第23回日本救急看護学会学術集会

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第23回日本救急看護学会学術集会 [指定演題] » パネルディスカッション

[PD1] [パネルディスカッション1] 守れ!新型コロナウイルス感染患者と対応に従事する医療者のメンタルヘルス

2021年10月23日(土) 11:00 〜 12:30 ライブ1

座長:守村 洋(札幌市立大学)、立野 淳子(小倉記念病院看護部クオリティマネージメント科)

12:10 〜 12:30

[PD1-07] 新型コロナウイルス感染患者と対応に従事する医療者のメンタルヘルス~精神看護専門看護師の視点から~

○東谷 敬介1 (1. 市立札幌病院看護部)

キーワード:メンタルヘルス、新型コロナウイルス

2020年の1月に、海外で報じられている新型コロナウイルス関連のニュースを目にしたときは、正直なところ「対岸の火事」といった認識であり、世の中がここまで激変するとは想像もしていなかった。しかし、その現実はすぐに身近なものとなった。2020年1月28日に、北海道内で初めて新型コロナウイルス感染者が確認されて以降、市立札幌病院では病棟編成を繰り返し、2021年8月現在までに、延べ約1400名の新型コロナウイルス感染患者の入院を受け入れてきた。そして、現在もこの体制は続いており、医療者を取り巻く環境も日々変化している。

 筆者は、2014年から看護部と協働しながら看護職のメンタルヘルス支援を行ってきた。主な内容として、メンタルヘルス面談、新規採用職員を対象としたGHQ-12(General health questionnaire-12)を用いたスクリーニング、セルフケアやラインケアについての研修会の開催などである。しかし、新型コロナウイルスの影響により、今まで経験したことがないメンタルヘルスの問題が出現した。時期によって内容は異なるが、未知の感染症への恐怖、自粛生活等によるストレス対処行動方法の制限、医療者への差別、度重なる病棟再編による環境変化などがあげられる。これらは程度の差はあれ、すべての人に起きていることであり、職場だけの問題では完結せず、私生活への影響も大きいことも特徴である。
特に、筆者が主に支援をしている新卒看護師や看護経験年数が2、3年目の看護職については看護教育への影響も大きく、今後、新たなる問題が顕在化してくることも考えられる。そして、未だゴールが見えず、日々、倫理的な葛藤を生じる場面を繰り返し経験することは、全医療職にとって燃え尽き症候群などの新たな問題を引き起こす可能性が高いことが予測される。このような不安定な状態が続く中で、どのようなメンタルヘルス支援が効果的なのか、皆さんでディスカッションを重ね明らかにしていきたい。