第6回日本在宅医療連合学会大会

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一般演題(口演)

11-1:保険制度・診療報酬

一般演題(口演)7 保険制度・医療制度

Sat. Jul 20, 2024 2:50 PM - 3:30 PM 第8会場 (会議室103)

座長:田城 孝雄(放送大学大学院)

3:00 PM - 3:10 PM

[O-1-28] 人工呼吸器を使用する18トリソミーの医療的ケア児が公立保育園に入園するための体験保育時に行った訪問看護師同行の成果と今後の課題

*小鷹 康代1、平田 正造1 (1. ソフィアメディ訪問看護ステーション香芝)

【はじめに】
人工呼吸器を使用する医療的ケア児(以下、医ケア児)が公立保育園入園を希望し、体験保育が実施され訪問看護師がこの体験保育に同行した。この体験保育を振り返り、訪問看護師が同行した成果と今後の課題を検討する。
【活動】
人工呼吸器を使用する5歳未満の18トリソミーの医ケア児(以下、Aちゃん)は公立保育園への入園を希望し、母親と共に体験保育を行い訪問看護師が同行した。
Aちゃんは母と共に車椅子やマットの上で臥床した状態で他の園児達と交流したり、遊戯にも参加した。
訪問看護師は保育園看護師と自宅でのケア内容やAちゃん特有のバイタルサインの特徴などを共有した。保育園看護師からは保育園で保育する場合の感染対策やケア、プライバシーや安全確保に必要なスペースの検討、自宅で起こった急変時等について質問があった。訪問看護師の訪問時も家族不在の場合が多く、その中でAちゃんを預かる不安や「看護師としての責任の重さ」といった精神面も共有する機会となった。
【考察】
医ケア児を保育園で受け入れるには保育園看護師の存在が重要である。しかし個別性の高い医ケア児を入園と同時に初めて受け入れるとなると、ケアの評価や正常・異常の判断を一緒にできるスタッフが近くにおらず保育園看護師の負担は大きい。体験保育で保育園看護師が家族だけでなく訪問看護師と交流することは、実際の受け入れ時をイメージしやすくなり、入園前の施設環境準備や保育園看護師の精神的負担の軽減に寄与できる。入園前の体験保育から入園後にかけて訪問看護師と保育園看護師の定期的な情報共有の場を持つことは重要で実施できることが望ましく今後の課題である。
今回の体験保育と訪問看護師の同行は人工呼吸器を使用する医療的ケア児の保育園入園希望に関して大きな取組みである。今後も保育園入園に向けて訪問看護師がサポートできることを探っていきたい。