第6回日本在宅医療連合学会大会

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シンポジウム

19-1:小児

シンポジウム40:小児在宅医療における成人移行について

Sun. Jul 21, 2024 12:40 PM - 2:10 PM 第5会場 (会議室302)

座長:遠矢 純一郎(桜新町アーバンクリニック)、中村 知夫(国立成育医療センター 医療連携・患者支援センター 在宅医療支援室)

12:40 PM - 1:10 PM

[S40-1] 地域における小児期発症の慢性疾患を持つ成人患者に対する医療ネットワークの構築に向けての話し合い通じて見えてきたもの

*中村 知夫1 (1. 国立成育医療センター 医療連携患者支援センター 在宅医療支援室室長)

昭和34年8月22日 64歳

学歴
昭和60年3月11日 私立兵庫医科大学医学部卒
平成13年10月24日 博士号取得

職歴
昭和60年6月1日 兵庫医科大学小児科医局入局
昭和62年7月1日 大阪府立母子総合医療センターレジデント(新生児科、循環器科)
平成元年7月1日 兵庫医科大学小児科医員
平成4年2月1日 国立小児病院麻酔集中治療科レジデント    国立小児研究センター病態生理部門研究員
平成6年10月1日 国立小児病院麻酔集中治療科医員
平成10年7月1日 The Lawson ResearchInstitute
(London,Canada) post-doctoral fellow
平成13年7月1日 国立小児病院新生児科医員
平成14年3月1日 国立成育医療研究センター周産期診療部新生
児科医長平成
26年7月16日- 総合診療部 在宅診療科部長、医療連携・患 
        者支援センタ-在宅医療支援室室長
【はじめに】小児期発症の慢性疾患を持つ成人患者(成人移行患者)に対する適切な医療の提供が全国で大きな問題となってきている。【活動】世田谷区地域における成人移行支援の現状と問題点を共有し、問題解決に向けての方向性を検討することを目的として、当院と、訪問診療医、地域の中核病院の先生方との「地域における小児期発症の慢性疾患を持つ成人患者に対する医療ネットワークの構築に向けての話し合い」を当院の医療連携・患者支援センター主催で開催した。当院移行期員会からの成人移行の取り組みと現状に関する講演と、在宅医と、地域の中核病院の小児科、総合内科の医師からの地域の成人移行の現状と問題点についての講演の後に、参加者と質疑応答を行なった。お互いが顔の見える関係性の構築と、意見交換を行えるよう少人数での対面形式とし、演者に加え、当センターからは、医療連携及びトランジション担当の医師、看護師、MSWが参加し、地域からは、訪問クリニックと中核病院の看護師と相談員、薬局薬剤師、障害福祉の担当者合わせて23名が参加した。参加者から、各関係者の抱えている生活支援を目的とした医療システムの問題点を初めて共有することができたとの感想が得られた。 【考察】今回の話し合いから、下記の内容が必要と考えられた。① 医療機関完結型医療から地域完結型医療を構築する、② 成人移行の必要性をこどもが若年のうちから患者・保護者に伝えてゆく病院の体制、③ 小児医療と成人医療の考え方、枠組みの違いを小児医療の関係者も、患者・保護者も理解する、④ 成人移行の行程を患者・保護者と共有できるツール、⑤ 小児高度医療機関を含む医療従事者が、地域医療構想/地域包括ケアシステムの実践のため、地域の関係者に取り組むべき内容を粘り強く説明してゆく、⑥ DPCの構成及び診療報酬を患者の生活支援に配慮したものに変えてゆく、⑦ 一人一人の患者の成人移行を誠実に行う