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[SY1-04] 『先生には、病院救命士の労務管理は任せられません』
Keywords:労務管理、所属、看護助手
病院救命士の体制整備を話し合っていた際に、院長と事務次長から突きつけられた台詞である。時間外労働を厭わず、労働組合にも加入していない救急医に委ねる懸念が伺えた。北海道でトップレベルの救急車搬入台数を誇る当院救急センターの看護業務軽減化を目的に、2014年8月より道内専門学校の救急救命士学科卒業直後で、救急救命士資格を有した20代の若者を、看護部所属の看護助手として採用してきた歴史がある。彼(彼女)らは、救急センター内で救急救命士としての技能を活かせることを期待して入職するも、業務は、物品補充・病院内での患者移送・検体搬送・モニター装着・HCUでの食事介助など、救急救命士の仕事とは程遠い業務が主となり、薄給とパートタイム扱いの雇用形態も相まって、約1〜2年で消防組織へ転職してゆくことが常態化した。何とか病院救命士の退職を食い止めるべく、2021年8月に正職員化が実現したものの、看護部所属の雇用形態と業務内容は、これまでと変わっていない。彼(彼女)らは、普通の看護助手とは異なり、救急領域での阿吽の息とその貢献度への期待の高さは、2019年9月に開催された第13回北海道メディカルラリーで当院病院救命士を中心としたチームの優勝が物語っている。近年、当院救急センターからの病院間搬送を出来るだけ当院の搬送車を使用するよう徹底した結果、年間約200件の病院搬送車による緊急転院搬送が生じた。医師や看護師の同乗を回避できる観点から、今後、病院間搬送における病院救命士の利活用が期待されている。彼(彼女ら)に、救急救命士としての技能維持研修を保障し、検証および指導体制の整備は、医師が責任を持って行うことが望ましく、現行の看護部所属から救急センター所属へ改組し、彼(彼女ら)が胸を張って、やりがいを実感しながら、当院救急センターで活躍出来るよう、様々な問題を解決して行かなければいけない。