第23回日本救急看護学会学術集会

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パネルディスカッション

第23回日本救急看護学会学術集会 [指定演題] » パネルディスカッション

[PD3] [パネルディスカッション3] 東京オリンピック・パラリンピックにおける救急医療体制の構築と今後の課題

Sat. Oct 23, 2021 3:10 PM - 4:50 PM ライブ1

座長:佐藤 憲明(日本医科大学付属病院 看護部)、山勢 博彰(山口大学大学院医学系研究科)

3:10 PM - 3:30 PM

[PD3-01] Afterコロナ時代のマスギャザリング感染症対策

○菅原 えりさ1 (1. 東京医療保健大学大学院医療保健学研究科 感染制御学)

Keywords:マスギャザリング、感染症

パンデミック下そして緊急事態宣言下の東京で行われたオリンピック・パラリンピック(東京2020大会)。その準備は東京での開催が決まった時から前例に倣って行われてきたはずであった。

感染症対策においては、国内に持ち込まれる可能性のある感染症に注目し対応策を検討してきたが、2020年1月COVID-19による思いもよらないパンデミックにより一変した。そもそも、パンデミックの最中にマスギャザリングイベントを開催していいものなのか。感染制御を担っているものの立場として釈然としないものがあった。

このような中生まれたのが、「バブル方式」という新たな智恵である。関係者を見えない「泡」に包み込み、泡の外とは接触をさせない方式で、東京2020大会前からパンデミック下でのスポーツ世界大会で実施されはじめ、東京2020大会でも行われた。その結果、オリンピック関係者の陽性者は546名(2021年8月19日現在)と公開されている。このバブル方式はCOVID-19の感染対策としては理にかなっており、厳格に管理されれば有効なシステムで、今後も引き継がれる感染対策のモデルとなるだろう。しかし、イベントに集まる関係者以外の人々の感染対策に関しては大きな課題が残っており、私たちにとってはバブル方式の厳格な管理もさることながら、それに影響される一般市民への感染対策がより重要と考えている。

マスギャザリングイベントでの注意すべき感染症はパンデミック前と現状では変わりはない。2025年の大阪万博が次の世界的マスギャザリングイベントになるが、その時の世界がどのような状況になっているか、楽観せずに、課題を共有していきたい。