第6回日本在宅医療連合学会大会

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シンポジウム

14-1:臓器不全

シンポジウム47:つながろう!心不全診療の病院–在宅連携

Sun. Jul 21, 2024 2:20 PM - 3:50 PM 第4会場 (会議室301)

座長:梅野 福太郎(四街道まごころクリニック)、岡田 将(千葉大学医学部附属病院 循環器内科)

2:50 PM - 3:10 PM

[S47-2] 高齢心不全利用者への訪問看護師の支援内容と課題

*尾崎 直子1 (1. 訪問看護ステーションかがやき)

1995年東葉クリニックで透析看護に従事
1997年法人内異動で訪問看護ステーションかがやき管理者(現職)
2003年介護支援専門員指導者
2006年介護予防ケアマネジメント指導者
2016年千葉大学大学院看護学研究科修了(システム管理学専攻)
現在の主な活動等
千葉県介護支援専門員協議会理事・日本在宅看護学会会員・日本心不全リハビリテーション学会会員・千葉県認知症対策推進委員会・千葉大学看護学部臨床講師・日本高齢者腎不全研究会世話人
【はじめに】心不全患者数は増加しており、2030年には患者数は130万に達すると予測されている。患者の多くは高齢者であり、複数の疾患を併存しかつサルコペニアなどの身体機能の課題も発生している。高齢者心不全患者のセルフケアの遂行は、外部の支援なしでは継続が難しい。在宅で療養する心不全患者の支援について訪問看護師の立場から現状と課題について述べる。【支援内容】心不全の利用者(以下心不全患者)に訪問看護師が介入する時期は、ACCFとAHAの心不全ステージ分類ではC及びDの時期が多い。予後改善のために日常生活の様々な助言やサポートを実施し、心負荷の軽減や心機能低下予防を図る。内服の管理をはじめ、血圧や体重管理、主治医との連絡調整を行う。さらに併存する疾患との調整など、心不全患者の生活環境に合わせた支援を細やかに実施することを求められる。しかし介護保険制度では要支援の状態像であることが多く訪問回数に制限を生じやすい。ステージDの時期の心不全患者に対し、ACPのサポートなどを含め周囲の支援者との連携を強化する。最終段階では、看取りの調整を含め苦痛の緩和を支援する。また、多職種との協働が円滑に進むようケアマネジャーらと情報共有を図る。【事例】80代男性。拡張型心筋症でステージCの時期から介入した。徐々に心機能の低下認め、入院頻度が多くなった。介入当初はセルフケア支援を中心にサポートし入院頻度の減少が可能であったが、徐々に緊急入院の頻度が増回した。ステージDの時期に移行し支援内容は看取り支援へ変化した。心不全患者の訪問看護支援は介護保険での介入となるため訪問回数を生じやすく、十分な支援ができないことがある。【まとめ】高齢者の心不全患者のセルフケア支援は訪問看護師の果たす役割は大きい。訪問看護の介入の在り方や心不全看護の学習機会を増やし多くの看護師が不安なく介入できる環境つくりが必要である。