第23回日本救急看護学会学術集会

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第23回日本救急看護学会学術集会 [指定演題] » シンポジウム

[SY2] [シンポジウム2] 「コロナ禍における救急対応と今後の課題 -臨床現場と保健所の協働による挑戦-」

2021年10月23日(土) 11:20 〜 12:50 ライブ2

座長:渕本 雅昭(東邦大学医療センター大森病院)、芝田 里花(日本赤十字社和歌山医療センター 看護管理室)

11:20 〜 11:45

[SY2-01] 当院におけるCOVID-19の取り組み ~臨床看護師が行う救急対応の現状~

○小野澤 圭子1 (1. 東邦大学医療センター大森病院)

キーワード:救急対応 、COVID-19

当院では2020年3月上旬に帰国者・接触者外来が設置され、帰国者・接触者相談センターを介し多くの患者を受け入れてきた。その後、感染拡大によって第2波を迎えた昨年の夏から秋にかけて施設の改修を行いながら、受け入れ体制を整備してきた。2021年8月現在、コロナ中等症患者用病棟:25床、コロナ重症患者用集中治療室:9床をCOVID-19専用病床とし、保健所からの受診・入院要請をはじめ、他医療機関で療養している患者の転院搬送、救急隊からの要請等により1次~3次救急対応を行っている。看護師は軽症者対応、2次および3次救急の初療対応を行えるように配置し、コロナ禍以前より増員体制をとっている。
 救急看護師は緊急度・重症度の判断、診療の補助、患者の状態に合わせて臨機応変に看護介入を行うことが求められる。また、関連部門と円滑な連携がとれるよう調整することや危機的状況にある患者および家族の精神的支援など、様々な役割を担っている。しかし、このような役割を認識しながらも、患者の心身の安楽・安寧を図ることを優先したケアより、医療者や他患者への影響を考慮し安全を優先せざるを得ない状況によって、患者・家族対応を十分に行えないジレンマが生じている。また、診療経過の中で状態悪化することへの緊張感や看護師自身の感染リスクに対する不安・ストレスを抱えながら対応している。さらに、感染者増加により診療や待機場所の確保が困難になってきており、その調整にも苦悩している状況にある。
 新たな変異ウィルスが確認され、さらなる感染拡大が懸念されるなかで、課題や今後の展望について考える機会にしたい。