第23回日本救急看護学会学術集会

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[SL1] [基調講演] 救急看護のDXとAI化

2021年10月22日(金) 10:30 〜 11:30 ライブ1

座長:樋之津 淳子(札幌市立大学 看護部)、菅原 美樹(札幌市立大学 看護学部)

10:30 〜 11:30

[SL1-01] 救急看護のDXとAI化

○中島 秀之1 (1. 札幌市立大学学長)

キーワード:AI(人工知能)

DX(デジタル・トランスフォーメーション)とAI(人工知能)技術によって看護がどう変わるか/変えられるかについて考察したい.DXにおける「デジタル」というのは本質ではない.たとえば最近随所に使われている深層学習はアナログデータを扱う.DXの本質はデータをオンライン化することにより,現在行っているプロセスが効率化できるという点にある.オンライン化しただけではダメで,そのデータを効率良く,かつ高水準で処理する機能を担うのがAI技術である.この講演ではその具体例を考えてみたい.技術的には数年以内に実現できるものを想定しているが,それらが実際に実装できるか否かは技術以外の様々な社会的要因に依存しているので,AI研究者としては可能性を示唆するにとどめ,その社会的価値の判断は看護の専門の方々の判断を待ちたい.特に看護理工学会の方々は日頃こういう議論をなさっているのだと思う.

救急看護学会のWEBページには本集会の扱う範囲として「救急外来看護,プレホスピタルケア,トリアージ,災害看護,重症患者看護,終末期医療,家族看護,精神的ケア,看護教育,感染管理,医療安全,チーム医療,地域連携,看護管理」が列挙されているので,これらのうちから幾つかを選んで可能性を示したい.たとえば,救急外来看護における情報獲得の支援や搬送ルートの最適化,トリアージにAIが介入することの倫理的問題,感染対策シミュレーション,チーム医療におけるコミュニケーション支援,地域連携としてのポジティブヘルス増進の提案,健康測定データのシェアリングによる健康維持への示唆,などについて触れる.