保護を効果的に行うための保清を心がけていただくことが皮膚のトラブルを未然に防ぐことに繋がると考える。