第6回日本在宅医療連合学会大会

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ポスター

06-2:事業所運営・経営

一般演題(ポスター)事業所運営・経営

Sat. Jul 20, 2024 2:45 PM - 3:25 PM ポスター会場1 (コンベンションホールA)

座長:遠矢 純一郎(桜新町アーバンクリニック)

2:45 PM - 2:50 PM

[P-1-96] 常勤医師負担軽減のため夜間休日往診代行サービスを導入した経験

*中村 幸生1、中村 千賀1、鬼塚 君江1 (1. 優幸会 中村クリニック)

【はじめに】当院は2013年に在宅療養支援診療所として申請を出して以来、24時間365日の往診対応を医師一人で対応してきた。担当患者数の増加に伴い、夜間休日の緊急コールが増え、医師の負担が増していた。持続可能な夜間休日の診療体制の構築が当院の課題となっていた。2022年4月より当院の訪問診療エリアにおいても、企業による夜間休日往診代行サービスが開始となった。医師負担軽減のため夜間休日往診代行サービスの導入を決定した。
【活動】2022年5月より夜間休日往診の代行を依頼した。緊急コールの対応から往診までをカバーするプランで契約した。導入当初、患者や家族から「電話対応のスタッフと話が通じない」、「往診に来た医師が病状を把握していない」等のクレームがあった。
 クレームについて、院内のスタッフや企業のスタッフとのミーティングを持ち、夜間休日往診の対応について改善について繰り返し話し合った。主な改善点として、共有する病歴をわかりやすく簡潔に記載する、治療方針を明確に記載する、起こりうる病状変化を予測し事前に必要となる薬剤等を準備しておく、病状変化時の具体的な指示を記載しておく、などである。患者や家族に対しては、訪問診療導入時に、夜間休日の体制は当直体制になることを説明し、理解を得るように努めた。
【考察】夜間休日往診代行サービスの導入のメリットは以下のとおりである。医師の負担を軽減することができた。夜間休日往診を非常勤医師に依頼することになるため、当院の医師のカルテ記載が速やかになり、記載もわかりやすくなり、結果的に患者情報の共有がすすんだ。また、当院の多くのスタッフにとって、夜間休日往診は「他人事」であったが、夜間休日往診代行サービス導入を機に、日中の時間帯にできる限りの対応することで夜間休日往診を減らそうという意識を持つようになった。